「関係人口の創出を」 官民連携し増やす工夫を 地方創生テーマに講演会 元総務相の増田氏

2019年01月12日

政治・行政

地方創生をテーマに講演する増田寛也氏=11日、奄美市名瀬の県大島支庁

地方創生をテーマに講演する増田寛也氏=11日、奄美市名瀬の県大島支庁

 国が掲げる地方創生の推進に向け県は11日、奄美市名瀬の県大島支庁で講演会を開いた。講師は元総務相で県地方創生担当特別顧問の増田寛也氏が務め、支庁や地元市町村の職員ら約80人が聴講した。増田氏は少子化などによる人口減少を踏まえた地域振興について、地域や地域の人々と多様に関わる「関係人口」の創出が大切だと助言した。

 

 講演の演題は「地方創生がひらく未来」。増田氏は「最大の課題は人口減少」とし、「今後さらに高齢化や労働力不足が深刻化していくことが予想されるが、情報通信技術などのテクノロジーを最大限に活用し、若者が希望を持って生きていける施策を展開していく必要がある」と強調した。

 

 関係人口について増田氏は「移住する定住人口と観光に来る交流人口の中間に位置する人たち」と説明し、人口が減少していく中、「自治体は民間と連携し、それぞれの分野ごとに知恵を絞って関係人口を増やしていくことが大事。価値観の違いを受け入れる寛容性が必要で、奄美にはその土壌がある」と述べ、積極的な取り組みを促した。

 

 また、Uターン者を増やすポイントとして「古里への愛情を育むことと、高校卒業までに地元企業の認知度を高めておくこと」と語った。

 

 県は10日夜、奄美市名瀬で地元の市町村長らとの意見交換会も開いた。増田氏が地方創生の課題について説明し、市町村長らが地方創生に関するこれまでの取り組みを報告した。