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7月22日(土)付 

県工業技術センターの研究発表会で奄美の特産品開発研究も
 【鹿児島総局】県工業技術センターの研究成果発表会が二十日、霧島市隼人町の同センターで開催された。奄美をモデルにした特産工芸品開発に関する研究発表もあり、研究員の恵原要さん(奄美市名瀬出身)が、製品開発の手引きとなる奄美らしい素材のデータベース化の研究や奄美産木材を活用した試作品を紹介した。 
 今回の発表会の全体テーマは「地域に根ざした試験研究機関をめざして」。食品工業、デザイン・工芸、木材工業、機械技術、化学・環境などセンター内の各部が取り組んだ十四の研究について成果を発表した。
 奄美をモデルにした「南西諸島の特産工芸品開発支援システムの構築」は、地域の特徴ある製品開発に有効な特産工芸品開発手法を作成し地元の関連企業や団体を支援するのが狙い。奄美らしさをイメージさせるモチーフ(自然、文化など)や素材(原材料)、色、形などを抽出、分類しデータベース化するとともに、開発事例として動物や風物、群島地図などをモチーフにした木製パズルなどを試作した。
 リュウキュウマツなどの奄美産材を使った奄美群島の行政区分地図パズルは、レーザー加工機を用い複雑な海岸線なども再現した精巧な作品。五十万分の一サイズのものはCDケースに納められ、土産品のほか、教材用にも利用できる。このほか奄美伝統木造船のミニチュアキットや購入者がカービング(削り)や彩色を施して仕上げる熱帯魚のパズルなどもある。
 研究の中心メンバー、恵原さんは、「南西諸島は豊かな自然と多様で特徴的な文化、風土など優れた素材に恵まれているが、現地における特産工芸品や土産品に関しては、食品や大島紬関連商品を除くと地域独自の物が少なく、恵まれた資源・素材が十分生かされていない」と現状を指摘し、「研究成果を商品化のヒントにしてほしい」と語っていた。
サトウキビ取引新制度の政策支援が決まる
 【東京支社】農林水産省は二十一日、これまでの最低生産者価格制度から経営安定対策制度に代わる二〇〇七年産サトウキビの政策支援を正式決定した。国が直接農家に支払う〇七年産交付金単価はトン当たり一万六千三百二十円と決まった。農家手取り額は、この「交付金」と市場原理を導入した「取引価格」の合算で決まる。しかし「取引価格」が分かるのは来年秋以降となるため、農家手取り額の全容は算出されなかった。だが、農水省の試算によると、手取り額は現行の同二万四百七十円が確保される見通しだ。製造事業者への支援では「標準的な製造経費」が同八万六千三百八十二円。〇六年産国産糖(甘しゃ糖)の交付金単価は鹿児島産で同十八万六千八百二十二円となった。
 交付金単価は特例措置として当面三カ年、同一万六千三百二十円で固定する。関係機関の試算によると、これに直近の「取引価格」同四千五百三十八円を加算すると、農家手取り額は同二万八百五十八円。現行手取り額を三百八十八円上回ることになる。統計上でも近年の国際糖価は高値で推移しており、農水省は来年に「取引価格」が決まるとしても、農家の現行手取り水準を確保できると見ている。
 国から農家へ直接支払う同交付金の早期支払いの確立も、生産者側の重点要請事項の一つとなっていたが、今回、原則として製糖工場への原料搬入後十日以内に支払うことで決定した。
 また、キビにかかわる品質格差は、厳しい自然条件下で糖度向上に努力している生産実態を踏まえ、現行と同じ基準糖度帯(十三・一度以上十四・三度以下)を設定した。ただし、糖度帯から〇・一度上下するごとに交付金単価を同百円加減する。
 〇七年度製造事業者支援は、〇五年の実績を踏まえて算定。甘しゃ糖の標準的な経費は同八万六千三百八十二円。農水省の試算によると、〇六年七月時点で製糖工場へ支払われる交付金単価は同六万四千五十二円となる。
 前制度の「積み残し」である〇六年産国内産糖交付金単価(甘しゃ糖、トン当たり)は、鹿児島産が十八万六千八百二十二円、沖縄産が十八万六千四百七十二円。ともに九千四百三十七円の減。農水省では市価の値上がり分下がったと説明した。

