奄美地域振興へ意見提言 県の「未来創造ビジョン」基本に 奄美地域懇談会

分野別に地域振興の方針について提言した懇談会=30日、奄美市名瀬

分野別に地域振興の方針について提言した懇談会=30日、奄美市名瀬

  県の「かごしま未来創造ビジョン」に基づく奄美地域振興の取組方針作成に向けた懇談会(座長・松本俊一県大島支庁長)の初会合が30日、奄美市名瀬の大島支庁であった。懇談会は群島内の有識者や団体代表で構成。初会合では奄美群島の現状や抱える課題を報告し、次代の奄美を担う人材の育成や、世界自然遺産登録への取り組みを生かした地域振興の方向性などを示した。大島支庁は委員の意見や提言を反映した取組方針を、本年度末までに作成する。

 

 「かごしま未来創造ビジョン」は県が今年3月に策定した。おおむね10年後を見据え県が目指す姿や施策の展開などを定めている。地域振興の取組方針はビジョンを補完するもの。県内7地域の振興局や支庁が懇談会を設置し、それぞれの地域特性も踏まえて作成する。

 

 奄美地域の懇談会は経済、産業、観光、自然保護、医療・福祉、教育、土木・公共工事など分野別の12人が委員を務める。初会合では、ビジョン策定の位置付けや概要、奄美地域の取組方針案などについて県大島支庁の担当者が説明。各委員は専門分野の立場から課題を報告し提言した。

 

 次代を担う人材の確保、育成では阿室校区活性化対策委員会の後藤恭子委員長が、大学など高等教育機関の誘致による若者の流出対策を提案。あまみうなりまーじん会の平井美保子会長(女性農業士)は「教育現場で地元の農業について児童生徒が学ぶ機会を」と求めた。

 

 2020年の実現を目指す奄美・沖縄4島の世界自然遺産登録に絡め、徳之島虹の会の美延睦美事務局長は「奄美の登録候補地は奄美大島と徳之島。登録の群島全域への効果波及に向けては奄美群島国立公園での視点も必要だ」と指摘した。

 

 「世界自然遺産奄美トレイル」のコース設定について「参加者の安全確保が不十分」などの声もあった。県を上回るペースで進む少子高齢化の問題では「若者に頼るだけでなく、高齢者が活躍できる環境整備を」「地域住民の健康意識向上への取り組みが不可欠」などの声もあった。

 

 大島支庁は委員からの意見や提言も踏まえて11月までに取組方針案を作成。12月に開く第2回懇談会で方針案に関して委員が意見交換する。