「回収のめど立ってきた」 三反園県知事、漂着油問題で奄美現場視察

2018年02月16日

政治・行政

砂浜で漂着油の回収作業を行う三反園知事(左手前)=15日、奄美市名瀬の朝仁海岸

砂浜で漂着油の回収作業を行う三反園知事(左手前)=15日、奄美市名瀬の朝仁海岸

 奄美群島の各地で漂着油が確認されている問題で、三反園訓県知事は15日、奄美大島入りし、奄美市名瀬の朝仁海岸で油の回収現場を視察した。自身も回収作業を行った三反園知事は「地元自治体や住民の協力で、回収作業が順調に進んでいると思う」と語り、「回収作業についてはめどが立ってきた」と見解を述べた。

 

 漂着油への対応に関して県はこれまでに回収作業マニュアルを作成して、地元自治体などに配布。漂着が確認された地域では、住民ボランティアによる回収作業も行われている。回収環境を整えるため、奄美大島内では油の回収容器としてドラム缶130本が配置されている。

 

 三反園知事は、漂着確認後の経過などについて大島支庁の担当職員から説明を受けた後、他の職員らとともに油が付着した石や砂の下に埋もれた油の塊を回収。「他の島々でも漂着した油の回収作業が順調に進んでいるという報告を受けている」と述べた。

 

 生態系や漁業への影響懸念については「まずは環境省の調査結果を待ちたい。世界自然遺産登録への影響はないと聞いているが、漁業や環境への影響もないよう、我々もしっかり調査し随時発表していきたい」と話した。

 

 三反園知事は今後の見通しについては、奄美市が18日に市民参加での清掃作業日を設定していることに触れ、「18日を過ぎれば、いつごろまでに回収できるかのめどが立ってくると思う」との見方を示し、「今後も国や市町村とも連携し、回収作業に全力で取り組みたい」と語った。

 

 漂着油の問題に関しては環境省が14日、奄美群島国立公園の海域公園区域である奄美市名瀬の大浜海岸や同市笠利町の用海岸、瀬戸内町の海浜部などで船上や海岸線からの目視調査を開始した。

 

 さらに、奄美市の大浜、用、朝仁、知名瀬の4海岸と大和村の今里海岸を重点区域として環境モニタリングを行うなど、監視活動を強化している。同省の担当職員は目視調査について「現時点では具体的な期間は決めておらず、当面、続けることになるのではないか」と話した。