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| 瀬戸内町の義永秀親町長(80)が二十二日、十二年間務めた町長職を退任した。同日、町中央公民館で退任式が行われ、産業振興などに取り組んだ在任三期を振り返る一方、現在の心境を駅伝ランナーに例えて「第四代走者として、与えられた区間を元気よく真っすぐに走り続けてきた」と語り、たすきを渡すことになる次期町長・房克臣氏(54)にエールを送った。 式には役場職員や議員、町民らが出席。義永町長は「町民の幸せを願い公約実現に責任を果たしてきたと自負している。長い間の支援と協力に深く感謝している。瀬戸内町の限りない繁栄と全国郷友会の発展を願っている」などと総括した。 最後に、役場の正面玄関前に職員や町民ら大勢が集まり、義永町長を見送った。町長は職員から贈られた花束を受け取った後、大きく手を振って拍手に応え、役場を後にした。 義永町長は一九九五年六月に就任。二〇〇三年に三選を果たした後、〇六年九月の議会で勇退を表明した。今年六月十日に投開票された町長選では後継指名を受けた房氏が初当選した。 |
プロジェクト発表の文化・生活部門で徳之島農業高校が優秀賞 |
| 鹿児島県学校農業クラブ連盟の各種発表会が二十―二十一日、阿久根市民会館であり、プロジェクト発表の文化・生活部門で徳之島農業高校が優秀賞を受賞した。 同大会はプロジェクト発表と意見発表の二部門であり、それぞれ食料、環境、文化・生活のテーマ別に発表があった。県内の農業高校などから参加があり、プロジェクト発表の文化・生活部門には五校が出場。徳農高は六人(いずれも園芸工学科三年)のメンバーで挑戦した。 徳農高のテーマは「甦れ サトウキビの島〜サトウキビ博物館開館に向けて」。島の基幹作物であるサトウキビの歴史や経済への波及効果、そこから生み出される副産物などを研究。サトウキビの必要性や可能性を島の人たちに知ってもらう目的で、学校祭でサトウキビ博物館を設置した活動のことも発表した。 二年前に同大会の意見発表の部で最優秀賞を受賞し、今回も中心メンバーとして活動した木村枝里香さんは「緊張したが、今までで一番良い発表だった」などと語った。 |
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とくのしま漁協の正組合員で構成する徳之島町地区漁業集落(平瀬福満代表、構成員二十八人)は二十一日、シラヒゲウニの種苗一万個を同町母間地区の海岸四カ所に放流した。関係者は海産物資源の再生に期待している。離島漁業再生支援事業の一環。これまでにスジアラやヤコウガイの種苗放流、サメやオニヒトデの駆除などを実施。同事業でのシラヒゲウニ放流は今年度が初めてで、四月には餌が競合するナガウニを駆除して生育環境を整えていた。 放流したのは県水産技術センター(指宿市)が育成した体長約二三ミリの稚ウニ。今秋には産卵期を向かえ、五〇―六〇センチにまで成長するという。平瀬代表らは「一年間は漁を控えて定着、増殖を図りたい」などと語った。 |
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全国ツアーを展開しているシンガーソングライター井上陽水の奄美コンサート(南海日日新聞社主催)が二十三日、奄美市の奄美文化センターであった。代表曲「夢の中へ」「少年時代」などアンコール曲を含む二十曲余りを熱唱し、客席を埋めたファンを酔わせた。午後六時半すぎ、拍手とハト(指笛)に迎えられて登場。「東へ西へ」の演奏で一気に陽水ワールドへと引き込んだ。 続いて「なぜか上海」「リバーサイドホテル」「長い猫」など往年の名曲から昨年リリースした新曲まで次々と披露、独特の甘い歌声で会場を包み込んだ。 奄美初公演は出身歌手の元ちとせさん、我那覇美奈さんとの親交の縁などから実現につながったと紹介した。印象を「素敵な所。自然の中で暮らせて楽しそうな気がします。鶏飯がおいしかった」と語ってファンを喜ばせた。 アンコールではにぎやかに「アジアの純真」「渚にまつわるエトセトラ」など五曲を歌い上げ、総立ちになった観客と一体のライブを繰り広げた。 |