7月23日(日)付 

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音楽祭で皆既日食へ、カウントダウン

 二〇〇九年の皆既日食へ向けてのカウントダウンイベント「奄美皆既日食音楽祭」の本祭が二十二日、奄美市笠利町用安の「奄美大島HANA・HANA・EAST」であった。音楽祭は二十三日午前九時までのオールナイト。国内外のDJや地元の太鼓グループなど十八組が出演して島内外の音楽ファンを楽しませた。
 主催するブランニューメイド梶i東京都)によると、〇九年七月二十二日の皆既日食は二一世紀最長で日本、中国、インドなどで観測できる。日本ではトカラ列島を中心に奄美大島北部で観測でき、この日の音楽祭会場でも約二分半にわたって見られるという。
 イベントは皆既日食に向けて「奄美を世界に向けて発信しよう」と企画。具体的な計画は未定だが、三年後の皆既日食に向け毎年一回、音楽イベントを開く予定だという。
 この日の本祭では海と山側の二カ所にステージが設けられ、DJとして世界で活躍するKEN・ISHIIさんや井上薫、高城剛さんらが作り出す音楽や地元の道の島太鼓が奏でるリズムなどが会場に響き渡り、島内外の音楽ファンがオールナイトで思い思いに音楽を楽しいんでいた。前日の前夜祭では大笠利里前八月踊り同好会などが出演し、八月踊りや六調などで観衆と一体になって盛り上がった。
島バナナに病害の課題
 奄美の特産果樹の一つである「島バナナ」は健康志向、独特の甘さで人気が高まっている。しかし、病害に弱いことが栽培の障害になっており、特に梅雨明け以降に収穫される島バナナに病害果が含まれる確率が高まる傾向にある。市場では競り前後に果実を切って病害検査(品質検査)している。だが、病害果はどこにあるか分からず、外見では判別できず課題となっている。消費者の信頼を損なわないための生産者、買受人、市場関係者らの取り組みについて報告する。
 名瀬中央青果によると、島バナナは群島内の各島から入荷している。入荷状況は二〇〇一年度三十二・三トン、〇二年度十・七トン、〇三年度十一・八トン、〇四年度九・三トン、〇五年度十一・三四トンで推移。〇五年度のキロ当たりの平均単価は九百三十四円で売上高は千五十八万円。これ以外にも農家らの直接販売分がある。
 数年前から病害果に関する苦情が増え、その対策が課題となっていた。名瀬中央青果は一昨年七月に名瀬市地方卸売市場事故処理委員会と出荷代表者協議会を開き、「島バナナ取引要領」を定めた。
 内容は(1)出荷果実の取引重量は、自然乾燥目減り、品質検査目減りの相当重量(5%程度)を差し引いた重量とする(2)品質検査は全上場品を対象とし、検査の実施を買受人が適宜行う。検査用果実は二本以内とする(3)品質検査で被害果と確認された果実は、競り人が被害果であることを明示したときは、被害の頻度にかかわらず、競りを行うことができる(4)品質検査をせずに販売した果実が被害果であった場合は、現品確認できるものに限り、競り日から起算して三日目までの事故処理申請を受理し、再上場を前提に出荷者と協議を行う―など。
 病害果をナイフで切ってみると、表面部分が茶色で、果実内部もY字のように茶色の筋が入っている。表面に茶色の点々が幾つか入っているものもある。菌による病害とみられているが、病名は判明していない。果樹病害の冊子には、バナナの病害名は黒星病やパナマ病など九種類が記載されている。
 関係者によると、果実は青い(緑色)状態で市場に出荷され、競りに出される。生産者の一部は出荷前に果実を数本切り病害果検査している。しかし、生産者全体に検査意識は浸透していない。病害果は一房の一部で、どこにあるか分からないため、市場の品質検査をパスしたものでも後で病害果が見つかる事例がある。離島から出荷された島バナナの返品の難しさも課題の一つだという。
 関係者数人から話を聞いた。「在来種は病害を受けやすい。バナナに使える農薬がないのも問題だ」「まず生産者が病害果を出さない、買受人は病害果を売らない努力をしていくべき。関係者がその確認をすることが大事」「消費者にも病害果のことを周知し、注意を喚起することも必要。病害果があった場合は返品に応じる対応の周知も大事だ。消費者の信頼が大切であり、産地のモラルが問われている」と指摘した。
 また、「農業関係機関は栽培技術の確立、病害の種類特定や対策を研究し、行政は島バナナに使える農薬登録に取り組んでほしい」と要望した。
喜界島で特産のゴマの花咲く
 喜界島は特産の白ゴマの開花期を迎えている。ゴールデンウイークごろにまいた種は七〇センチ―一メートルの茎に成長。ごまの詰まったさやとピンクがかった白い花を付け、畑を吹き抜ける風に揺れている。町産業振興課によると、今年は播種期の大雨で発芽にばらつきが見られたが、その後は天候に恵まれ生育は順調。早い所では今月下旬から収穫が始まる。
(写真は夏の日差しを受けて、白さを際立たせるシロゴマの花=喜界町小野津)

