奄振6%減の200億円 21年度概算要求、コロナ対策も

 国土交通省は25日、2021年度予算案の奄美群島振興開発関係概算要求額(同省一括計上分)を発表した。公共、非公共(ソフト)を合わせた要求総額は200億4400万円。沖永良部島の地下ダムや、奄美市の末広・港土地区画整理事業などの大型事業がピークを越したことで、20年度当初予算比6%の減となった。非公共の奄振交付金事業では、新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、ICT(情報通信技術)を活用したオンライン化推進などの感染症対策事業を新たに盛り込んだ。

 

 今年は新型コロナの影響に伴い、各省庁からの要求締め切りが8月末から9月末に1カ月延期された。ただ、来年度予算案は例年同様、年末の閣議決定を目指している。

 

 公共事業の要求額は今年度当初予算比9%減の171億7800万円。事業別で、港湾空港は同24%の減。奄美空港の無線設備更新事業が今年度完了するため。奄美・喜界両空港の滑走路整備、名瀬港岸壁整備は継続する。

 

 道路環境は和泊町などの県道無電柱化を継続。水道廃棄物処理では、20年度に事業開始した与論町のし尿処理施設整備を盛り込む。

 

 農林水産基盤整備は、沖永良部島の地下ダムが21年度に事業完了予定。社会資本総合整備(交付金)では、事業費ベース進捗(しんちょく)率が90%に迫った末広・港土地区画整理事業の影響で減額する。防災・安全交付金も「事業の境目に当たる」(同省)ことから、減額となった。

 

 国は7月に示した概算要求方針で、要求額は対前年度同額を基本とし、新型コロナ対策や自然災害対応などの「緊要な経費」は別途、要望することとしている。

 

 奄振事業の公共事業関係費についても、これらの経費は金額を示さない事項要求を行い、予算編成の過程で詳細を詰めていく方針。このため最終的な要求額は見通しが立たない状況だが、同省は「少しでも予算確保できるよう努力したい」と話した。

 

 非公共は今年度当初予算比19%増の28億6600万円を要求する。奄振交付金の感染症対策では、オンライン化取り組み支援などのデジタルニューディール推進、小規模事業者の利子補給支援、公共施設の3密対策などのメニューをそろえた。

 

 世界自然遺産登録に向けた観光キャンペーンは、新型コロナの影響で可否審査が延期されたことから、21年度も事業を継続。バレイショやタンカンなど戦略産品の輸送費支援、航路・航空路運賃軽減事業も継続を要求する。