GoTo運用方針の明示を 全国知事会

2020年12月21日

政治・行政

全国知事会のオンライン会議に臨む鹿児島県の塩田康一知事(左)=20日、鹿児島市の県庁

全国知事会のオンライン会議に臨む鹿児島県の塩田康一知事(左)=20日、鹿児島市の県庁

 全国知事会(会長・飯泉嘉門徳島県知事)は日、テレビ会議を開き、新型コロナウイルス対策に関する緊急提言をまとめた。日から来月日まで全国で一斉停止する国の観光支援事業「Go To トラベル」について、停止・再開の運用方針を明らかにするよう求めた。

 

 鹿児島県の塩田康一知事は、鹿児島市の県庁から参加した。県内の感染警戒基準について「現状ではステージ2にある」と述べ、県民の行動を制限しない考えを示した。国の「Go To トラベル」に触れ、「全国一律での利用停止や期間の延長などは、事前に地方の意見も聞いた上で判断してほしい」と述べた。

 

 塩田知事は、コロナ警戒基準のステージ2判断理由について▽県内では12月以降、1日当たりの感染者が過去最大の40人に達した一方、軽症や無症状の感染者が多い▽病床の占有率が16・7%、重症者は1人にとどまっている│ことなどを挙げ、「警戒が必要だが、移動の自粛や飲食店の営業時間に制限を加える段階にはない」と述べた。

 

 トラベル事業の全国一斉利用停止や停止期間の延長などについては「大きな影響が予想される」と指摘。事前の地方意見聴取に加え、停止の基準や目安などについての提示も求めた。

 

 加えて、県が独自に実施している医療従事者への慰労金支給や危険手当などの支援策に対する国の緊急包括支援交付金による支援継続も要望した。

 

 塩田知事はオンライン会議終了後の取材で「感染が増えている地域との往来については県民の不安も大きいと思う」と述べ、県民に対し体調管理や感染防止策の徹底を再度、求める考えを示した。