7月24日(月)付 

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宇検村でリュウキュウアユ生かした島づくり検討会

 奄美リュウキュウアユ保全研究会(委員長・四宮明彦鹿児島大学水産学部教授)は二十二日、宇検村で「ヤジ(リュウキュウアユ)をいかした島づくり検討会」を開き、二十三日には奄美市住用町で観察会を実施した。検討会参加者は、世界的な宝といえるリュウキュウアユの希少性を認識し、川に入った子供らはアユなどを見て自然の豊かさとその大切さを体感した。
 同会によると、リュウキュウアユは主に住用町の役勝川や宇検村の河内川など奄美大島の五河川に生息する。ピーク時の一九九二―九四年は約三万匹確認されたが、〇五年は一万二千匹にとどまった。県環境技術協会が立ち上げた保全研究会はリュウキュウアユの保護育成のため調査研究と情報交換に加え、産卵場の保全や地元住民の保全意識啓発活動を進めている。
 検討会は宇検村生涯学習センター「やけうちの里」であり、行政や住民団体の代表ら約三十人が参加した。四宮教授は、リュウキュウアユが減少している要因に(1)産卵場への土砂流入(2)水温の冷却機能を持つ干潟の消滅―など人為も挙げた。
 その上で、四宮教授は「現在、人の手が加わらない状態で生息しているリュウキュウアユは奄美大島にしかいない。アマミノクロウサギと同様に世界の宝。リュウキュウアユをシンボルにしたまちおこしもよいと思う。そのためにも住民が保全意識を持ち、リュウキュウアユがすめる自然環境を再生していくことが大切」と語った。
 観察会はリュウキュウアユの保全活動を進めている住用町の「ヤジ友の会」(和田勝典会長)の協力を得て役勝川で開いた。奄美市内の小、中学生とその保護者ら約五十人が参加。児童生徒らは川に生息する生き物について説明を受けた後、川に入り、リュウキュウアユやヨシノボリ、ボウズハゼなどを確認した。
 小宿小学校六年の和田美奈子さんは「役勝川に入ったのは初めて。アユの模様もすてきだった。川の生物がいつまでもすめる環境であってほしい」と話し、四宮教授も「川に入って生態に関心を持つことが環境保全につながる」と話していた。

