一集落1ブランド 3件認定 奄美市

2018年10月31日

政治・行政

奄美市一集落1ブランド認定を受けた3町内会の代表ら=30日、市役所

奄美市一集落1ブランド認定を受けた3町内会の代表ら=30日、市役所

 地域の宝を集落活性化につなげる奄美市の「一集落1ブランド事業」認定式が30日、市役所であり、小宿町内会(山田良一会長)の「小宿相撲甚句」、朝戸町内会(岸田国広会長)の「ホートマタとナンゴンの滝つぼ」、西田町内会(田中孝次郎会長)の「鶏卵(要ルビ・にわとりたまご)(八月踊り唄)」の3件を認定した。

 

 新ブランド誕生は8年ぶり。今年3件の申請を受け、審査会を開いて決定した。認定実績は21集落23ブランドとなった。

 

 同日は朝山毅市長から3町内会代表へ認定証が手渡された。

 

 小宿相撲甚句は元海軍兵の恵源納さんによって1916年に伝えられた。十五夜敬老豊年相撲祭で毎年披露され、力士たちの勇壮な踊りも見もの。

 

 山田会長(63)は唄い手育成が課題としつつ、「町内会を挙げてシマ(集落)の宝を継承したい。豊年祭に観光客を呼び込み、地域活性化へ結び付けたい」と語った。

 

 朝戸町内会は複数ある滝つぼから「ホートマタ」「ナンゴン」の2カ所を申請した。緑豊かな夏場の涼スポットとして知る人ぞ知る存在だ。

 

 岸田会長(52)は「朝戸は大川ダムの水源。金作原もある。シマの人が魅力を再認識するきっかけになれば」と抱負。空き家を活用した民泊や自然体験ツアーにも意欲を見せた。

 

 西田町内会の「鶏卵」は教訓を盛り込んだ唄。別集落で八月踊りのブランド認定はあるが、唄そのものの申請は同町内会が初めてという。

 

 八月踊りの継承活動に力を入れる原口英代さん(77)は「掛け合いは男女で行うもの。それぞれの唄い手を育てていきたい。将来的には映像化もできれば」と語った。