自然遺産登録事業費、過去最高 県18年度当初予算案

 【鹿児島総局】県は9日、2018年度当初予算案を発表した。夏に見込まれる奄美の世界自然遺産登録の関連事業で、過去最高の総額8億706万円を盛り込んだ。奄美と先行登録地の屋久島を結ぶ航路の運航費を助成する事業を新規計上した。奄美―沖縄間の航路、航空路の運賃軽減費を拡充。観光客の増加を見据え、受け皿整備に重点を置いた。

 

 世界自然遺産登録に向けて▽奄美トレイルルートの選定や標識の設置▽世界遺産シンポジウム▽奄美自然観察の森(龍郷町)の再整備▽―などの費用を計上した。登録に必要な取り組みを進め、環境保全と観光利用の両立を図る。

 

 奄美と屋久島を結ぶ航路が3月に開設されることを受け、フェリー事業者に運航費を助成する。1年間の試験運航とし、定期化を検討。沖縄を含めた地域間の周遊性を高め、観光誘客を後押しする。

 

 奄美―沖縄間の航路・航空路運賃を軽減する交流促進事業は前年度より2千万円多い8333万円を計上した。徳之島から沖縄までの島々をつなぐ航空路線「奄美群島アイランドホッピングルート」の開設で利用者が増えることを想定した。

 

 観光客の増加に備え、県奄美パーク(奄美市笠利町)を改修する。奄美空港(笠利町)の旅客ターミナルを拡張する事業者に費用を支援する。世界自然遺産登録やNHK大河ドラマ「西郷(せご)どん」の放送効果に期待し、観光サイトを刷新して情報発信を強化する。

 

 18年度末で期限が切れる奄美群島振興開発特別措置法(奄振法)の延長に必要な事業を盛り込んだ。市町村の裁量に基づき、産業振興を支援する成長戦略推進交付金を計上。農林水産物の輸送コスト支援や、生徒の大会参加費助成は継続する。