奄美市出身の伊藤さんら、サバニで沖縄−奄美300キロ

 旧名瀬市出身で、東京都府中市でデザイナー事務所を経営する伊東孝志さん(51)ら七人のクルーが、沖縄の伝統的な帆掛けサバニで沖縄から奄美大島まで約三百キロ航海した。伊東さんは「力いっぱいこぐ。帆が風を受けて船は波を切って加速する。エンジンのないサバニは先人たちの知恵の結晶。沖縄ではサバニを復活して次世代へ受け継ごうという動きがあり、奄美でもサバニ復活に取り組んでほしい」と語っている。
 サバニは、「ニヌハ」(全長七メートル)と「海想」(同八メートル)の二艇。友人の仲村忠明さん、森洋治さん、ホーボージュンさん、福原一彦さん、友理優子さん、野崎晶子さんらと共に十七日に沖縄を出発し、与論島―沖永良部島―加計呂麻島を経由した後、二十一日に名瀬港に到着した。
 手こぎと風が頼りの航海だった。各地の港に停泊して地元の人々と交流した。伊東さんは「伴走船や他の船の助けに頼らないクルー全員の知識と技術を基本にした旅がテーマだった。サバニで奄美に行きたいという全員の熱い思いが団結し、この旅を結実させた」と笑顔。真っ黒に日焼けした顔をほころばせた。

坪山豊さん、養護老人ホームで島唄教室18年

 奄美市名瀬の唄者・坪山豊さん(75)は毎月一回、同市名瀬朝仁町の養護老人ホーム「なぎさ園」(山田和憲園長、利用者六十人)を訪れ、ボランティアで島唄教室を開いている。今年で十八年目。坪山さんは「唄を聞いてもらうのではなく、お年寄りたちが唄を歌って元気になってほしい」と話し、利用者たちも来園を楽しみにしている。
 島唄教室は一九八八年に始めた。知人の園職員から「お年寄りたちは島唄が大好き。島唄でお年寄りを楽しませてもらえないだろうか」と、依頼されたのがきっかけ。以来、毎月一回訪問し、島唄交流を続けている。十八年間一度も休んだことはない。「わたしの唄を聞いてもらおうとは全く考えていない。お年寄りが自由に歌い楽しんでもらうことを一番に考えている。だから長続きしている」と、坪山さんは言う。
 七月二十一日にあった島唄教室をのぞいてみた。会場の食堂ホールには約四十人の利用者が集まった。園職員によると、この日の参加者はいつもより少ないという。「腹の底から声を出しましょう」。坪山さんの呼び掛けで始まり、「らんかん橋」や「ヨイスラ節」「糸繰り節」「黒だんど節」など歌詞集をめくりながら全員で歌っていった。
 教室は笑い声が絶えず、和やかな「唄遊び」の雰囲気。園職員で若手唄者の前山真吾さんも加わり、利用者たちのテーブルを回りながら一緒に歌っていた。利用者の中には坪山さんも驚くほどの声の持ち主もいる。「いい唄を歌う人がいる。初めて聞く唄もある」
 全員で七曲ほど歌った後、一人ずつマイクを握り、「送れ節」や「かんつめ節」など好きな唄を披露した。締めくくりはにぎやかに「六調」。坪山さんの三味線、前山さんの唄に合わせて利用者たちはいすから立ち上がり踊りを楽しんでいた。
 島唄教室に毎回参加しているという男性(75)は「若いころは島唄はあまり興味がなかった。ここに来て歌うようになった。唄のまねごとでもできれば楽しい。大きな声を出すのは体にもいい」と話す。
 坪山さんは、奄美を代表する唄者として活躍しているほか、保育園児を対象に島唄を教えるなどボランティア活動にも積極的。「最近はあまり歌われない子守唄など子供たちに教えている。島の文化を子供たちに伝えたい。お年寄りにはそれぞれの歌い方で島唄を歌っていつまでも元気でいてほしい」と言う。
 舟の高艫に ヨイスラ
 白鳥ぬいちゅり     スラヨイ スラヨイ
 白鳥やあらぬ           ヨイスラ
 うなり神がなし     スラヨイ スラヨイ
 毎月一回、なぎさ園に元気な歌声が響き渡る。「(島唄教室は)わたしにとって勉強の場。教えてもらうことも多い。体の続く限り続けたい」と、坪山さんもまた交流を楽しみにしている。