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カエルやイモリなど両生類が感染・発症し、野外へ拡散すると地域一帯の両生類を絶滅させる恐れがある「ツボカビ」を知ってもらおうと環境省那覇自然環境事務所、奄美自然保護官事務所(奄美野生生物保護センター)は啓発リーフレットを作製、六月初旬に奄美群島内の小・中・高校の児童・生徒人数分を各学校へ配布した。沖縄県でも同様な啓発活動を展開している。啓発リーフレットはA4判一枚の裏表。表には「ツボカビにかかったカエルの水槽の水にはツボカビ菌がいる。そのカエルを逃がしたり、捨てたりしたら下水や川を通じて自然のカエルたちをツボカビ病にしてしまう。(野外へ拡散すると)身近に住んでいる貴重なカエルが全滅してしまう」「カエルやイモリを飼っているお友だちはよく観察を。餌をあまり食べなかったり、元気がなかったりしませんか? 様子がおかしかったらすぐ先生、お父さん、お母さんに知らせ、専門の人に相談してね」と書かれている。 裏面は学校の先生と保護者あて。@ツボカビは水を介して感染する病気A人、イヌ、ネコなどのほ乳類、鳥類、は虫類、魚類には感染しないB水槽内の水は消毒してから廃棄をCペットの餌にしている両生類も野外に逃がしたり、捨てたりしないで―と注意を喚起している。 相談窓口は各市町村教育委員会。ツボカビ症に関する情報は、東大医科学研究所奄美病害動物研究施設(瀬戸内町)TEL0997・72・0373、奄美野生生物保護センターTEL0997・55・8620へ。 |
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| 県観光交流局かごしまPR課がまとめた五月の県内大島紬生産状況によると、生産反数は前年比21・6%減の五千六百三十四反で、生産額は18・2%減の二億九千九百十万八千円だった。 県内大島紬の生産反数は二〇〇五年九月に前年同月比を上回って以降は減少に転じており、二十カ月連続で前年同月比を下回った。生産額は〇四年十一月以降、三十カ月連続で下回っている。 |
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| 奄美市笠利町で二十三日、屋仁小学校区内のサトウキビ生産者ら二十七人で構成する「屋仁校区さとうきび管理組合」が発足した。今冬収穫の二〇〇七年産に始まり一〇年度に完全実施されるキビ新制度に対応する組織で、キビ収穫などの作業受委託を調整・管理する。集落営農型の管理組合で、同町では昨年七月発足の宇宿校区組合に続き二例目。 屋仁地区振興センターで設立総会があり、組合規約と運営規定、初年度事業計画を決めた。初代組合長になった村山博明氏(68)は「三年間で軌道に乗せなければならない。キビを作り、収入を得続けていくため、みんなで知恵と力を出し合おう」と呼び掛けた。 組合の目的はキビの安定的、効率的な生産体制確立による増産。理事会(理事八人)の下に設けた受委託連絡会で、組合員からの作業委託を調整する。受委託の指示や料金の請求・支払いといった実務は書記会計が当たる。新制度に完全移行する一〇年産までに受委託料金や調整方法を確立する。 キビ新制度では、一定の収穫面積を有する農家や組織と、要件を満たした農家や組織に作業を委託した農家に甘味資源作物交付金が支払われる。 屋仁校区は先行例を参考に、今年三月から管理組合設立に向けた話し合いが続けられてきた。同町では宇宿校区組合の他に、校区内の受委託環境整備を狙った節田校区ハーベスター活性化組合が今年二月発足している。 |
