設立20年で記念イベント 奄美野生生物保護センター

対談した服部さん(中央)と平城さん(左)=25日、大和村の奄美野生生物保護センター

対談した服部さん(中央)と平城さん(左)=25日、大和村の奄美野生生物保護センター

  大和村思勝の環境省奄美野生生物保護センターは25日、設立20周年記念イベントを開催した。職員らが希少種の保護や世界自然遺産登録に向けた取り組みなど20年の歩みを振り返り、奄美の貴重な自然を未来へ伝える決意を新たにした。元東京大学医科学研究所特任研究員の服部正策さんが講演し、約40年通い続ける奄美の森の移り変わりや魅力を紹介した。

 

 奄美野生生物保護センターは2000年4月に開所した。20周年記念イベントは今年4月に計画していたが、新型コロナウイルスの影響で延期した。イベントは感染拡大防止のためオンラインで配信した。

 

 保護センターの阿部愼太郎所長らが開所からの歩みを紹介。希少種を襲う特定外来生物マングースの防除、野生化した猫(ノネコ)の捕獲などの取り組みや、奄美群島国立公園の誕生などの足跡をたどり、「これからも奄美群島の自然を守り、魅力を発信していけるよう職員一同精いっぱい頑張っていく」と誓った。

 

 服部さんは講演で、東京大学医科学研究所奄美病害動物研究施設(瀬戸内町須手)に赴任した1980年以降、調査や研究で通う奄美大島の森の魅力を語った。独特で多様な動植物が数多く生息する環境に「素晴らしい森」と繰り返し、「まだまだ奄美には楽しめることが山ほどある」と力を込めた。

 

 かつての森林の皆伐や、マングースの侵入、盗掘などによって打撃を受けた野生生物に対して、センター開所後、さまざまな保護の取り組みが進んだことを評価。近年、アマミノクロウサギなどがよく見られるようになった一方、昆虫は激減した状態が続いているとして、「なかなか回復の兆しが見えない。見守っていかないといけない」と強調した。

 

 講演に続いて、服部さんと奄美市立奄美博物館職員の平城達哉さんが対談し、奄美の自然の面白さを語り合った。「奄美の自然を守るために住民ができることは」という視聴者からの質問に、服部さんは「みんなが山に行って楽しむことが一番。そうしたら山は守られる」と答えた。

 

 記念イベントの一環で、企画展「希少種の生活~寝る・食べる・育てる」が25日、保護センターで始まった。アマミノクロウサギ、アマミヤマシギ、オオトラツグミの3種について、生態や暮らしぶりを紹介している。無料。11月23日まで。

 

アマミノクロウサギなどの生活を紹介している企画展

アマミノクロウサギなどの生活を紹介している企画展