群島市町村長会、成長戦略懇から提言

2019年12月04日

政治・行政

奄美群島成長戦略推進懇話会の提言書を受け取る伊集院市町村長会長(右)=3日、奄美市名瀬

奄美群島成長戦略推進懇話会の提言書を受け取る伊集院市町村長会長(右)=3日、奄美市名瀬

 奄美群島12市町村の首長や議会議長らで構成する各種協議会の4会合が3日、奄美市名瀬の集宴会施設であった。奄美群島市町村長会では奄美群島成長戦略推進懇話会(原口泉座長)から奄美群島成長戦略ビジョン・同基本計画の成果検証に基づく提言書が提出された。伊集院幼会長は「ビジョンが実を結ぶよう各市町村が事業を展開することで自立に向けた取り組みが加速する。しっかり受け止め、責任を持って進めたい」と語り、新メニュー展開の必要性も協調した。

 

 【奄美群島市町村長会】(会長・伊集院幼大和村長)奄美群島成長戦略ビジョン成果検証は2018年度実施事業について、12市町村と奄美群島広域事務組合が評価や検証を行ったもの。11月14日に開かれた奄美群島成長戦略懇話会ではこれらを踏まえ、奄美群島と各島への提言がまとめられた。

 

 主な内容は▽群島全体が「キャッシュレス対応などインバウンド対策の実施」▽奄美大島が「会員制交流サイト(SNS)等を活用した情報発信による新たな市場開拓、販路拡大」▽喜界島が「喜界馬の観光コンテンツとしての活用」▽徳之島が「3町連携による島内の地域コミュニティー構築・強化」▽沖永良部島が「沖縄県今帰仁村との交流拡大」▽与論島が「出身者コミュニティーとの交流連携策の拡充」。

 

 伊集院会長は国土交通省の20年度予算概算要求にも盛り込まれたICT(情報通信技術)等を活用したスマートアイランド実証支援に触れながら、「今後は新しいメニューを展開することが市町村の活性化につながる。各市町村が知恵を出し合い、ビジョンの成果を出すことがわれわれの責務」とあいさつした。

 

 【奄美群島広域事務組合臨時議会】(管理者・朝山毅奄美市長)2018年度一般会計決算や奄美パーク事業特別会計決算など3議案を認定。19年度一般会計補正予算など4議案を可決した。また首里城再建に向け支援することを決めた。支援額は20年度当初予算に計上する方向で協議していく。

 

 18年度一般会計決算は歳入9640万3千円、歳出9115万3千円で、実質収支は525万円の黒字。奄美TIDAネシア基金の18年度末現在高は10億500万円。

 18年度の県奄美パーク来園者総数は13万6946人(うち有料利用7万6878人)。観覧料は前年度比約589万円増の2434万7710円だった。

 

 同組合の教育委員会委員に伊仙町の大山惣二郎氏(72)を任命する人事案件に同意した。

 

 【奄美群島観光物産協会理事会】(代表理事・朝山市長)2019年度事業計画進捗(しんちょく)状況によると、FAMトリップ事業は「世界自然遺産登録目前というブランド効果で海外からの視察や取材が目立った」と報告。本年度から通年実施に切り替えた「あまみシマ博覧会」は約160の体験メニューを実施している。

 

 クルーズ客船受け入れ支援事業は全島で寄港実績があったことが報告された。20年度負担金など議案2件を承認した。

 

 【奄美群島地域産業振興基金協会理事会】(理事長・前田豊成本場奄美大島紬協同組合理事長)2020年度管理費・事業費負担金を承認した。本年度上半期の事業報告では奄美、大和、天城、与論4市町村のPR用タペストリーのデザインも紹介された。