鹿大で「奄美の未来を考える」パネル討議

奄美の文化継承や人材育成などについて意見発表したパネルディスカッション=12日、鹿児島市の鹿児島大学

奄美の文化継承や人材育成などについて意見発表したパネルディスカッション=12日、鹿児島市の鹿児島大学

 「豊かな自然と文化を有する奄美の未来を考える」と題したパネルディスカッションが12日、鹿児島市の鹿児島大学稲盛会館であった。同大学の創立70周年記念シンポジウムの一環で、奄美の自然・文化を通じて地域の研究、発信などの活動に携わる産官学の関係者など6人が、それぞれの立場から意見や提言。県本土と沖縄の中間に位置する奄美の独自性や、島々で異なる方言や文化などの多様性を再確認した。

 

 シンポジウムのメインテーマは「南九州から世界に羽ばたく、グローカル教育拠点・鹿児島大学を目指して」。パネルディスカッションでパネリストは奄美の自然、文化の継承、人材育成の方向性など、地域の将来も見据えながら提言した。

 

 奄美市立奄美博物館の高梨修館長は、奄美と沖縄を一体的に捉える考え方について「沖縄から奄美を見ると、自然環境など類似点が多く、奄美が沖縄の付録になってしまうことが多い」と指摘。沖縄だけでなく、鹿児島県本土から奄美を見ることの重要性も訴えた。

 

 地域の人材育成や生涯学習の視点では、奄美エフエム ディ!ウェイヴの麓憲吾代表理事が「島に生まれ育った自信と誇りを覚えるためにも、自身のアイデンティティーの再確認が必要」と強調。

 

 今年3月まで県大島支庁に勤務していた県企画部の田中完次長は、鹿児島大学のワークショップで奄美を訪れた学生と地域との交流により「地元愛にあふれる人材が育っている」と述べ、地域の教育・研究機関としての同大学の役割に期待。県奄美パーク園長の宮崎緑氏は、奄美での教育拠点施設整備を提言した。

 

 パネルディスカッションに先立ち、宮崎氏が「国際人育成の視座」と題して講演。同日は同大学の創立70周年記念式典と、大学敷地内に完成した稲盛記念館のオープニングセレモニーもあった。