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| 総務省が自治体の実質的な債務負担の状況を示す指標として二〇〇六年度導入した「実質公債費比率」の県内市町村の状況が八月三十一日までに分かった。奄美十二市町村のうち、地方債発行(起債)に県の許可が必要な実質公債費比率18%以上の自治体は七市町村。単独事業での起債が原則認められなくなる25%超は無かったが、天城、知名の20・7%を筆頭に20%超団体が四町村あった。 実質公債費比率は、起債が許可制から協議制へ移行したのに伴い、従来の「起債制限比率」に代わる指標として新設された。従来算入していなかった公営企業会計や一部事務組合の借金返済に充てられた一般会計繰り出し金が加味されたのが特徴だ。企業の連結決算の考え方に立つ。 それによると、奄美十二市町村で許可団体となったのは天城、知名ほか宇検(20・1%)、大和(20・0%)、徳之島(19・6%)、名瀬(19・1%)、瀬戸内(同)。最も低かったのは喜界で11・1%だった。 許可団体は県の許可を得れば、従来通り起債は可能だが、債務削減の見通しを示す公債費負担適正化計画の策定を義務付けられる。起債の協議制移行は、地方債発行への国の関与を弱める目的もあり、18%以下団体は国や県の許可を得ずに自由発行が認められる。 奄美の自治体の場合、公債費負担比率は〇四年度決算時の起債制限比率に比べ最小で1ポイント(喜界)、最大で7・9ポイント(和泊)それぞれ上昇した。奄美市の場合、旧名瀬市と比べ6・3ポイント上昇した。いずれも公営企業会計などへの繰り出し金算入が影響したとみられる。 奄美市財政課は、起債制限比率の高かった住用(21・0%)を含む合併の影響は1ポイント程度とみている。同課は「下水道事業などの特別会計と衛生管理組合など一部事務組合の分が加わったのが比率上昇の主な要因。当面は下がる状況には無いが、有利な起債を活用するなどして対応していきたい。これまでも無理な起債はしておらず、許可団体となっても基本的には影響は無いと考えている」としている。 県内の他市町村を見ると、最も低いのは鹿児島市と知覧町の10・6%、最も高いのは唯一の起債制限団体となった十島村の26・0%。許可団体は奄美を含め十五市町村で、うち十二市町村は離島だった。 |
| 【鹿児島総局】鹿児島労働局(今川隆志局長)は一日、鹿児島地方最低賃金審議会(田畑恒春会長)の答申を受けて県の最低賃金を十月一日から現行の時間額六百八円から三円引き上げ六百十一円にすることを決定した。 県の最低賃金は、一九七二年から設定され、据え置きとなった二〇〇三年を除き毎年改正されている。三円以上の引き上げは、六百円から六百四円に引き上げられた〇一年以来。 鹿児島労働局長は、県内の経済雇用情勢や賃金の動向などを勘案し、鹿児島地方最低賃金審議会に対し五月十日に最低賃金改正について諮問。同審議会は計四回の審議を重ね八月八日に時間額を六百十一円に改正するよう答申していた。 最低賃金は都道府県ごとに設定される地域別最低賃金と、特定の産業に適用される産業別最低賃金が設けられている。地域別最低賃金は、県内の事業所で働くすべての労働者とその使用者に適用される。ただし電子部品製造や百貨店などの産業別最低賃金が適用される産業では、適用除外となる労働者を除き、より金額が高い産業別最低賃金も適用されている。 |
【徳之島総局】子牛生産の技術向上を図る二〇〇六年度徳之島町肉用牛品評会が八月三十一日、徳之島農協集合研修センターであった。第一部で一席となった同町亀津の清原ケイ子さんの「つばき号」がグランドチャンピオンに輝いた。品評会には第一部(十二―十六カ月)十八頭、第二部(十七―二十三カ月)二十三頭、第三部(父系群、十二―二十三カ月)の三部門に三十四頭(重複含む)の若雌が出場。徳之島農業改良普及センターの立山昌一所長を審査委員長に五人が月齢に応じた発育状況や身体のバランスなどを審査した。 グランドチャンピオンを除く各部門の受賞者は次の通り。(敬称略) 【第一部】▽一席 つばき(清原ケイ子、亀津)▽二席 ばなな(永吉輝彦、同) 【第二部】▽一席 きょんきょん(永吉輝彦、亀津)▽二席 めぐみ(東三彦、同) 【第三部・父系群】▽一席 かずよ(大川憲仁、母間)ちえみ(上原祥子、亀津)あいこ(仲崇、同) |
