奄美陸自、補正含め49億円 防衛省、電子部隊や火薬庫に

瀬戸内分屯地にある火薬庫地区への入り口=2019年3月、瀬戸内町

瀬戸内分屯地にある火薬庫地区への入り口=2019年3月、瀬戸内町

 防衛省は21日に閣議決定した2021年度予算案に、陸上自衛隊瀬戸内分屯地(瀬戸内町節子)の火薬庫の整備などに約19億円を計上した。20年度第3次補正予算案と合わせた、奄美大島の陸自施設の整備費は計約49億円。陸自奄美駐屯地(奄美市名瀬大熊)には21年度末、電子戦の専門部隊を配備する。

 

 瀬戸内分屯地は警護所や隊庁舎を含む「管理地区」と、弾薬などを保管する「火薬庫地区」からなる。現在は火薬庫地区で敷地造成や火薬庫整備の工事が行われている。

 

 計画では山の側面に横穴を掘る形で5棟の火薬庫を整備。防衛省によると現在、2棟の工事に着手。完成時期は1棟が21年度中で、もう1棟は未定。残る3棟の工事は21年度以降に予算化される。

 

 21年度予算19億円の内訳は火薬庫整備に12億円、分屯地内の体育館建設に7億円を計上。体育館は21年度に着工し、23年度の完成を見込む。

 

 また航空警戒監視に必要な基盤整備として、本土と奄美群島を含む沖縄間を結ぶ、航空警戒管制多重通信網(固定OH)の複ルート化のための器材取得と施設整備に約8億円を計上した。奄美大島の湯湾岳周辺(大和村名音)で実施する固定OHの施設整備は22年度に完了予定。

 

 防衛省・自衛隊は宇宙、サイバー、電磁波といった新たな領域における能力の獲得、強化を進めており、電子戦部隊の配備もその一環。来年以降、全国7カ所の陸自駐・分屯地に新設する。

 

 同省によると今年度末、健軍駐屯地(熊本)に80人規模の部隊を新設し、そのうち30人が21年度末に奄美駐屯地へ移る計画。ほか留萌(北海道)、朝霞(東京)、相浦(長崎)、那覇(沖縄)、知念(同)の駐・分屯地にも新たに電子戦の専門部隊を配備する。

 

 21年度予算案では、電波の収集・分析や、敵の通信を妨害する機能などを備えた、車載型ネットワーク電子戦システムの取得に約87億円を計上した。

 

 20年度第3次補正予算案は、奄美駐屯地の覆道射場(射撃訓練場)の外構整備や、瀬戸内分屯地の敷地造成に約30億円、固定OH複ルート化のための施設整備に約1億円を計上した。