沖永良部与論広域事務組合が解散の危機

解散の危機に直面している沖永良部与論地区広域事務組合=15日、知名町

解散の危機に直面している沖永良部与論地区広域事務組合=15日、知名町

 和泊、知名、与論の3町で構成する沖永良部与論地区広域事務組合(管理者・今井力夫知名町長)が解散の危機に直面している。同事務組合は消防と介護保険の業務を共同処理しているが、消防予算の各町負担額を巡って、以前から沖永良部2町と与論町の間に意見の隔たりがあった。知名町は18日の臨時議会、和泊町は20日の3月定例会最終本会議に脱会議案を提出する。可決されれば、2年後の解散に向けて動き出す。

 

 同組合は1983年、消防組合として設立。後に介護保険業務も加わり、広域事務組合となった。設立当初から3町の負担金は、普通交付税の算定等に使われる「基準財政需要額」に基づき案分。2018年度(当初)は和泊1億1959万6千円、知名1億1444万1千円、与論9791万3千円。

 

 同事務組合議会などで沖永良部側の議員から「負担金額の公平さが保たれていない」などとたびたび指摘されていた。一方、与論町の議員からは「負担金の支払い方法は組合設立時に取り決めたもので、いわば婚前の約束。それをほごにしようとは到底受け入れられない」との声が出ていた。

 

 負担方法の改正に向けた動きはあったが、頓挫した経緯もある。組合は15年度の組合運営協議会に、県内の他の離島消防組合例も参考に新たな負担方法(均等割20%、職員数割30%、基準財政需要額50%)を提案。協議会で決定し、3町議会に組合規約改正案が諮られたが、与論町議会で否決され、見送られた。

 

 その後も議論は平行線をたどり、「組合解散」がささやかれるようになっていた。脱会には議会議決を経て脱会日の2年前までに他の構成団体への書面予告が必要。沖永良部の2町議会で議決された場合、解散は21年3月末以降となる。

 

 南海日日新聞社の調べでは、和泊、知名両議会では可決される公算が大きい。両町関係者によると「介護保険は引き続き3町で、消防は和泊、知名で新たな組合設立」など可決を見据え、複数の案が検討されている。

 

 与論町は消防業務が町単独となった場合、一部業務負担や財政負担が増える可能性がある。町総務企画課は「仮に新たな負担方法を受け入れた場合でも、町単独で消防業務を行うのと、財政的にそれほど多額の差が生じるとは考えていない」として、他2町脱会の動きがあっても、今のところ負担方法見直しの議論に関して強気の姿勢を崩していない。

 仮に和泊、知名両議会で議案が可決されても、約2年の猶予期間内に負担方法で3町合意が得られた場合など、組合存続の道は残されている。ただ3町とも財政状況は厳しく、協議は難航が予想される。