| 奄美市国民健康保険運営協議会が一日、市役所委員会室であり、二〇〇五年度の国保事業特別会計決算、改正健康保険法等の施行に伴う国保条例一部改正案を確認した。名瀬、住用、笠利の旧三市町村が合併前に赤字を抱えていたことから、〇五年度の国保決算は約二億五千万円の赤字となった。決算や条例改正案は市議会の九月定例会に諮る。 同日の運営協は、旧三市町村合併後初の会合。被保険者や医療機関、公益(市議)の代表ら委員十三人に平田隆義市長が委嘱状を手渡し、会長に田部義和委員を選んだ。 条例改正案は改正法の施行に伴い、現役並みの所得(課税所得百四十五万円以上)がある七十歳以上の患者負担(現行二割)を十月から三割に引き上げ、法施行令の改正に伴って出産育児一時金支給額(同三十万円)を三十五万円に改める。 〇五年度決算は歳入約五十三億九千七百万円に対し、歳出は約五十六億四千八百万円。旧三市町村いずれも赤字で、その額は名瀬約一億三千五百万円、住用約二千七百九十万円、笠利約八千七百六十万円を計上した。名瀬と住用は累積赤字を抱えていた。笠利は取り崩していた基金が底をついたため赤字に転じた。〇四年度決算分を差し引いた単年度収支は旧三市町村合計で約一億一千七百万円の赤字を計上した。 〇五年度決算のうち、歳入に占める保険税の割合は24・89%。次いで国庫支出金が47・36%、繰入金が12・14%を占めた。旧名瀬市と旧住用村の前年度保険税収納率が過年度より低下したことなどに伴い、普通調整交付金は総額で約四千万円カットされた。歳出では保険給付費が62・29%、老人保健拠出金も22・32%に上り、介護納付金は6・86%だった。 地域経済が低迷し、人口が減少する中での高齢者と医療費、老人保健拠出金の増加など国保運営を取り巻く厳しい。市側は税の収納率向上に取り組むと語った一方、合併後の住民の急激な負担増を避けるために当分の間、旧市町村それぞれの賦課方式を設けている不均一課税の状況を示し、「低所得者の七―二割の負担軽減措置を継続するためにも税率の早急な見直しが必要」と説明した。 |
レスリングの全日本学生選手権(全日本学生連盟主催)は24―27日、大阪府堺市金岡公園体育館であり、女子51キロ級に出場した中京女子大3年の栄友菜(21)=奄美市名瀬出身=が準優勝した。名門中京女子大で栄和人監督(笠利町出身)、OGの五輪金メダリスト吉田沙保里選手らに指導を受ける栄は「焦らず、確実に進歩したい」と、年明けに控える全日本選手権へ静かに闘志を燃やした。栄にとって昨年3位に終わった選手権は雪辱の場。特に準決勝ではこれまで3戦3敗と分が悪い前原愛(関西大)が相手で、吉田選手と同郷の前原は、国際大会優勝の経験がある強豪だ。前原対策を立てて臨んだ前半、1―0で有利に立った栄は後半も1―0で取り、完封で決勝へこまを進めた。決勝は中京女子大4年の甲斐友梨が相手。0―0の第1ラウンドは抽選により不利なポジションから点を奪われ、後半も1―0と惜敗。準優勝に終わったがトップとの差は小差だった。 準決勝を振り返り、「前原選手とは中京女子大付高の同門だが、それぞれ違う大学へ進学。自分が負ければ、個人の力だけでなく監督の教えにまで泥を塗ることになる」と重圧の掛かる試合だった。8月の合宿でひざ、大腿部を故障し、心身とも万全ではなかったが、「リベンジの気持ちが強かった」。練習に裏打ちされた自信と応援に駆け付けた家族の声援で「リラックスできた」という。 決勝はこれまで完敗だった先輩に「負けるかと思った。今までで一番強かった」(甲斐)と言わせたほど力は肉薄。栄は「国際大会出場など、経験が自信になった」と自らの成長を実感している。 年明けには全日本選手権(天皇杯)が控える。栄は「変わらず、焦らず、一歩一歩確実に。もちろん妥協はしない。自分で自分を追い込んで行きたい」と語った。 |
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| 県企画課はこのほど推計人口調査結果(八月一日現在)を発表した。県全体の推計人口は百七十四万三千五十四人(男八十一万四千二百十八人、女九十二万八千八百三十六人)で、前年同月と比べ一万三百四十八人減少した。奄美は十二万四千八百十七人(男五万九千三百五十五人、女六万五千四百六十二人)で、前年同月と比べ千七百八十一人の減となった。 県全体の世帯数は七十二万九千三百十世帯で、前年同月と比べ四千三百七十世帯増加している。七月中の人口動態は、自然動態(出生―死亡)が百九十二人の減少、社会動態(県外転入―県外転出)が百十九人の減少。 奄美の世帯数は五万二千七百四十四世帯で、前年同月と比べ十二世帯増えた。人口動態は、自然動態が二十四人、社会動態が十四人の各減。全市町村で人口は減っている。 |