7月25日(火)付 

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知名町で戸籍総合システムが稼働

 【沖永良部総局】県内市町村で二十八番目、離島として初めて戸籍総合システム(電算化)を導入した知名町で二十四日、システムの稼働式があり、平安正盛町長から申請第一号の福喜代美さんに「全部事項証明」(戸籍謄本、抄本)が発行された。また、県内初の指紋認証システムを採用し、個人情報保護対策も万全。一九九四年に戸籍法の一部が改正され戸籍事務のコンピューター処理が可能になったことから、町では電算化で戸籍の作成から発行まで迅速化につながり、住民サービスの向上つながると期待している。
 平安町長は「住基ネットをはじめ、(事務処理の)電算化が進んでいる。システムの導入に当たり、名瀬法務局、ゼロックスの尽力に感謝する。棄損も考えられる古い戸籍謄本の保存にも役立つと思う。来年稼働するすべての事務の電算化につながる。なお一層、住民サービスの向上に努めたい」とあいさつ。平安町長、名里武也町議会議長、有川董温町民課長がテープカットして戸籍電算化スタートを祝った。
 電算化に伴い(1)「全部(個人)事項証明」に名称変更(2)縦書きから横書きに(3)電子公印(黒色)(4)地番表示の「の」を省略(5)常用漢字、人名用漢字で記載―などが主な変更点。該当者には「氏名字体」確認通知書を六月中旬に郵送してある。
 これまでの戸籍は画像化してコンピューターで管理し、「平成改製原戸籍」として保存される。除籍、改製原戸籍は二〇〇七年三月二十日の稼働開始を目標に作業を進めている。手数料は現行通り一通四百五十円。ただし縦書きの改製原戸籍は七百五十円になる。
和泊の地下水、3カ所で基準値超過
 【鹿児島総局】県環境生活部環境管理課は二十四日、二〇〇五年度公共用水域および地下水の水質測定結果を発表した。奄美関係では、地下水(井戸)の定期モニタリング調査で、和泊町の二カ所で硝酸性窒素および亜硝酸性窒素が、他の一カ所でヒ素がそれぞれ環境基準を超過していた。和泊町内の三つの井戸は飲用には使用されていない。
 地下水の水質調査は十九市町二百十五地点で実施。このうち、モニタリング調査は、過去に環境基準超過が判明した井戸を中心に十八市町九十五地点で行い、十四市町の四十二地点が環境基準超過だった。調査結果は井戸の所有者に通知するとともに、基準を超えていた井戸については当該市町および保健所などと連携し、水道への切り替えなどを指導している。
 環境基準を超過していた和泊町の三つの井戸について環境管理課は、ヒ素は環境基準をわずかに上回っているが原因は人工的なものではなく、自然由来によるものだと考えられる。硝酸性窒素などについては施肥や家畜のふん尿などが原因と考えられるとしている。
 公共用水調査では、肝属川で健康保護環境基準が超過しているのが分かった。
過去10年のマリンレジャー事故数、7ー8月全体の4割
 名瀬海上保安部は過去十年に奄美群島で発生したマリンレジャーに関する海浜事故の状況をまとめた。まとめによると七、八月に発生した海浜事故の事故者数は二十九人で全体の約四割を占めた。発生原因について同保安部は「離岸流の疑いや台風接近に伴う高波の影響を受けて、事故につながるケースが目立つ」と分析している。
 統計は一九九六年から二〇〇五年にかけて奄美群島で発生したマリンレジャーに関する海浜事故が対象。十年間の総数は五十六件(事故者数七十人)で七、八月の発生件数は十七件だった。
 両月に発生した事故の発生地域は奄美大島九件、徳之島四件、沖永良部島、与論島各二件。事故原因をみると遊泳中、サーフィン中に台風の余波や離岸流の影響を受けたとみられる事例が大半を占めた。
 奄美群島沿岸の特徴として指摘される離岸流は岸から沖へ向かって強い流れが発生する状況。離岸流が発生する海岸では遊泳者が沖へ流されるケースが多く、水難事故が多発するという。
 夏のレジャーシーズンが本格化する中、同保安部は安全思想の啓発に力を入れるとともに「事故が集中する特異な場所はみられないが、手軽に遊泳できる環境から各地で事故発生が懸念される」として注意を促している。

