特色やよそ者の知恵生かせ 伊仙町

町の魅力や課題を踏まえ将来を展望したシンポジウムのトークセッション=25日、伊仙町伊仙

町の魅力や課題を踏まえ将来を展望したシンポジウムのトークセッション=25日、伊仙町伊仙

 2020年度から5年間の第2期伊仙町地方創生総合戦略策定に向けて町側は25日、「わたしたちのしあわせ再発見シンポジウム」を同町ほーらい館で開いた。有識者を招いて町の将来を展望。出生率全国一で育児がしやすいといった同町の特色や外部者(よそ者)の知恵を生かした地域活性化などが提案された。

 

 シンポジウムは2部構成。第1部は西日本の社会学研究者らで組織する生活構造分析研究所と日本ミクニヤ㈱が行った住民アンケート結果が報告された。同研究会の高野和良代表は、居住地域が将来発展すると回答した割合が同町で4割を超えたことについて「他の過疎地域ではせいぜい5%。多くの人が町の将来に期待している」と分析した。

 

 一般社団法人トクノスクール農村研究所の徳野貞雄所長は、所得と合計特殊出生率の関係性について「所得が少ない離島でも、暮らしやすい生活構造なら出生率は高くなる。若年層(20~35歳)の約4割がUターンすることで人口維持が可能な出生率2・1超になる」と説明。

 

 九州大学人間環境学研究院の山下亜紀子准教授は、出生率が2・81で全国一の同町の子育て実態について「多くの人が子どもの誕生を祝福し、実親以外の親族や近隣住民からも育児支援が得られている」と解説した。

 

 第2部はトークセッション。三菱総合研究所プラチナ社会センターの松田智生主席研究員、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局の中野孝浩参事官、財務省大臣官房文書課情報管理室の川﨑達也室長、大正大学市域構想研究所の浦崎太郎教授、芝浦工業大学工学部建築工学科の佐藤宏亮教授、大久保明町長が登壇した。

 

 中野参事官は政府が掲げる生涯活躍のまち推進について「都市と地方の人材を循環し、誰もが居場所と役割を持つコミュニティーづくりが重要」と強調。浦崎教授は「中高生のチャレンジを地域が支援することで学習意欲もわいて学力向上につながり、面白い展開が生まれる」と訴えた。

 

 松田研究員は観光客と移住者の中間に位置する「関係人口」の増加を活性化のキーワードに挙げ、「関係人口が増えれば地域の担い手、将来の移住者になる。よそ者の知恵を組み合わせれば良い意味で化学反応が起き、ビジネスチャンスも生まれる」と述べた。

 

 大久保町長は「出身者や外部の人の協力が大きな力になる。未来創生に向けて今回の提案を取捨選択して実行したい」と力を込めた。

 

 町側は出席者から回収したアンケートを踏まえ、本年度末に町総合戦略を策定する計画。