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| 本場奄美大島紬協同組合(赤崎拓郎理事長)のまとめによると、八月の大島紬の生産反数は前年同月比20・8%減の千七百九十九反だった。男物は41・6%の大幅減、女物も16・4%の減となった。七月は月別の生産反数が二十カ月ぶりに前年比を上回ったものの、八月は再び減少に転じた。 八月の生産反数を経(たて)糸の密度で表す算(よみ)別でみると、十五・五算は千三百三十九反、十三算は四百六十反。前年同月比で十五・五算は21・3%、十三算は19・3%それぞれ減少した。 染色別では主力の泥が千百九十七反で19・4%減、化染は五百四十二反で18・9%減、草木泥は三十五反減の三十八反、泥アイは二十二反減の二十二反だった。 製品の男女別では男物が二百三十反、女物は千五百六十九反。男物は百六十四反減、女物は三百八反減。 不合格は九点で不合格率は0・50%。内訳は絣(かすり)不ぞろい六点、傷三点だった。 |
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一般にはほとんど知られていない要塞地帯を示す陸軍省の標石二本が瀬戸内町立図書館・郷土館と要塞司令部があった古仁屋高校正門前にあることをこのほど来島した長崎県佐世保市の高橋輝吉さん(79)が確認した。いずれも海軍省・陸軍省告示日の「大正十年三月五日」の年月日が彫られている。戦後、米軍に雇われて要塞を囲む山から標石を運搬する作業に従事した富島甫さん(84)によると、掘り出した標石は数十本はあっただろうという。高橋さんは、「要塞地帯の区域を示す地図に沿って山の中を探せばまだ見つかるかもしれない」と話している。高橋さんが戦争遺物の標石探しに本格的に着手したのは十五、十六年前。バイクに乗って佐世保、対馬、門司などを回ったり、図書館で関係資料を調べたりした。その結果、八十二本を確認した。内訳は自分で探したのが七割、残り三割が情報を基に確認したものという。 奄美大島には八月二日に来島。三日にかけて事前に情報を得ていた二カ所を訪れて写真に収めたり、町立図書館・郷土館職員などから聞き取りを行った。 同町立図書館・郷土館にある標石は、同館職員によると、開館当時に町民が持ち込んだものだが、探した地点は不明。第一号と彫られ、サイズはこれまでに見つかっている標石とほぼ同じで一辺が約十五センチ、高さは約一メートルの四角柱。古仁屋高校正門前の標石は第四号で、一辺の大きさはほぼ同じ。瀬戸内大正会が一九九一年に奄美大島要塞司令部跡の碑の隣に設置した。いずれも「FZ」の文字があり、高橋さんは「おそらくフライトゾーンの略だろう」と話す。 富島さんによると、掘り出し作業に従事したのは一九四六年。五、六人の青年がツルハシのようなものを使って掘り出し、引っ張ったり、担いだりして古仁屋小学校に面した広場に集められた。富島さんは「戦争の名残をなくすための米軍の武装解除の一環だろう。その後どうなったか分からない」と話す。また、終戦当時まで古仁屋市街地の要塞司令部に通ずる軍道にも標石が立てられていたという。 瀬戸内大正会の碑文によると、古仁屋には一九二〇年に陸軍築城本部奄美大島支部が開設され、大島海峡東口、同西口の四地点に砲台陣地構築と共に要塞司令部施設工事が着工されたが、ワシントン条約の締結で工事は中止。要塞司令部は開庁され、日本の三大要塞として国防の第一線を担った。以来、要塞地帯法などの施行で一般住民は日常生活にも制約を受け、第二次世界大戦では要塞司令部は爆撃の標的となったという。 高橋さんによると、標石は一八九九年に制定された要塞地帯法に基づき立てられた。要塞中心部から外に向かって第一地帯、第二地帯、要塞区域と重要度によって区切られ、立ち入りなどが制限されていたという。瀬戸内町に残る標石は、佐世保市の図書館で発見した「海軍制度沿革」(海軍省編、原本は一九四二年発行)などに記載されていることが分かった。そこには大島海峡側に面して陸軍防御営造物地帯を示す二つのだるま形の第一区地帯、その外側に区域が設定され、それぞれ標識を立てて表示するよう記載されていた。 高橋さんは、「標石は語り部。門司の標石には要塞についての説明がしてあるが、こうした地域はごく一部。奄美で次の標石が見つかればいずれは地図に落としたい」と話す。 |
