県企画部は29日開かれた県議会企画建設委員会で、2009―13年度の5カ年を計画期間とする次期奄美群島振興計画の県案を発表した。08年度末に成立した改正奄振法や国が6月16日に策定した基本方針を踏まえ、「雇用機会の拡充など就業の促進」に関する施策を追加したほか、計画実現の方策として「群島民との協働」「関係機関との連携・協力」を推進すべきと明記。施策・事業の効果を評価するために具体的な数値目標を設定するとし、計画期間終了の前年度の奄振総合調査で進ちょく状況の評価・検証を行うことを明示した。
県議会での審議を踏まえた上で、県民意見を募集するパブリックコメント(7〜8月)を行い、国との協議、同意を経て9月に計画決定となる見通し。
県案は奄振計画の目標について、「人と自然が織りなす癒やしの島・奄美の創造」による群島の自立的発展と豊かな住民生活の実現、わが国経済の発展と国民福祉の向上に寄与するとし、振興開発の方向性の柱に(1)地域特性を生かした産業の展開(2)豊かな自然と個性的な文化を生かした観光の展開(3)世界自然遺産登録を視野に入れた人と自然が共生する地域づくり(4)やすらぎと潤いのある生活空間づくり(5)群島内外との交流ネットワークの形成―を掲げている。
前計画(04〜08年度)と同様に、島ごとの特性に応じて取り組むべき施策を示している。
群島共通の新規振興方策として、地域求職者雇用奨励金や地域雇用創造推進事業の活用による雇用機会の拡充、世界自然遺産登録の早期実現に向けた機運醸成や国立公園など保護地域の指定推進と希少野生生物保護対策、石油製品の流通合理化に向けた検討による運送コストの低減と安定供給基盤の強化、航空運賃の軽減による住民生活の利便性向上と観光振興、「団塊世代」、若年層の交流・移住促進を図るための移住相談窓口の設置などNPO法人と一体となった受け入れ態勢の整備を盛り込んだ。
施策・事業効果を評価するための数値目標を設定する主要指標については、農業産出額や認定農業者数、海面漁業・林業の生産額、製造品出荷額、企業立地(件数、雇用者数)、宿泊観光客数、スポーツ合宿数、クルーズ船入港数、汚水処理人口普及率、人口10万人当たり医師数を挙げ、具体的数値を調整している。 |
| 国立劇場で15年ぶり諸鈍シバヤ |
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「奄美の祭りとしま唄」(国立劇場第112回民俗芸能公演)27日、東京・三宅坂の同小劇場であり、瀬戸内町加計呂麻島諸鈍集落に伝わる国の重要無形民俗文化財「諸鈍シバヤ」が、島外(同劇場)で15年ぶりに上演された。出演者は独特のカビディラ(紙面)の仮面を付け、「サーテンテン…」とリズミカルな囃子(はやし)に乗って全11演目を披露し、観客を魅了した。第2部では奄美に暮らす9人の唄者が、シマ唄で島々の文化と歴史をアピールした。
公演は「諸鈍シバヤ」「奄美諸島のしま唄」の2部構成。午前と午後の2回開かれた。
800年の歴史を持つといわれる伝統芸能・諸鈍シバヤは旧暦9月9日に大屯(おおちょん)神社で開催される。1976年に国の重要無形民俗文化財に指定された。現在、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産リストの候補に上っている。
上演したのは地元の諸鈍シバヤ保存会(林拓司会長)の18人。18歳の高校生2人に最年長は73歳のメンバー。15年前に同劇場に出演したメンバーの約半分が入れ替わった。
出演者は「ガクヤ入り」の演目で観客席から拍子木を先頭に三味線、太鼓、ホラ貝、カネなどを手に1列になって舞台へ。
「サンバト」では紋付、はかま、白ひげの紙面、山高帽子、右手に軍配を持った翁(おきな)が登場して口上。翁が「シンジョウ節」で「…そのしぐさは全くもって意味不明な不思議な踊りです」と口上を述べると、会場からどっと笑いが起きた。また、「シシキリ」や「タマティユ」で縫いぐるみの獅子(しし)や擬似の大蛇が出てくると笑いや感嘆の声が上がった。また、「スクテングヮ」や「タカキ山」は華麗な踊りで観客を引き付けた。
上演後、林同保存会会長は「満足できる上演だったと思う。今後、重要無形民俗文化財の名に恥じないように後継者を育成し、継承していきたい」と述べた。
第2部の「奄美諸島のしま唄」では冒頭、渡哲一さんがシマ唄を解釈。「昔は唄遊びの中で歌われた」「唄は半学(半分勉強のようなもの)」などと説明した。
この後、南から北へ、池田直峯(与論島)、川畑先民(沖永良部島)、泉サダ子(徳之島)、中島清彦(同)、義永秀親(奄美大島・ヒギャ節)、里美加(同)、渡哲一(同)、川畑さおり(喜界島)、築地俊造(奄美大島・カサン節)の各氏がシマ唄を披露した。 |
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