今夏、夜間利用ルール導入へ 三太郎線ナイトツアー実験報告 奄美市住用町で住民説明会 環境省

三太郎線の利用ルールについて意見交換した住民ら=12日、奄美市住用町

三太郎線の利用ルールについて意見交換した住民ら=12日、奄美市住用町

 環境省は12日夜、奄美市住用町の市道三太郎線周辺で昨年11月実施したナイトツアーの実証実験に関する住民説明会を同町の住用公民館で開いた。同省が実験結果を報告。今年4~5月の大型連休中に2回目の実証実験を行い、夜間車両規制の方法などについて住民や観光ガイドら関係者との合意を経て、7月以降に利用ルールの運用を試行的に開始する方針を示した。

 

 夜間にアマミノクロウサギなどを観察するナイトツアー客の増加を受けて、同省は希少動物の交通事故や利用者同士のトラブル防止などを目的に、三太郎線周辺で利用ルールの導入に向けた検討を進めている。実証実験は昨年11月19日から5日間、三太郎線で午後6~11時に車両の通行を予約制とし、一方通行にして利用台数を1日20台に制限。接続する市道スタル俣線などは通行止めにした。

 

 同省によると、期間中に予約をして通行した車両は76台で、一晩では21日の18台が最多。規制に法的拘束力はなく、予約がない場合は自粛を求めたが、応じない車両が2台あった。利用者への聞き取りやアンケート調査では、1台当たり平均4・4匹のクロウサギを観察。一方、他の車両との間隔が詰まり、うまく追い越しができなかったり、「動物の観察が十分できなかった」という意見があった。

 

 説明会には地元住民16人が参加。環境省の報告後、利用ルール導入に向けて、2班に分かれて三太郎線の通行規制の時間帯や通行方向、ルールの運用方法などについて意見交換した。

 

 参加者から「クロウサギだけでなく、星空やホタルなど自然全体を見たい人もいることを考慮してルールを考えて」という要望があった。「将来的には地元で監視員を置いたり、入場料の徴収も検討しては」という提案や、「ルールは一度作って終わりではなく、状況に応じて変えていくべき」などの意見もあった。

 

 今後は行政と住民、民間団体など関係者らで構成する三太郎線周辺の夜間利用適正化連絡会議を3月に設置。住民や観光ガイドら関係者の意見を踏まえて2回目の実証実験を行い、夏の奄美・沖縄の世界自然遺産登録を見据えて利用ルールの試行を始める。

 

 奄美群島国立公園管理事務所の早瀬穂奈実国立公園管理官は「実験では利用者の満足度が高いという結果が得られた一方、混雑が発生し、動物が十分に観察できなかったという課題がみられた。皆さんの意見をしっかり聞いて、自然を守りながら利用できるルール作りを進めたい」と述べた。