悩み、一人で抱え込まないで  奄美市名瀬中でSOS授業

2019年07月05日

子ども・教育

クラスメートたちとストレス回避方法を紹介し合う生徒=3日、奄美市名瀬

クラスメートたちとストレス回避方法を紹介し合う生徒=3日、奄美市名瀬

  奄美市の名瀬中学校(外西一彦校長、生徒220人)で3日、2年生64人を対象に「SOSの出し方に関する教育」の授業があった。市保健福祉部健康増進課と教育委員会が取り組む事業で初開催。生徒たちは、悩みや不安などで危機的状況に陥った際の適切な対処法について理解を深めた。

 

 授業は2クラスに分かれてあった。1組の生徒は保健師の徳永明子さんを講師に意見交換を行い▽音楽を聴く▽歌う▽運動する―などクラスメートが普段実践しているストレス回避方法を共有。腹痛・頭痛、ささいなことに対するいら立ちなど体がサインを発するほど悩みや不安が大きい場合は勇気を出して信頼できる大人に相談することが大切などと教わった。

 

 徳永さんは「理解してくれる大人に出会うのは大変なこと。少なくとも3人には相談して。必ず気持ちを真剣に受け止めてくれる人はいる。一緒に考えてくれる人があなたの信頼できる大人」と語り、「一人で抱え込まず、苦しい時や大変な時には助けを求めて。悩みを抱える友達がいたら自分から声を掛けて」と呼び掛けた。

 

 授業を受けた村田晃輝さん(13)は「自分がつらい時や友達がつらいと思っている時にどう対処すればいいのか分かった。これからの人生に生かしていきたい」、太島小陽さん(13)は「自分が一人で悩んでいるときや友達が一人で抱え込んでいるときに学んだことを生かしたい」と話した。

 10日には同市名瀬の奄美小学校で5年生を対象に同様の授業を実施予定。