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| 県補助の廃止代替バスの運行を委託されている道の島交通(岩崎菊美社長)の臨時役員会が二日夜、名瀬市内のホテルであった。先月二十五日にあった県バス対策協議会路線確保対策部会で承認された廃止代替バスの運行方針が報告され、会社側は自主運行部分を含め路線と従業員を大幅に削減する方向を示した。 役員会には岩崎社長をはじめ、非常勤取締役ら全員(十三人)が出席した。岩崎社長は「代替バスの運行でバス、従業員を増やしたが廃止代替バスの削減という結果になった。生き残る方策をアドバイスしてほしい」などとあいさつした。 この後、会社側がバス対策協での廃止代替バス運行方針を報告。運行削減で補助金が半分になる見通しを示し、「自主運行している赤字路線も削らないと乗り切れない」として路線を大幅に削減する方針を示したほか、社内で現在、数人の希望退職者を募っていることを明らかにした。 役員からは「島民、行政のためにやってきたが残念な結果」「(行政に)振り回されただけで元に戻った格好だ」などと行政への不満があった一方、「企業努力していることを住民に訴えていくべき」「競合しないで済む。黒字になる方策を」などと一層の企業努力を求める意見があった。 このほか、役員会では系列会社としてバスガイドなどを育成する人材派遣会社を設立することが報告された。 先月あったバス対策では競合している道の島交通十四系統と奄美交通十三系統の廃止路線代替バス運行と自主運行を九月三十日で取りやめ、両社の路線を十三系統にまとめた上で、十月一日から道の島交通が奄美市名瀬地区を中心に五系統、奄美交通が同市名瀬―同市笠利町などを結ぶ路線を中心に八系統の廃止代替バスを運行することを決めている。 同社によると、二〇〇四年十月に廃止代替バス運行を委託されてから自主運行部分も含めて路線を拡大し、車両十八台、従業員二十人を増やしてきたという。 |
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| 奄美大島青年会議所(JC、西川雄一理事長)と自衛隊奄美市名瀬隊友会(宮重太郎支部長)は三日、合同で奄美市名瀬矢之脇町のらんかん山にある「くれないの塔」周辺の清掃作業をした。両団体合同の清掃作業は初めて。清掃後に慰霊祭を行い、献花し、参加者全員で黙とうをささげて四十四年前の自衛隊機墜落事故で犠牲となった十三人のめい福を祈った。 一九六二年(昭和三十七年)九月三日、輸血用血液を空輸中の海上自衛隊鹿屋航空基地所属のP2V対潜哨戒機がらんかん山に墜落、炎上して乗っていた隊員十二人全員と市民一人が犠牲となった。六三年にJCが中心となって建立実行委員会を組織して「くれないの塔」を建立した。三十三回忌終了以降、旧名瀬市は命日の九月三日を「献血の日」と定めた。 この日の清掃作業には家族連れを含め約三十五人が参加した。塔までの急なコンクリート坂道の落ち葉を集めてごみ袋に入れ、草刈り機で塔周辺の雑草を刈り取った。 慰霊祭で喜元健一郎JC副理事長、井上旭男自衛隊奄美大島駐在員事務所長があいさつした後、経過説明をした楠田豊春JC顧問は「多くの市民の賛同を得て慰霊の塔を建立した。(当時の人々の)心の象徴であるこの場所を今後とも守ってほしい」などと述べた。 JCは、らんかん山入り口に「案内板」設置を計画している。 |
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「田中一村新寄託作品と一村の写真展」が三日、奄美市笠利町の県奄美パーク・田中一村記念美術館企画展示室で始まった。十八日まで。十日には一村を語るシンポジウムもある。田中一村(一九〇八―七七)は、奄美の自然を描き続けた日本画家。公開されているのは、奄美出身の収集家らが今月、県に寄託した作品の一部で、一村が奄美に移り住む前の千葉県在住時のふすま絵や掛け軸、色紙など十八点。一村の写真十点も展示されている。 ふすま絵「軍鶏図」や掛け軸「梨花高麗鶯」などに見入っていた観光客の一人は「テレビで一村を知り、すごい人だと感動した。奄美大島の記念美術館を訪ねようと決めていた」などと話した。 入場料は大人二百円、高大生百四十円、小中生百円。六日は休館。問い合わせは同美術館TEL0997・55・2635。 |