7月26日(水)付 

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マンゴーなど亜熱帯果樹栽培技術検討会

【徳之島総局】大島地域亜熱帯果樹栽培技術研修会(県園芸振興協議会など主催)が二十五日、天城町中央公民館であった。マンゴーとパッションフルーツの現状・課題と栽培管理技術研究成果について、徳之島農業改良普及センターと農業開発総合センター大島支場の職員ら三人が報告し、現地研修もあった。
 マンゴーの安定着果やパッションの立ち枯れ病などの諸課題を解決し、高品質・安定生産技術の普及・定着が研修の目的としている。
 生産者のほか県や町の担当職員など約八十人が参加。県農産園芸課の上薗俊弘かごしまブランド対策監は「消費者からの評判も良く今後の生産拡大も期待できる。マンゴーは大島地域だけで県全体の六割を占めている。着花対策など生産対策を講じながら産地PRなども必要になってくる」などと開会あいさつし、奄美の熱帯果樹生産拡大に期待した。
 農改センターの福永求農業改良技師が「大島地域におけるマンゴーとパッションフルーツの現状と課題」をテーマに報告。マンゴーについてはかん水不足への理解不足や高温障害対策の重要性、パッションについては成熟期の高温障害対策やしなび果の発生要因などをそれぞれ説明した。
 大島支場の都外川総明主任研究員はマンゴーの研究成果で、花腐れ症状や褐色斑症状による被害は無加温栽培が加温栽培より発生が多いことなどを報告。パッションでは、同支場の後藤忍亜熱帯果樹研究室長が「奄美地域では圧倒的に露地栽培が多いが、施設栽培が露地栽培より着花(果)安定による収量増加、果実外観効果が期待でき、無加温栽培は果実品質が優れる傾向がある」などと研究成果を報告した。
名瀬港の観光案内板、壊される
 奄美市名瀬塩浜町の名瀬港旅客待合所に設置されていた観光案内板の一部が二十二日、何者かによって破壊された。設置した奄美大島観光物産協会の事務局を務める市役所紬観光課は二十五日、器物損壊事件として名瀬署へ被害届を提出した。
 案内板は、横三・四七メートル、縦二・八八メートルの大きさ。県の補助を受け約百三十三万円かけて、今年三月下旬に待合所の西側壁面に設置された。奄美産リュウキュウマツを素材に奄美大島、喜界島、加計呂麻島、請島、与路島などが厚さ二aの板でかたどられていた。
 同課によると、案内板が壊されたのは二十二日午後七時から同九時半の間。島をかたどった板は強力な粘着テープで貼り付けられていたが、旧住用村、大和村、宇検村、瀬戸内町の本島側と加計呂麻島の部分が無理やりはぎ取られていた。
 二十四日に事件を知った同課は、案内板を製作した木工業者と現場へ出向き、はがされた板を再度張り付けてビスで固定するなどの処理に追われた。被害額は約三万円。
 日高達明課長は「奄美の観光が徐々に好転しているなか、関係者が力を合わせて整備した案内板を一部の不心得者が壊したことに怒りを感じる」などと話した。

