台風惨禍の中「笑顔に活気」 与論島3小で運動会

2018年10月08日

子ども・教育

地域住民一体となって楽しんだ茶花小の全校ダンス「与論音頭」=7日、与論町

地域住民一体となって楽しんだ茶花小の全校ダンス「与論音頭」=7日、与論町

 与論島の3小学校で7日、運動会があった。甚大な被害をもたらした台風24号の襲来から1週間。復興は始まったばかりだが、この日は保護者をはじめ多くの地域住民が復旧作業の手を休めて参加。晴天に恵まれた校庭に笑顔が広がった。

 

 3校とも当初9月30日に運動会を予定していたが、台風のため延期されていた。被災状況を考慮し、那間、与論両校は地域種目を削減して時間短縮。茶花は第100回の節目とあって全種目予定通り行った。

 

 茶花小の秋季大運動会は第100回記念のセレモニーで開幕。かけっこや綱引などで熱戦を繰り広げたほか、地域住民も一体となった全校ダンス「与論音頭」やエイサーの100回記念メドレーなどで盛り上がった。

 

 記念セレモニーでは、校区内3地区の長老3人が同校1年生男女2人に校旗を引き継いだ。立長地区代表として参加した川畑泰孝さん(75)は「飛ばされた屋根の修理を終えて参加した。孫2人の活躍も見られ、子どもたちに活気をもらった」と声を弾ませた。

 

 同校の鶴田幸伸校長は「台風で家が全壊した児童もいる。復興途上ではあるが、地域の元気につながるのではと思い、開催を決めた。被災した方も自ら参加したいと言ってくださり、涙が出そうだった。地域住民の笑顔が見られてよかった」と話した。