Iターン増で児童4人から9人に 瀬戸内町・嘉鉄小

 地域から招いた講師から三味線の弾き方を学ぶ児童たち=9日、瀬戸内町の嘉鉄小

地域から招いた講師から三味線の弾き方を学ぶ児童たち=9日、瀬戸内町の嘉鉄小

 瀬戸内町立嘉鉄小学校(中島朋子校長)は児童のほとんどがIターンの児童たち。2019年度初め4人だった児童数は転入などで徐々に増え、20年度は9人になった。学校存続を願う校区住民も「学校から子どものにぎやかな声が聞こえる」と喜んでいる。9日は地域の講師を招いた島唄・三味線の授業があり、児童たちは奄美の文化を熱心に学んでいた。

 

 同校の児童は現在、1年生1人、2年生3人、3年生2人、5年生3人。Iターン者の子どもで同町生まれや、親の仕事の都合で同町に引っ越した児童を含めて全員が町外出身者だ。昨年度は2学期以降に4人、20年度に入って3人が転入、入学した。

 

 この日、講師に招いたのは同集落出身で奄美市在住の福本恒久さん(79)と同町在住の里朋樹さん(30)。課題曲は「行きゅんにゃかな」と「正月着物(しょおがつぎん)」で、福本さんが歌い方を、里さんが唄の意味などを分かりやすく指導。5年生は里さんから三味線の弾き方も学んだ。

 

 児童たちは最初緊張気味だったが、練習を繰り返すうちに自信がついて歌声も大きくなり、三味線の弦を弾く音も力強くなった。今後も秋以降の各種文化行事・イベントへの出演に向け、島唄と三味線の練習を継続する予定で、5年生の森日向香さん(10)と双子の長奏心君(11)、新君(11)兄弟は「三味線は難しいが、今年中に1曲は弾けるようになりたい」と口をそろえ、意欲を見せた。

 

 里さんは「今は奄美出身でも島唄を知らない子が多く、スタートは一緒。練習すればできるようなる」と児童たちの今後の頑張りに期待を込めた。

 

 嘉鉄小校区では児童数の減少に伴い、2018年3月に「嘉鉄小学校存続活性化対策委員会」(岡田弘通委員長)を発足。同校、町教育委員会と連携して学校存続に向けた活動に力を入れてきた。

 

 インターネットを利用したPR活動などが功を奏し、同校や集落にはIターン希望の家族からの相談が現在も寄せられている一方、新たな問題も出てきた。移住者に貸し出す家が足りないのだ。

 

 嘉鉄集落の勝美壽光区長(73)は「9人の児童が入って学校がにぎやかになり、うれしいことだが▽地権者が分からない▽本土に住んでいて家は空いているが、荷物があるので貸せない▽住むには多大な改修費が必要│などの理由で貸せる家がなく、これ以上、集落に移住者を受け入れることができない。町とも相談しながらこの課題に取り組んでいきたい」と話した。