奄振234億円 前年度比10%増 おがみ山バイパス用地交渉費計上 交付金に雇用支援事業 政府19年度予算案

 【東京支社】政府は21日、2019年度予算案を閣議決定した。このうち18年度末で期限切れとなる奄美群島振興開発特別措置法(奄振法)の延長を前提とした奄美群島振興開発事業関係(国土交通省一括計上分)は公共、非公共合わせて前年度当初比10%増の234億1500万円。非公共で各種ソフト事業に充てることができる奄美群島振興交付金は前年度当初と比べ2%増の24億4400万円を確保し、制度を充実、拡充した。

 

 奄振予算は公共事業分は、防災・減災と国土強靭化のための緊急対策として臨時・特別措置された21億100万円を含め前年度比11%増の209億6300万円。計上予算では港湾分野で国・県が名瀬港や和泊港で防波堤を整備。空港分野では奄美空港などで国・県が無線・電源施設を更新する。廃棄物処理分野では喜界町がごみの焼却施設を更新する。

 

 農業農村分野では沖永良部島での国営かんがい排水事業で国が地下ダムや用水路の整備を継続する。喜界島で地下ダムの全体実施設計に着手する。沖永良部島と徳之島では県が配水路などの整備を進める。

 

 道路関係では、社会資本総合整備として国道58号おがみ山バイパス事業の再開に向け、用地交渉費を計上。主要地方道名瀬瀬戸内線の奄美市名瀬根瀬部―大和村国直間でのトンネル工事を継続する。防災分野では大和村大金久海岸での人工リーフ整備を進める。下水道分野では奄美市の終末処理場改築費を計上した。

 

 非公共は各種調査費を含め24億5200万円。奄振交付金では、新たに雇用や交流人口の拡大につながる取り組みを支援する事業を盛り込んだ。民間と連携した新しい取り組みについて、事業開始から3年間を「特定重点配分対象事業」と位置付けて支援する。国交省によると、事業名称や制度の詳細は県などで今後詰めていく。

 

 このほか、農林水産物が対象の輸送費支援策を拡充し、加工品の移出や原材料の移入対象を拡大。航路・航空路運賃の割引対象も広げ、群島外の中学・高校や大学などで学ぶ出身学生を「準住民」として軽減運賃を適用する。18年度末までの時限措置としていた観光交流需要喚起事業や沖縄との交流連携促進事業は継続する。