7月27日(木)付 

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サトウキビ増産で意見交換、研究成果発表も

 【鹿児島総局】二〇〇六年度さとうきび研究成果発表会(県糖業振興協会主催)が二十五、二十六日、鹿児島市の県農業共済会館であった。初日は県の基幹作物・サトウキビの増産に向けた品種や栽培研究などの発表をはじめ、種子島や奄美の各地区代表者によるシンポジウムもあり、経営規模拡大や集落営農組織育成などに関する取り組みが報告された。
 研究成果発表会は今回が四十一回目。国や県の研究機関や農協、製糖会社の担当者や行政担当者ら約九十人が出席した。初日は品種、栽培、病害虫など計十二の課題に関する研究成果の発表とシンポジウムがあった。
 成果発表では、農業開発総合センター徳之島支場から、キビの株出し管理やかん水の効果などについて発表があり@奄美地域では収穫直後に株出し管理を行うと、萌芽率が高く茎伸長も良いA収穫直後の株出し管理は、梅雨明けまでの期間が長くなることで生育量を確保できるため一茎重が重く多収となるB春植え、夏植え、株出し栽培において七―八月に定期的にかん水することで収量・品質向上の効果がある―などの成果が示された。
種苗管理センター鹿児島農場から、〇四年十一月の知的財産基本法策定以降の品種保護に関する動向について説明があったほか、九州沖縄農業研修センター・バイオマス資源作物開発チームの砂糖生産量を維持しながら燃料のエタノールを効率的に生産するためのサトウキビ開発に関する研究報告もあった。
 このほかシンポジウムでは、中山正芳さん(富国製糖)、栄和子さん(喜界町女性農業経営士)、永田一司さん(JAあまみ天城事業部本部)、有川健志さん(和泊町仁志さとうきび生産組合代表)、森和之さん(沖永良部農業改良普及センター・与論駐在職員)らが、キビ増産に向けた規模拡大や集落営農組織の確立などについて報告。最後に座長を務めた県農産園芸課の芝敏晃糖業指導監が「島ごとのキビ増産計画を達成するためには、関係機関一体となり、それぞれの役割を果たすことが重要」と締めくくった。
油井小中生、地域住民と伝統行事用に稲刈り
 瀬戸内町の油井小中学校(和田敏郎校長、児童生徒十五人)の子供たちは二十三日、地域の田んぼで地域住民と一緒に稲刈りをした。子供たちは地域の伝統、油井豊年踊りとかかわりが深い稲作活動に参加し、稲作の苦労や伝統継承の大切さを学んだ。
 油井集落(内田百一区長)は豊年踊りでわらを使うため、同集落須佐礼の約二eの田んぼで稲作りに取り組んでいる。油井豊年踊りは旧暦八月十五日に行われる県指定無形民俗文化財。集落で育てた稲を使った綱引きから始まり、かまで切り落とした後は、土俵の綱として埋められる。
 同校の子供たちは三月の種まきから、田植え、草取りなど、地域住民と一体となって継承活動に参加した。稲刈りには集落から約四十人が集まり、男性は慣れた手つきで稲を刈ると、女性はわらで束ねた。子供たちもかまを握り、大人に教わりながら作業を手伝った。
 刈った稲は同校体育館の周りに干し、一週間後に脱穀作業、十月六日の豊年祭前日にはわらをより合わせ、綱引き用の縄作りが行われる。作業に参加した勝島裕太君(六年)は「今年は稲運びを頑張った。十二月のもちつきがすごく楽しみ」、秀岡晃祐君(中学三年)は「稲を刈ったり、まとめて結んだりするのが去年よりもうまくできてうれしかった」と話していた。
大島高校の昌山君、パラオでの島嶼の課題研修会へ
 沖縄・奄美の高校生・大学生がパラオ共和国で水問題を中心に島嶼(とうしょ)地域の抱えるさまざまな問題を学ぶ研修メンバーに県立大島高校の昌山涼君(三年)が選ばれた。昌山君らは来月八日から四日間現地調査する。主催する琉球大学アジア太平洋島嶼研究センター長の大城肇教授が二十六日、大島高校を訪れ研修内容など説明した。同教授は、今年秋に奄美大島で水問題をテーマに公開講座を計画していることも明らかにした。
 高校生・大学生のパラオ研修は沖縄と太平洋島嶼国が共通する島固有の問題について取り組む「沖縄・太平洋教育ネットワークイニシアチブ事業」の一環。作文コンテストで選ばれた高校生二人、大学生三人の五人が参加する。一行は同センター副センター長の前門晃教授らの引率でパラオを訪問。上下水道整備状況や水資源視察など水問題を中心に文化や自然、人々の暮らし、移民や戦争遺跡など沖縄との関係などについて学ぶ。
 自然に関心を持っているという昌山君は、理科担当の金井賢一教諭と住用村の河川でリュウキュウアユの産卵場など調査、「奄美の水辺の環境問題について」と題して作文にまとめた。大城教授は「生物に関する豊富な知識がないと書けない。水の問題を幅広い視野で書いている」と評価する。今月十四日にパラオ研修の知らせを受けたという昌山君は「うれしかった。外国は初めてだが、いろんなことを学んできたい」と意欲的。
 大城教授は「高校生は自分の島を客観的に見ることはなかなかできない。水問題はもちろん、生活や文化を見て、島として共通の問題や悩みがあるのか調べてほしい。自分の島を認識するきっかけにしてほしい」と期待する。
 沖縄・太平洋教育ネットワークイニシアチブ事業は、昨年沖縄県で開かれた島嶼会議での提言を受けて「水資源」「島の文化と教育」などをテーマに実施する。学生交流事業のほか、市民参加の公開講座、教員の共同研究に取り組む。笹川太平洋島嶼国基金の助成で事業期間は三年。
 市民公開講座は「やしの実大学公開講座」と銘打ち今年十月に奄美大島で開催を計画している。テーマは「私の島の水問題」。大城教授によると、同講座は第一回を奄美で開催しており、今年開かれると二回目。奄美・沖縄の一般市民のほか、ミクロネシア諸国の学生、今回の研修生らが参加する予定。