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亜熱帯果樹の有望品目として奄美大島を中心にパッションフルーツ(トケイソウ)の栽培熱が高まっているが、奄美市は二十五日、初めての品評会を開催した。市内三地区から十九点の出品があり、小幡政雄さん(サマークイーンの部)と、池田廣一さん(ルビースターの部)が金賞を受賞。糖度の高さに加えて「果汁が多い」と高い評価があった。品評会は施設栽培のパッションフルーツが対象。笠利の営農センターで行われ、サマークイーンの部十点、ルビースターの部に九点の出品があった。 県と奄美市の果樹担当職員が品質(糖度、クエン酸)と外観(玉ぞろい、実詰まり、果皮の着色など)両面から審査した。審査委員長は県農業開発総合総合センターの後藤忍亜熱帯果樹研究室長が務めた。 審査の結果、サマークイーンは平均糖度が17・2度、最高は19・0度、酸の平均は1・83%だった。ルビースターは平均17・5度、最高18・4度、酸の平均は2・10%。 講評で後藤委員長は「サマークイーンは糖度が高く、クエン酸のバランスもよく素晴らしい出来。実詰まりが多い」と高く評価した。パッションフルーツの場合、実詰まりの基準は38%だが、軒並み40%を超えた。課題として「選果の徹底」を挙げた。 奄美市のパッションフルーツ農家は八十四人、栽培面積九・五ヘクタール。ハウス栽培では「無農薬」が可能。「食の安全」が求められる時代のニーズにマッチしており、市側は重点作物に位置付け、施設栽培を後押ししている。 金賞以外の入賞者は次の通り。(敬称略) 【サマークイーン】▽銀賞 渡辺直樹▽銅賞 西盛満【ルビースター】▽銀賞 西盛満▽銅賞 榮田恒成 |
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十日の瀬戸内町長選挙で初当選した房克臣新町長(54)の就任式が二十五日、役場四階会議室であった。房町長は「責任と重みを感じ登庁した。町民の負託に一つ一つ応えていかなければならない」などと語り、新しい町づくりに向け決意を新たにした。午前八時半ごろ登庁した新町長を職員や一般の支持者、議員らが出迎えた。同九時から就任式があり、職員を前にした房町長は「町長は当事者ではない。町民から預かった税金を、どう住民サービスに生かしていくかを考えなければならない」と語り、「そのためには職員一人ひとりの協力が必要。町民のためになるかを考えてほしい」と訓示した。 式の後、副町長不在について房町長は「副町長を含む職員の人事はまだ全くの白紙」としたが、「副町長は早い時期に決めなければならない」と語った。 |
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流刑された西郷隆盛の乗った船を係留したとして知られる龍郷町指定文化財「西郷松」にシロアリ被害が発見され関係者を困惑させている。推定樹齢二百五十年の西郷松は台風の影響などから近年樹勢の衰えが目立ち、五月に養生作戦を実施したばかり。管理する町教育委員会では急きょ六月議会の一般会計補正予算に駆除委託料を計上、樹勢回復に向け保護対策に乗り出した。西郷松は龍郷町久場の県道沿いの民家敷地内にある。高さ十八メートル、幹回りは三・九メートルになる大木で、一九七九年十二月に文化財指定された。 所有者の岩崎晴海さんらによると六月一日に周辺の草刈りをした際、枯れた根元や樹皮の裏に大量のシロアリがいるのを発見した。通報を受けた担当者らが翌日シロアリ業者に連絡、根の真下付近に巣があるらしいことを確認した。 養生作戦で薬を塗り込んだ枯れ枝の切断面にも被害の跡が見られ、根元から二、三メートルほどの高さまで入り込んでいるらしい。 岩崎さんは「長年西郷松を見ているが初めて。養生作戦が終わった矢先なのにどうしたものか」と困惑気味。町教委担当者は「昨年の水不足で木が弱ったことに加え、梅雨入りしてシロアリの動きが活発になったからでは」と推測する。 町教委は急きょ十九日開会の議会で文化財保護費二十四万二千円を追加し可決、二十五日に所有者からの修理届を受理して業者との日程調整に入った。来月初旬にも駆除作業を行う。 今年は西郷の生誕百八十年、没後百三十年の節目の年として各種イベントが企画されている。弱った松が県道側に倒伏した場合は二次災害も起こりかねない。町教委は「十年前の養生作戦でだいぶ回復してきており、今回の養生作戦でも早めに手を打ってきた。大切な文化財なので守っていきたい」として年度内にも学識経験者、関係業者、樹木医らでつくる検討委員会を立ち上げる考えだ。 |
