最年少25歳の山口さん初陣飾る 和泊町議選

2020年09月01日

政治・行政

初当選を喜ぶ山口さん(中央)=8月30日午後9時半ごろ、和泊町和泊

初当選を喜ぶ山口さん(中央)=8月30日午後9時半ごろ、和泊町和泊

 30日投票が行われた和泊町議会議員選挙で初当選した山口明日香さん(25)=同町和泊=は、町議会事務局が記録する1956(昭和31)年以降の最年少議員として活躍が期待されている。夫(24)と共働きで3児の子育てに奮闘中の山口さんは「赤ちゃんからお年寄りまでみんなの喜ぶ笑顔が見たい。町民の声を代弁して町政に伝え、もっともっと住みやすい沖永良部島にしていけるよう頑張る」と目を輝かせた。

 

 幼少期を沖永良部島で過ごし、小学生の時に父親の仕事などの関係で県本土を経て福岡県へ移住。福岡市内の高校を卒業後、結婚し子宝に恵まれたが離婚も経験した。「子どもに伸び伸びと育ってもらいたい」と2015年に沖永良部島へ。障がいのある祖母と同居し、子育てと介護をしながら、父親が経営するパチンコ店の事務員の仕事で生計を立てた。祖母は今年7月に他界した。

 

 町議選へ立候補する意思を固めたのは6月。「子育てや介護を通し、もっと安心して子育てできる和泊町になってほしいと感じた。家事と仕事の両立で困っている人は他にもいる。同じ悩みを持つ人たちの力になりたい」と決意した。

 

 選挙活動は、周囲からのアドバイスも参考にしつつ、「いつも通り」を貫いた。色鮮やかに染めた髪の毛に瞳の色をグレーに見せるカラーコンタクトを付けて選挙カーに乗り込み、支持を訴えた。朝夕の子どもの保育園の送迎も他人に任せず、街頭活動は午後5時までに終えた。「子どもの生活のリズムを崩したくなかった。保育園の送り迎えや、ご飯を作って子どもを寝かしつけるのは私にとって当たり前のことだから」と語る。

 

 当選証書を手にした山口さんは「当選したからには、一生懸命働く。保育、医療、介護などを充実させ、子育てや介護で手いっぱいになっている人の負担を軽くして、職場や地域で活躍できる環境をつくりたい」と決意を新たにした。