人工ビーチ、砂搬入中断 漁業関係者ら申し入れ 与論町

搬入された人工ビーチ用の砂を指差す与論町漁協の阿多組合長=4日、与論町

搬入された人工ビーチ用の砂を指差す与論町漁協の阿多組合長=4日、与論町

 与論町コースタルリゾート(茶花)の人工ビーチ砂浜回復を目的とした砂の搬入作業が現在、漁業関係者らの申し入れによって中断している。港湾を管理する県沖永良部事務所によると、環境への影響などを懸念する町内の住民や漁業関係者から砂の搬入について説明を求められたことから、砂を敷きならす作業を中断。搬入された砂約1550立方メートルは、ビーチと隣接する緑地に積まれた状態になっている。同事務所は作業再開について「検討中」としている。

 

 コースタルリゾートは、1992年度に策定された「県観光基本計画」に基いて県、与論町などが整備した。2007年に供用開始した人工ビーチ(1万3900平方メートル)には、喜界島沖の砂を搬入した。

 

 台風などの影響で人工ビーチの砂が減少したため、県は16年度から7年計画で、砂浜回復を目的とした与論港海岸環境整備事業(総事業費1億6500万円)に着手。離岸堤なども整備し砂の搬入は18年度から実施している。

 

 砂は22年度までに1万2000立方メートルを搬入する計画で、18年度に6400立方メートル、19年度は1600立方メートル搬入している。砂の採取地は喜界島沖で、風による飛散を防ぐため、整備時より粒の大きいものを採用したという。

 

 今年度は2月下旬に、1550立方メートルを搬入。搬入作業に気付いた漁業関係者が「砂の搬入について、説明を受けていない」として、与論町漁業協同組合を通じ作業の中断を申し入れた。

 

 茶花自治公民館の山本池富館長(73)は「19年度の搬入で終わりだと理解していた。せめて砂を入れる前に説明がほしかった」と憤る。町漁協の阿多美智雄組合長(61)は「今回搬入された砂は、水にぬれると黒ずんだ色に変わる。環境への影響も心配だ。人工ビーチに砂を搬入するなら、与論島の砂を使ってほしいと県には申し入れた」と話した。

 

 県沖永良部事務所の担当者は取材に対し「事業について、住民や漁協には18年に説明したと認識していた。今後も理解を得られるように丁寧に説明したい」と話した。