コミュニティーFM新設へ 瀬戸内町

2021年03月13日

政治・行政

新たにコミュニティーFM放送局のスタジオ開設を予定している「せとうち海の駅」=瀬戸内町古仁屋

新たにコミュニティーFM放送局のスタジオ開設を予定している「せとうち海の駅」=瀬戸内町古仁屋

 瀬戸内町で新たなコミュニティーFM放送局の開局準備が進められている。既存の放送局「エフエムせとうち」は2月末で廃局し、3月1日から放送を停止した。新規事業者による放送局は4月上旬、同町古仁屋の「せとうち海の駅」1階に開局する予定だ。

 

 

 同町のコミュニティーFM放送局は「エフエムせとうち」として2012年4月に開局。NPO法人エフエムせとうちが旧法務局2階をスタジオにして運営し、行政、防災、イベント情報など地域に密着した放送を行っていた。

 

 

 町企画課によると、2020年度の施政方針に基づき全般的に同放送局の運営の見直しを行い、昨年10月に新たな事業者を公募。既存の運営法人から応募がなく、新規の事業者1社を決定した。

 

 

 エフエムせとうちは、町と運営法人との施設の無償貸付契約に基づき、町が立ち退きを求めて廃局した。旧施設は、ワーケーション施設として活用されることが決まっている。

 

 

 新たに決まった運営事業者は現在、法人格取得などの許認可を申請中。スタジオを移転予定の「せとうち海の駅」は新規運営事業者から「人がいる所にスタジオを置くことで、生放送で通行人や観光客に話を聞ける。施設内で小規模のイベントもしたい」などの要望があり、候補に上がった。

 

 

 スタジオの移転費用は国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用して町が負担する。町議会は昨年12月定例会で、旧施設のワーケーション施設改修費と移転費3350万円を含む20年度一般会計補正予算(第8号)を可決した。

 

 

 町企画課ではこれまでの運営法人について「100パーセント町の補助金で運営するなど体質に問題があった。番組の放送内容について住民から『コミュニティー放送局の目的に反するような内容がある』との指摘があり、番組審議会が十分に機能していなかったのではないかと思う。役場の公金を投入している以上は町民の納得、了解が得られているかどうかが重要」と廃局に至った経緯を説明。

 

 

 新たに開局する放送局については「放送法に抵触せず、地域の振興、活性化、公共の福祉の増進に寄与するなど、コミュニティー放送局本来の目的に沿うものであれば、町としてどうしてほしいというのはない。審議会の中で内容を精査して番組を放送してほしい」と話した。