ヨロンの海とサンゴ学ぶ 児童ら苗作りも体験 与論町

2019年10月19日

子ども・教育

針金を使い、サンゴの苗を専用のブロックに取り付ける児童=12日、与論町

針金を使い、サンゴの苗を専用のブロックに取り付ける児童=12日、与論町

 【沖永良部総局】与論町漁業協同組合(阿多美智雄組合長)は12日、同町立茶花小学校の5年生を対象に、「海とサンゴの勉強会&サンゴの苗作り体験」を同漁協で行った。児童23人がサンゴの生態や海の環境保全の大切さを学んだ。

 

 勉強会では、鹿児島大学水産学部の江幡恵吾准教授と技術職員の松岡翠さんが、鹿児島湾や与論島周辺の海の豊かさを紹介。サンゴの種類と観察の際のポイントなども教えた。

 

 苗作り体験では、漁協職員から説明を受け、用意されたブロックにサンゴ苗を針金で取り付ける作業をした。児童らはサンゴのぬめりに苦戦しつつもペンチを上手に使ってブロックに固定していた。

 

 同漁協は約2年前から、増殖事業の一環としてサンゴの養殖・植え付けなどサンゴ礁の自然再生を促す取り組みを進めている。サンゴの苗を取り付けるブロックの資材は、島内の産廃の酒かすやサトウキビのバカスなどを活用。アミノ酸や石灰カルシウムなどの栄養分を含むほか、環境にも配慮している。

 

 児童らが固定したサンゴ苗は約半年間、成長を待って海底に植え付けるという。

 

 阿多組合長は「昔のように与論のイノー(サンゴ礁に囲まれた浅い海)が豊かになってくれれば。子どもたちが、大人になった時、自分がつくったサンゴの成長を確認してくれるとうれしい」。

 

 参加した川畑空桜さんは「サンゴは海にとって一番大切な存在。サンゴのすばらしさと大切さが分かった」と話した。