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重症筋無力症の与論町茶花の吉田明菜さん(23)が、療養生活の中で頭に浮かび続けるメルヘンを活字にし、相次いで出版した。絵本「にこにこえがおになあれ」(新風舎)と児童書「雲はかせ 命の十の質問」(同)。ベッド中心の生活を強いられながらも「目標は自立して両親に恩返しすること。そして夢は子供を産んで母親になること」と話す吉田さん。次々浮かぶ構想を力に、夢の実現に歩み出している。重症筋無力症は国指定の特定疾患(難病)。神経と筋肉の接合部分の異常のため筋力が低下し、同じ運動を繰り返すと力が出なくなる。症状の程度は人によって異なるが、物が二重に見えたり、物をかみにくくなったり、飲みこみにくくなったり、手足を思うように動かせなくなったりする。 吉田さんが発症したのは与論高校二年生になったばかりの四月。小学校高学年ごろから異常は感じられたが、部活動には積極的に参加していた。ところが物がダブって見え出したのを皮切りに体が思うように動かなくなった。 発症後は検査入院の繰り返し。与えられたリポートをこなし、出席日数が足りなくなると保健室登校もして何とか同級生と一緒に卒業した。 文章を書き出したのは「治療法が定まらず不安感が募ってた二十歳」。テレビは見られず、本も読めない。体は思うように動かないけど、頭の中ではさまざまな考えが駆け巡る。そのうちストレス発散にと詩を書き始めた。 日によって体を起こすのもままならない。その時は携帯に詩を吹き込み、母とき子さん(48)に代筆してもらう。 出版した絵本の原作を書いたのは〇四年九月。「頭に浮かんだというよりひらめいた。だって起きている間中、いろんなことを考えているから」。島に舞い降りた「ようせい」が島中の生き物の口にあめ玉を放り投げて、島中が笑顔に包まれるという心温まる内容だ。 新風舎主催の絵本原作コンテストに応募。選外だったが共同出版の話が舞い込み、一年半余りの編集作業を経て本になった。併行して雲に子供がさまざまな質問をぶつける話も共同出版に発展。両著は今年三月と六月に出版された。 吉田さんは二十一歳で病気の確定診断を受け、本格的な治療が始まった。 ただ体調は安定しない。寝返りすら打てない日もある。 「根気強く、体調と相談しながら少しずつでも普通の生活に近付けていきたい。模索の時間が長かった。こんな体でもできることがあることに気付いた。その一つが書くこと。二十歳で見つけた生きがいを自立につなげたい」 吉田さんは今、新らしい作品の構想を膨らませている。「いつ書き始めるか、いつ書き終わるか分からない。何しろひらめきがあり過ぎて」とも話した。 |
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| 宇検村教育委員会は先月下旬、沖縄県から紅型(びんがた)の専門家らを招き、傷みの目立つノロ関係資料の修復、調査を行った。修復作業を終え同教委では「ノロ衣装や辞令書など図案、紙質、顔料など素材面からの研究も必要」と話している。 ノロ関係資料は@衣装Aテロギ(神扇)B辞令書―に大別され、奄美大島では四十一点が二〇〇三年に県文化財の指定を受けており、うち最多の十五点が同村の所有。 村生涯学習センター・民俗資料展示室でアヤハベラ(髪飾り)やサジ(鉢巻き)、胴衣(上着)、大袖衣(同)、祭祀具のテロギ、辞令書など県指定を含む約五十点を保管している。しかし、破損している資料も目立つため、県の文化財保存事業で専門家を招いて修復作業をすることになった。 来島したのは、沖縄県立芸術大付属図書芸術資料館の粟国恭子さんと服飾専門家・上木ちか子さん、紅型(びんがた)工房を主宰する濱元一恵さんの三人。先月二十三日から五日間、同村に滞在し、ノロ関係資料の修復作業をしながら個人所有の衣装、辞令書などの保存状態も調査した。 修復作業には、村職員も参加、粟国さんらの指導を受けながら衣装のしわ伸ばしや汚れ落としなどに取り組んだ。胴衣の中には沖縄を代表する紅型もあり、同教委の元田信有事務局長は「紅型の特徴は顔料を使うこと。顔料からいつごろ、どこの工房で作られたものか。新たな視点で調査するすれば面白い」と言う。さらに「今回の修復作業で職員も勉強になった。衣装やテロギ、辞令書の素材を調査すれば新たな発見の可能性もある。多角的に関係資料にアプローチしていく必要がある」と話す。 |
