1社1団体がプレゼン 瀬戸内町クルーズ船検討協議会

「奄美の自然を守る会」のプレゼンを聞く委員ら=2日、瀬戸内町

「奄美の自然を守る会」のプレゼンを聞く委員ら=2日、瀬戸内町

 瀬戸内町のクルーズ船寄港地開発計画検討協議会(委員長・宮廻甫允(としみつ)鹿児島大学名誉教授)の第3回会合が2日、町役場会議室であった。町の公募に応じた米国の大手船社「ロイヤル・カリビアングループ」と、大型クルーズ船の誘致に反対する「奄美の自然を守る会」(田原敏也代表)がプレゼンテーション(プレゼン、説明活動)を行い、奄美の自然を守る会は小型クルーズ船による観光振興を提案した。同社はプレゼンを非公開とした。

 

 協議会は寄港地誘致を構想する町が設置。国が昨年8月公開した「島嶼(しょ)部における大型クルーズ船の寄港地開発に関する調査の結果」を踏まえ、同町の最適なクルーズ船寄港地の在り方を町長に提言する。町内各種団体代表や島外の学識経験者など19人で構成している。

 

 プレゼンは第2回会合の決定に基づき実施。船社は町が公式ホームページを通じて公募した。

 

 ロイヤル・カリビアンは世界シェア2位のクルーズ船社グループ。プレゼンは別室であり、同社から通訳を含む4人が出席した。報道記者の入場や動画撮影、録音は禁止された。委員から報道陣に提供された資料や協議会後の取材によると、社の紹介、環境保全や地元への貢献を重視した寄港地開発の提案がされたもよう。

 

 奄美の自然を守る会は田原代表が登壇し、奄美大島観光7原則として▽開発より保全・保護を優先▽「マスツーリズム」ではなく「持続可能な観光」▽治安の維持、文化摩擦の回避―などを示し、「大量に人を連れて来るのは奄美に全く合わない。小型船による富裕層をターゲットとしたクルーズ観光を」と訴えた。

 

 プレゼン後に意見交換があった。協議会委員からは、同社が2016年に龍郷町芦徳で寄港地開発を計画し、龍郷町側が受け入れを断念した経緯に触れて「違う話と聞いていたが、全く同じ。同じような事をするのに、瀬戸内町ではなぜこんなややこしいやり方になるのか」「ロイヤル・カリビアンと奄美の自然を守る会の両案を一緒にやることはできないのか」といった意見が出された。

 

 改めて同協議会の進め方や町のクルーズ船誘致の在り方を問う意見もあり、議論は紛糾。宮廻委員長は「この会議で(クルーズ船誘致を)やるやらないを決めようとは考えていない。クルーズ船を取り巻く環境にどういう問題があるのか、客観的に整理して取りまとめをしたい」と述べ、今後の協議内容については「検討させてもらいたい」とした。

 

 協議会冒頭には一部の委員から、船社のプレゼン非公開の意向を受けた対応に異を唱える意見もあった。

 

 協議会後、事務局の眞地浩明町企画課長は「船社に『公開』を要望し続けたが、企業の機密性ということでそれ以上は踏み込めなかった。今後も可能な限り公開できるよう努力していきたい」と語った。