地域資源の活用法など学ぶ 地域創生人材育成PJ 古仁屋高校

2019年07月10日

子ども・教育

イベント企画について意見を出し合う生徒=8日、瀬戸内町

イベント企画について意見を出し合う生徒=8日、瀬戸内町

 瀬戸内町の県立古仁屋高校(重吉和久校長、生徒97人)で8日、地域創生人材育成プロジェクトの講演会とワークショップがあった。生徒たちは着地型観光の先行事例から地域の歴史・文化資源の研究や活用方法を学び、来月開催予定のイベントについて計画を話し合った。

 

 プロジェクトは県教委の事業で、高校が地域課題の解決や地域創生につながる実践的な取り組みを行うことで地域や高校の活性化を目指す目的。

 

 講演会は全校生徒を対象にあり、地域密着型観光の総合プロデュースなどを行う㈱宙(そら)の駅(本社・鹿児島市)の本田静代表取締役が講師を務めた。

 

 本田さんは「素材の魅せ方と磨き方」と題し、着地型観光や旅行者のニーズの変遷について解説した。着地型観光商品のつくり方として鹿児島の山城を巡る旅行商品や鹿児島東高校が実践したツアーの事例も紹介。「地域の素材は自分で経験しなければ自分の言葉で感動を伝えることはできない」と語り、選ばれる商品のポイントは①元祖になる②自分たちがキャストになる③常に創り出す―こと、と話した。

 

 講演会後は3年生の情報ビジネスコースと研究グループが8月3日に開催予定のイベント企画についてワークショップを実施。生徒が出し合った意見に本田さんが▽情報発信が命。早急にSNS(会員制交流サイト)を立ち上げ、みんなで発信する▽キーワードの「日本スイーツの聖地」はぶらさない▽小学生対象なら1年生が分かる内容や表現にする―などとアドバイスした。

 

 この後も研究グループの生徒4人は、本田さんや引率教諭とイベント会場の「せとうち海の駅」や久慈白糖工場跡などを巡検した。

 

 3年の奥村芽生さん(18)は「講演を通して新たな課題が見つかった。意見を出すだけでなく8月のイベントに向けて行動に移していきたい」と意気込んだ。

着地型観光などについて語る宙の駅の本田静さん=8日、瀬戸内町

着地型観光などについて語る宙の駅の本田静さん=8日、瀬戸内町