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再チャレンジ支援功労者表彰が二十六日、総理官邸大ホールであった。鹿児島県内でただ一人表彰されたのは奄美市職員として多重債務などの相談業務を長年担当してきた禧久孝一さん(53)。禧久さんは「光栄すぎる。係のスタッフや市長、上司の理解があってできたこと。自分の功労ではなく奄美市に対する功労だと思う」と喜んでいる。政府はだれでも再チャレンジが可能な社会の実現を目指し、再チャレンジを総合的に推進している。社会全体で再チャレンジの機運を高める目的で今年二月二十三日付で支援功労者表彰要綱を決定した。 今回が一回目の表彰。禧久さんのような多重債務者の救済や障害者などの就労の積極的派遣、女性起業の支援などで功績のあった全国二十四の個人・団体が対象となり、安倍晋三内閣総理大臣から表彰状と記念品が贈られた。 禧久さんは、一九八〇年旧名瀬市役所入り。社会課を振り出しに財政、保健、紬観光などの部署を回って八九年から市民生活係。以来十八年間、消費生活相談業務を担当している。これまでの相談者は奄美市をはじめ、島外者を含む約六千人。 多重債務に関する相談が多いが、「すぐ弁護士や司法書士に紹介し、受任通知を債権者に発送するので取り立てがなくなる。数日以内で安心して生活できる」と禧久さん。三カ月から一年ぐらいで債務整理が終わり、生活が立て直される。 禧久さんは、「生活苦に陥って自殺未遂をした人が相談に来て生活を立て直していくのを見ると大事な業務と思うし、それが喜びでもある。日常業務として他部署と連携しているが、将来に向けては組織をつくっていくことも必要。多重債務は必ず解決できる。一人で悩まず思い切って相談に来てほしい」と話している。 |
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波打ち際に産卵したウミガメの卵を陸地側に移動させる保護活動が二十二日、喜界町志戸桶海岸であった。地区の老人クラブ会長で日本ウミガメ協議会会員の浜川孝久さん(68)の呼び掛けで志戸桶小児童や職員が参加。ていねいに卵を掘り出し、印を付けて安全な場所に移した。八月中旬ごろにはふ化すると見られ、児童たちは浜川さんらの話に興味深く耳を傾けていた。浜川会長によると、同海岸はほぼ毎年ウミガメが産卵のため上陸する有数の産卵場。二年前には六頭上がったが、昨年はなく、今年は二年ぶりの産卵。二十一日朝、散歩中の老人クラブ会員から産卵の連絡を受け、浜川会長が志戸桶小に連絡した。 同小から全児童六十五人が参加。一、二時間目を使って活動。海岸では老人クラブの会員が元の産卵場所から陸側に数十メートル離れた場所に穴を掘って準備。産み落とされた卵は全部で百十六個。児童らがピンポン玉大の卵の上部に印を付け、かごに納めた後、新しい場所に移した。 現場には日本ウミガメ協議会所属の研究員も来ていて、浜川さんとともに児童にウミガメの生態などを解説。児童らは興味深げに聞き入っていた。 浜川会長は「ふるさとの自然がなくなりつつあるが、志戸桶にはウミガメが産卵するほどきれいな砂浜があることを考えてほしい」と話す。 刈川孝子校長は「ウミガメの放流は見たことがあるが卵は初めて。児童たちも珍しそうにしていた。八月の放流を楽しみにしている」と話しながら浜川さんの協力に感謝していた。 |
