与路の看護師応募なし 週1、2日の派遣検討 今後も募集は継続 瀬戸内町

2020年03月17日

政治・行政

4月からの常駐看護師を募集している与路へき地診療所

4月からの常駐看護師を募集している与路へき地診療所

 瀬戸内町与路島の与路へき地診療所では、4月以降、診療所に常駐できる看護師が見つかっていない。島民は急患が出た場合の対応を懸念。町は引き続き募集を続けるが、見つからない場合は、町へき地診療所から週1、2日ペースで看護師を派遣するとしている。

 

 町保健福祉課によると、2019年4月から常駐する看護師が今月末で退職する。町は同年末から公式ホームぺージやSNS(会員制交流サイト)、新聞、ハローワークなどを通じて募集しているが、16日現在の応募はゼロ。背景には交通の不便や離島生活への不安などがあるとされる。

 

 与路島は、病院などがある古仁屋市街地から海上で32㌔離れた外海に面した島。集落は一つだけで人口は73人。島民の生活の足として、古仁屋港と与路港間を1日1~2便の町営定期船が運航している。

 

 与路へき地診療所は1984年4月に開設。2000年6月から看護師1人が常駐し、救急医療への対応や予防医療、在宅看護などを行っている。月2回は医師による巡回診療がある。

 

 町へき地診療所の黒田洋平事務長は「人員不足で看護師派遣も厳しい状況だが、常駐できる看護師が見つかるまで、加計呂麻島の『島の保健室』、請島の常駐看護師の協力を得ながら交替で配置できる体制を整えたい」と話した。

 

 与路集落の保島豊区長(83)は「看護師は離島においては命の支えになっている。看護師がいることで島の生活に安心が生まれ、希望が持てる。できる限りの協力はするので、ぜひ常駐の看護師を配置してもらいたい」と力を込めた。