7月28日(金)付 

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伊仙町の05年度子牛販売、過去最高

 【徳之島総局】伊仙町肉用牛振興会(盛弘重会長、六百八十人)の第十六回総会が二十七日、同町総合体育館であった。二〇〇五年度の事業報告・収支決算と〇六年度の活動計画・収支予算を承認し、優良農家を表彰した。〇五年度は販売頭数、販売額ともに過去最高を記録した。総会後、大島農業改良普及センターの西博巳主査による講演もあった。
 盛会長は「米国産牛肉の輸入再開など取り巻く環境は厳しくなるが、安心安全をモットーに生産規模の拡大と経営安定を目指して取り組んでいこう」とあいさつ。JAあまみ徳之島事業本部の永吉浩次専務理事は「〇五年度は生産者の方々の努力で当初の計画を大幅に上回った。キビだけでなく畜産も新たな制度が〇六年度以降に始まるが、安心して生産に取り組んでいってほしい」と生産者を激励した。
 同町の〇五年度の販売頭数は二千四百八十七頭、販売額は十億三千三百二十三万五千円でいずれも過去最高となった。〇六年度も研修会開催や先進地視察などを実施し、飼育技術の向上などを図っていく。
 西主査は「肉用牛振興協議会における子牛育成マニュアルについて」をテーマに講演した。
 被表彰者は次の通り。(敬称略)
 ▽去勢の部 河本博文、実島良吉、石原みのり▽雌の部 美島俊政、大山重秋、荻田武志
親子連れが藍染めに挑戦
 奄美自然ふれあい行事のクラフト教室「海辺で藍染めをしよう」(環境省奄美野生生物保護センター、奄美自然体験活動推進協議会主催)が二十七日、瀬戸内町嘉徳の藍染め工房であり、親子がハンカチの藍染めに挑戦し夏休みの思い出をつくった。
 行事は環境省の「自然に親しむ運動」に合わせ、毎年夏休みに開催。今夏は四回計画し、藍染めはその第一弾。奄美市などから十二人の親子が参加した。
 講師は藍染め二十年余りになる吉川好弘さん(70)と千代夫人(64)の二人。開会式で好弘さんが「どんなにやってもそれなりの作品ができる」と藍染めの魅力を話した後、千代夫人がビニールのひものしばり方と紋様の関係を説明。参加者は好きな紋様を想像しながらひもでくくった。
 水に浸して絞った後、藍染め液の入ったタンクに入れ、三分漬けて三分空気中にさらす作業を五回繰り返した。ハンカチは液に浸すたびに濃く染め上がり、最後は水洗いして干した。
 親子三人で参加した奄美市名瀬の川田真由美さん(43)は「夏休みの思い出づくりで参加した。地元にいてもこのような機会がなく、参加してよかった。自分が想像していた柄と違う柄ができて面白かった」と話した。次回は八月四日に「クロボシセセリを探そう」がある。
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