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| 沖永良部さとうきび生産対策本部(本部長・橋口彰JAあまみ和泊事業本部専務理事)は二十七日、同本部内に「さとうきび干ばつ被害対策本部」を設置した。生産者に対して散水車やかんがい施設の利用によるかん水を呼び掛け、被害防止に取り組む。 沖永良部測候所によると、沖永良部島では六月二十日に一六・五ミリの降水量を観測して以来まとまった雨が降っていない。今年は五月に一四五・〇ミリ(平年値二〇五・四ミリ)、六月に三〇七・〇ミリ(同二六四・二ミリ)を観測し、ここ二カ月の降水量は平年値の96%となっている。 沖永良部島では今のところ目立った被害は見られないが、少雨が続くと春植えのほ場を中心に表土乾燥が進み、生育への影響が懸念されるという。このため早期対策を講じて被害を防ぎ、単収確保につなげようと六月中に対策本部を設置した。 具体的な取り組みはかんがい施設の利用などによるかん水奨励が中心。七月から防災無線を利用した広報に乗り出す一方、かんがい施設が未整備のほ場は要請に応じて和泊、知名各町の散水車を出動させる。同本部はかん水による生産利益を強調し、早期対策の徹底を呼び掛けている。 |
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鹿児島地方気象台は二十八日午前、「奄美地方は梅雨明けしたとみられる」と発表した。平年と同日で、昨年より六日遅い。奄美市名瀬では午前十一時四十五分、今年最高の三四・三度を記録。沖永良部や与論など各地で真夏日となった。奄美市の伊津部小学校では強い日差しの下、子供たちがプールで歓声を上げ、水しぶきの中をはしゃぎ回っていた。名瀬測候所によると、五月二十六日の入梅から六月二十七日までの各地の雨量は、名瀬三五〇ミリ(平年四三九ミリ)、沖永良部三二六・五ミリ(同二九六・一ミリ)、喜界二八七ミリ(同三〇五ミリ)、古仁屋三三〇ミリ(同三五四・六ミリ)、伊仙二五一ミリ(同三一一・一ミリ)、与論三二五ミリ(同二三八・三ミリ)。 |
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| 奄美市の奄美博物館(重久春光館長)は三月三十日付で文化財調査報告書「小湊フガネク遺跡群U」を発行、六月に入って一般向けの販売も始めた。二〇〇四年度の「T」に続くもので、今回は貝文化を中心に報告。出土した動物や魚の骨を分析した結果、夏季と冬季につくられた地点(遺跡)があることが判明した。遺跡の季節的形成を確認したのは今回が初めて。小湊フワガネク遺跡はヤコウガイや兼久式土器などが大量に出土しており、奄美の古代史を解明する重要な遺跡。博物館は国指定遺跡を目指して準備を進めている。 第二巻は、@ヤコウガイ貝殻の加熱実験A交易物・威信財としてのヤコウガイB小湊フワガネク遺跡群出土資料からみた動物資源の季節利用―などを収録した。加熱実験は出土遺物の調査指導を長年続けてきた池村茂さん(工芸作家)と高梨修さん(奄美博物館学芸員)が担当、「交易物―」は高梨さんの考察。 「動物資源の季節利用」は内外の注目を集めそう。研究、執筆は名島弥生さん(奄美市名瀬出身)。調査が行われた〇五―〇六年度は慶應大学大学院に在学中だったため、東京と奄美を往復しながらボランティアで調査研究に携わり、膨大な量の骨を分類、分析した。 その結果、捕獲した動物や魚の大きさや種類に差異があるに着目し、夏場と冬場、それぞれに形成された地点があることを突き止めた。南西諸島の遺跡で季節的な形成を確認したのは今回が初。「今後の発掘調査や分析作業に大きな影響を与えるだろう」(高梨さん)。 小湊フワガネク遺跡は奄美看護福祉専門学校の拡張工事に伴い発見され、一九九七年度に緊急調査が行われた。遺跡は七世紀前半のものに位置付けられ、兼久式土器約一万八千点、鉄器二十二点、ヤコウガイ製貝匙(かいさじ)百五点、魚類・獣類の骨などが大量に出土した。古代奄美でヤコウガイ交易が行われていたことを示す貴重な遺跡だ。 報告書は膨大な資料の分析に時間が掛かっため、〇四年度に第一巻、今回第二巻の発行となった。二巻は定価三千円(税込み)。奄美博物館で販売している。 |
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