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○…奄美地方は九月に入っても日中の最高気温が三〇度を上回る「真夏日」が続いているが、奄美市名瀬小宿では観賞用のパンパスグラスが花穂を広げ、風になびいている光景が見られた。○…パンパズグラスはイネ科の多年草。アルゼンチンやブラジル南部のパンパス地帯が原産。花穂は絹糸状で銀白色の毛を密生するため、和名でシロガネヨシ(白銀葦)という。 ○…付近の人の話によると、十数年前にドライフラワーとして出荷していたものが自生し、毎年この時期に花穂を広げるという。九月に入っても最低気温が二五度を上回る「熱帯夜」が続いているが、南国・奄美にも秋はゆっくりと近づいている。 |
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| 伊藤祐一郎県知事と県民との対話集会「第二十回知事と語ろ会」が五日夜、与論町中央公民館であり、町民が関心を寄せているテーマについて知事と意見を交わした。会場からは@耕畜連携推進A茶花市街地県道拡幅B中高一貫教育C光ファイバー整備D県営住宅整備E与論空港滑走路延長Fパスポート発給窓口設置―など十三項目に及ぶ質問があり、一つひとつ伊藤知事が答えた。耕畜連携推進のうちサトウキビ集中脱葉施設整備について伊藤知事は前向きに検討する考えを示した。同島での知事対話は二〇〇三年の須賀龍郎知事以来、三年ぶり。 集中脱葉施設整備について伊藤知事は「与論のキビは一人当たりの耕地面積が少なく、平たんでもない。ハーベスターを導入することでコスト高になり、恩恵をもたらさない。将来の農業を考えると重要なテーマ。何らかの形でプロジェクト化し、町とも話し合って取り組みたい」と語った。 茶花市街地県道拡幅については、「茶花小学校から役場までの約六百bの拡幅については改めて可能性を探るが、他のプロジェクトとの優劣において必ずしも優先順位は高くない。拡幅で移転補償のための事業費は県財政が厳しい中、さらに難しい」と答えた。 中高一貫教育については、「有効性を考えると、学力向上を目的に一貫教育を実施した(玉龍高校の)例もあるが、自然の形で保障されているのが与論高校。与論高校の進学率はG%と聞いているが、学力の適格性を持って子供たちを育てていただきたい」と答えた。 光ファイバー整備については今後、事業主体のNTTと十分話し合う方向を示したほか、パスポート発給窓口については町が引き受け可能なら発給の可能性を示した。 滑走路延長については「現在利用率は五割超える程度と聞いている。対費用効果を考えると六割は超えないと無理。補助制度の対象にするのは熟慮が必要」などと答えた。県営住宅整備について「建設計画は財政上難しい。人口増につなげたいのであれば、日本のみならず東南アジアからの入り込みを増やすなど交流人口増を目指す方向が現実的」と答えた。 「知事と語ろ会」はこれまでと同様、伊藤知事自ら進行役を務めた。会には町民ら三百人以上が詰め掛けた。 会を前に伊藤知事はキビ酢工場、サザンクロスセンター、基盤整備促進事業・前浜地区、生産牛農家、与論民俗村などを視察した。 |
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| 宇検村教育委員会は、消えつつある方言を後世に残そうと、方言の映像化に取り組んでいる。第一弾として芦検集落の方言を収めた「焼内のシマユムタ―宇検村方言録・芦検編」のビデオ、DVDがこのほど完成した。現在、阿室集落で収録中で今後、村内全集落で方言録を制作する計画。 同村は焼内湾に面した十四集落から成り、人口は約二千人。伝統文化の伝承に積極的で、これまで全集落の郷土芸能・八月踊りを映像化している。方言録は、高齢化が進み、次第に方言を話せる世代が少なくなってきていることから企画した。