処理スピード10倍に AIで認識、高速化 10万円の特別給付 奄美市

AI-OCRとRPAを使った特別定額給付金受け付け処理のデモ=4日、奄美市名瀬(画像を一部加工しています)

AI-OCRとRPAを使った特別定額給付金受け付け処理のデモ=4日、奄美市名瀬(画像を一部加工しています)

 新型コロナウイルス感染拡大に伴う国民1人10万円の特別定額給付金で、奄美市は人工知能(AI)で手書き文字を認識する「AI-OCR」やロボットが単純入力作業を代行する「ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)」を受け付け処理作業に活用している。5月29日の導入後、処理時間は手作業に比べ約10倍にスピードアップ。郵送申請分の支給作業が1週間程度早まり、今月2日には約9600件の大量給付につながった。

 

 総務課によると、申請書受け付け後の処理作業は主に①開封、仕分け、書類チェック②口座情報の入力③口座振り込み│の流れ。このうち②のデータ投入作業に一連のシステムを導入した。

 

 具体的には▽申請書類をスキャンし画像データ化▽画像からAI-OCRが手書きの口座番号などを読み取り、表データ化▽RPAが給付金システムに情報投入する。

 

 AI-OCRは読み取り精度が高く、訂正箇所や二重給付チェックもできるという。RPAは24時間稼働も可能で入力ミスも減る。

 

 1件当たりの処理時間は30秒。職員による直接入力(再チェック作業含む)を1件当たり5分と想定すると、10分の1に短縮された。

 

 NTTデータ社が無償提供しているシステムを活用し、市側で独自のシナリオを作成した。現在はAI-OCR用パソコン1台、RPA用パソコン4台を稼働させている。

 

 4日、市役所会議室で報道関係者向けにデモンストレーションがあった。押川裕也課長補佐(働き方改革担当官)は「AIやロボットでできる仕事を積極的に任せることで、電話応対や書類の不備チェックなど人でなければできない作業に注力できる」と効果を語った。

 

 市は2019年度、総務部内に働き方改革プロジェクトを発足。ふるさと納税寄付受け付けなど庁内5業務のRPA化実証実験に取り組んだ。