島暮らし体験中 奈良の高校生 古山さん 龍郷町

2020年10月27日

子ども・教育

奄美大島で島暮らしを体験中の古山さん(前列左)とサポートするイモーレ秋名のスタッフら=24日、龍郷町幾里

奄美大島で島暮らしを体験中の古山さん(前列左)とサポートするイモーレ秋名のスタッフら=24日、龍郷町幾里

 奄美3世で奈良県天理市在住の高校3年生、古山真琴さん(17)が23日から奄美大島を訪れ、ルーツである龍郷町で島暮らしを体験している。高校卒業後の移住も視野に、奄美の歴史や文化を学ぶ予定。24日は同町幾里の飲食・宿泊施設「荒波龍美館~荒波のやどり」で地元の主婦らと共に新メニューの試作に取り組んだ。滞在は27日まで。

 

 古山さんは祖母が戸口出身。母から奄美の話を聞くうちに関心を持ち、自身のルーツを深く知りたいと荒波龍美館を指定管理する一般社団法人イモーレ秋名(村上裕希代表理事)に連絡を取った。24日から26日まで同館に宿泊し、島内を探索した。

 

 島暮らしを考えるようになったきっかけは、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大。高校卒業後は就職して海外で働くことを考えていたが、感染症をめぐる各国の社会情勢を見て地元に根差した暮らしにも魅力を感じるようになったという。

 

 24日は荒波龍美館1階の飲食スペースで、30日から提供する予定の食事の試作に加わった。新メニューは、近くの水田で生産している旬のマコモを使ったマコモ尽くしのランチ。調理を担当する地域の女性たちが味や量のバランスについて語り合い、献立を組み立てた。

 

 古山さんもスタッフとおそろいのTシャツに身を包み、ホイル焼き、かき揚げ、煮しめ、キムチ、炊き込みご飯の5品の調理を手伝った。飲食店でアルバイトをしているとあって手際よく包丁を扱う古山さんの様子にスタッフは喜び、古里の味を知ってもらおうと地元の食材や調理法について熱心に伝えたり、次々と試食を差し出したりしていた。

 

 24日の夜は地域の青年団が企画し、歓迎の八月踊りも行われた。古山さんは「海外に行くことは今すぐじゃなくてもいい。奄美の歴史や文化を学び、今は暮らしの力を身に付けたい」と話した。滞在中、本場奄美大島紬の生産現場や島内の史跡などを巡るという。