遺産登録、しっかり対応   鹿県開促協要請に担当相

2018年11月14日

政治・行政

石井国交相(テーブル奥)に奄振法の延長などを要請する鹿児島県開発促進協議会の代表ら=13日、国交省

石井国交相(テーブル奥)に奄振法の延長などを要請する鹿児島県開発促進協議会の代表ら=13日、国交省

 鹿児島県開発促進協議会(会長・柴立鉄彦県議会議長、43団体)と県は13日、2019年度政府予算編成に向けて、重点24項目を要請した。石井啓一国交相は、本年度末に期限切れを迎える奄美群島振興開発特別措置法(奄振法)の延長に理解を示した。原田義昭環境相は、世界自然遺産候補「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」(鹿児島、沖縄)の20年の登録に向けた取り組み要請に対し、一度推薦を取り下げた経緯に触れ「今度は絶対失敗できない。政府としてしっかり対応する」と応じた。

 

 要請項目は①国際的な経済連携協定への対応②地方創生の推進③奄美群島振興開発の推進④奄美の世界自然遺産登録⑤農業農村整備の促進―など。

 

 ③では奄振法の延長実現に加え▽奄振交付金の概算要求28億7千万円の満額確保▽物資の輸送費支援、航路・航空路の運賃軽減事業の拡充▽18年までとされている観光キャンペーン事業の継続▽補助対象事業の拡充と補助率のかさ上げ―などを求めた。

 

 石井国交相は「奄振法の延長については国交省としても来年の通常国会に向けて法改正の検討を進める」とした。

 

 ④では来年2月1日までの推薦書再提出に向けた取り組みに加え▽国・県が購入した推薦地内の土地の遺産価値維持に向けた取り組み▽奄美大島と徳之島への世界遺産センター整備と施設運営管理予算の確保―などを求めた。

 

 ⑤では18年度で調査事業が完了する「喜界第2地下ダム」整備の推進を要請。19年度の具体的な事業として、喜界島を全体実施設計地区として採択するよう求めた。

 

 要請活動後、三反園訓知事は「我々の提案に対して、関係省庁からは力強い返答を得ることができた。奄振法の延長を含め、必要な財源を確保してさまざまな施策を推進させたい」などと語った。