奄美市名瀬の潟Rシマ・プロダクションが制作を担当、昨年度から取り組んでいる。 第一弾として取り上げたのは芦検集落の方言。日常生活の中で使われる言葉を収録しているのが特徴。内容は区長が案内人となって、集落の見どころや日常生活を紹介してく。壮年団員や古老たちが島料理を囲みながら昔話に興じ、同集落に伝わる独特の漁法「待ち網漁」などについて語っている。お年寄りの中には唄者もおり、わらべ唄を披露するなど地域性あふれる映像となっている。 村教委では、初めての試みで不安もあったという。「八月踊りは比較的やりやすかったが、方言の場合はスタイルがないので難しい。芦検編は手探りで作ったが、これまであまり知られていなかったわらべ唄が出てくるなど収穫もあった。切り口は分かったので他の集落の収録に生かしていきたい」 芦検篇は、集団での会話が中心だったが、今後は昔話をよく知っている人に登場してもらい、それぞれの集落に伝わる伝説を語ってもらうことも計画している。阿室集落編を今年度中に完成させ、最終的には全十四集落の方言録を制作する。 |
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○…先日情報が寄せられた奄美市名瀬安勝町の“根性パパイア”に続き、同市名瀬末広町でも、ビルのわずか二センチほどのひび割れから芽を出したパパイア=写真=が発見され、近所の住民らは、パパイアの成長を優しく見守っている。○…ビルの一階で果物店「青菜(あおな)」を経営する永田千秋さん(61)、順子さん(59)夫婦は今年四月、店の横壁から芽を出したパパイアを見つけた。幹の下部は薄っぺらく、二人はいつ倒れるかとやきもきしていたが、パパイアは持ち前の“根性”とクーラーの排水管から出る水を栄養に、ぐんぐん成長。今では背丈が約一メートルにもなり、数個の実を付けている。 ○…六月末、ビルの住人が引っ越して排水管からの水の供給がなくなり、パパイアは窮地に追い込まれた。弱り出したパパイアをふびんに思った永田さん夫婦はそれから毎日水をかけ、愛情を注いでいる。 |
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| 奄美大島海区漁業調整委員会(田畑浩会長)は七日、県大島支庁別館であり、シラヒゲウニの資源管理について協議した。各漁協のアンケート調査で、奄美群島の統一的な取り組みが必要との認識で一致したことから、要望のあった「奄美統一の禁漁期間」や「体長制限」といった制限を海区漁業調整委指示に盛り込むべきか今後、検討していく。 奄美の沿岸海域に生息するシラヒゲウニは地域の重要な漁獲資源。地元漁協は採捕できる者を定めた漁業権行使規則を制定し、放流事業に加え、独自に禁漁期間を設けて集落や漁協単位で密漁防止のパトロールに当たるなど資源管理に努めている。だが近年、各地でウニが大量発生したこともあって、地域単位で資源管理を徹底できなくなり、他地域や禁漁期間の密漁が多く報告されている。 そういった状況を踏まえ、同調整委事務局の県大島支庁商工水産課がウニの資源管理のあり方について八月にアンケート調査を実施した。具体的な管理方法については一漁協から「地域によって資源の数など状況が異なるため、奄美全体を対象とする委員会指示よりも各地区単位の規制が良いのでは」との意見が出た一方、罰則規定のある海区漁業調整委員会指示に禁漁期間や殻長(直径)による採捕制限を盛り込んでほしい、との意見が相次いだたという。 この日の同調整委協議でも、委員から「地区によって禁漁期間が違ったり、禁漁期間を設定していなかったりして密漁防止が難しい。資源を守るために奄美で統一した規則が必要」など前向きな意見が相次いだ。改めて各漁協の意向を吸い上げた上で検討していく。このほか、イセエビ禁漁期間の見直しを求める声もあった。 協議の前に同海区の第百八十二回調整委があり、宇検村と徳之島の浮き魚礁敷設五件、全国海区漁業調整委連合会九州ブロック会議への県提出議題などを承認し、田畑会長と関根博和、松本幹両委員を県連合海区漁業調整委委員に選んだ。十一月の九州ブロック会に、熊毛海域での沖合底引き網漁業と奄美海域での大中型まき網漁業の操業禁止区域の見直しを提案する。 |
