奄振8%減の195億円 交付金は例年並み維持 政府21年度予算案

奄振 【東京支社】政府は21日、2021年度予算案を閣議決定した。奄美群島振興開発事業関係(国土交通省一括計上分)は、公共、非公共合わせて前年度当初比8%(17億7200万円)減の195億5230万円。うち非公共で各種ソフト事業に充てることができる奄美群島振興交付金は、例年並みの23億9400万円(調査費含む)を維持した。

 奄振予算の公共事業分は、前年度比9%(17億5700万円)減の171億2900万円。公共事業の減額について、国交省は「喜界島の地下ダム工事など大型案件を次年度に控えていることによる公共事業の谷間の年に当たるため」とした。

 計上予算では、港湾整備で前年度と同額の15億4200万円を盛り込んだ。名瀬港の2号岸壁の整備に続き、1号岸壁事業に着手。和泊港の防波堤も整備する。空港整備は奄美空港の無線施設整備が完了したことにより、54%(6億4700万円)減の5億5500万円とした。奄美空港、徳之島空港の滑走路端安全整備は継続する。

 与論町のし尿処理施設などの整備に充てられる廃棄物処理施設整備は、30%(5000万円)増の2億1900万円を確保した。

 道路や橋、トンネルを長寿命化するのための補修は、ほぼ同額の3億9900万円。無電柱化対策は与論町と和泊町で行われている事業を継続する。

 農業水産基盤整備は12%(8億6700万円)減の総額61億5700万円。沖永良部島の地下ダムの地下部分の工事が進んだなどにより減少した。同ダム事業は、地上部分の工事を進め完成を目指す。

 社会資本総合整備総合交付金は、3%(1億5200万円)減の52億600万円。奄美市の末広・港地区の土地区画整理による大型の用地買収が終わったことなどにより減少した。

 防災安全対策では、道路補修や地域の公民館や集会所に災害対策拠点としての機能を整備する。

 非公共は各種調査費を含め23億9400万円。奄振交付金では、販路・生産拡大のための物資輸送費支援や世界自然遺産登録に向けた観光キャンペーン、航路・航空路運賃軽減事業、農業の生産性向上に向けた平張りハウスの整備、農業機器導入支援、水産業では増養殖や未利用資源の活用・加工品開発への支援を継続する。

 新型コロナウイルスへの対応として、小規模事業者などへの支援とICT(情報通信技術)を活用したオンライン化も推進する。3年間の継続が見込まれており、小規模事業者などに対する貸付の利子補給が行われる。

 デジタル技術の利活用では、教育や中小企業支援などを目的とする「デジタルニューディール」を推進。オンライン物産展の開催や通販サイトの支援、テレワーク支援などへの利用が見込まれている。