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| 鹿児島県で最も魅力的な市は奄美市―。ブランド総合研究所(本社・東京都港区)がまとめた全国七百七十九市(八月現在)の二〇〇六年版・地域ブランド力調査によると、「魅力度ランキング」で奄美市が県内でトップ、九州・沖縄エリアで八位、全国で二十八位に入った。同研究所は「ブランド力を可視化させた居住意欲ランキングでは、石垣市や宮古島市、奄美市などの観光リゾート地が上位にランクインしているのが特徴」としている。 地域ブランド調査は、八月にインターネットで実施。全国二万四千五百三十六人から回答が寄せられた。調査は、年齢や居住地、性別を基準に実際の人口の縮図となるよう再算出するウエートバック集計を使用。国内すべての市のブランド力を可視化し、地域ブランド戦略の指標として活用できるよう同研究所が初めて実施した。 主要な評価項目は、市の認知度や魅力度、情報接触度、市のイメージ(親しみなど十六項目)、情報経路別の接触度(旅番組など十四項目)、観光経験・意欲、居住経験・意欲、産品の購入経験・意欲、観光イメージ(町並みがきれいなど十六項目)で、計百三項目。 例えば、魅力度ランキングでは「とても魅力的」を百点とし、「やや魅力的」が五十点、それ以外は〇点として算出し、その平均を総合評価としている。 その結果、奄美市は三十・八点で県庁所在地のランクを上回った。奄美市を除く九州・沖縄エリアのベストテン入りは、那覇市(四十八点)、沖縄市(四十五点)、長崎市(四十四・二点)、別府市(四十・七点)、福岡市(三十八・五点)、宮古島市(三十四・三点)、石垣市(三十二・五点)、太宰府市(二十七・二点)、熊本市(二十五点)となっている。 同研究所は「合併による新市誕生などを背景に『市のかたち』が見えにくくなっている。ブランド力を消費者視点で『見える化』することは、地域ブランドの確立や地域活性化に取り組む際の評価指標や目標値を設定する上で必要不可欠」としている。 |
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| 奄美の自然を描き続け生涯を終えた画家、田中一村を顕彰する「第八回一村会ジュニア絵画大賞展」(一村会など主催)の作品審査が七日、奄美市名瀬の奄美文化センターであった。今年は小、中学生から四百二十七点の応募があり、審査の結果、大賞に上野大地君(奄美市立朝日小三年)の「牛」が選ばれた。入賞、入選作品は九―十八日に同センターで展示される。 審査委員は久保井博彦奄美市名瀬美術協会会長ら七人。沖永良部島、徳之島などの離島からも寄せられた作品は甲乙つけがたい力作ばかりで、審査は難航した。最終的に、それぞれの審査員から出された評価を勘案し、大賞のほか準大賞二点を含む入賞二十五点、入選百五十三点を決定した。 表彰式は十一日、同市名瀬有屋の一村終えんの家前で開催。巡回展は十一月二十六日から十二月十七日まで同市笠利町の県奄美パーク田中一村記念美術館である。 大賞以外の入賞者は次の通り。(敬称略) 【小学校の部】▽準大賞 萩原友(笠利小五年)「はたおりするおばあちゃん」、春野早苗(小宿中二年)「夕日」▽田中一村記念美術館賞 坂本晃樹(朝日小六年)「やどかり」、越間太陽(朝日中一年)「バショウ」▽優秀賞 重井有光(小宿小二年)「はじめて見たウニ」、齊野美緒(崎原中一年)「紅のバショウ」▽秀作賞 なかだいのり(戸口小一年)「きれいなさかな」、児玉あかり(奄美小三年)「りゅうきゅうガラスを作ったよ」、森健太朗(朝日小四年)「マングローブたんけん」、勇祐作(古仁屋小五年)「アマミのクロウサギ」、義愛佳(朝日小五年)「加計呂麻のデイゴ」、泉原大助(奄美小六年)「南の島ホノホシ海岸」、大江寿仁(崎原小六年)「ソテツ」、福山進ノ介(名瀬中二年)「大いなる樹」、文このみ(朝日中三年)「アダン」▽奨励賞 右田治暉(芦花部小一年)「海でおよいだよ」、南のりよし(小宿小二年)「夜の森」、前山優樹(奄美小三年)「ルリカケスの親子」、越間はるひ(朝日小四年)「八月おどり」、平山俊輝(笠利小五年)「ガジュマルのある家」、川畑南美(名瀬小六年)「私の大好きなヘチマとり」、渡邉天乃(小宿中一年)「大浜海浜公園」、山田花恋(朝日中二年)「島バナナ」、前田海斗(龍南中三年)「ソテツの木」 |
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