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11月10日(土)付 

「タラソ奄美の竜宮」の利用者が10万人を突破
 奄美市名瀬の大浜海浜公園にある「タラソ奄美の竜宮」が九日、利用者十万人を突破した。昨年十二月のオープン以来、順調に推移している。健康づくりに励む市民、観光客で連日、にぎわっている。リピーターも多い。十万人目の利用者となった藤山静江さん(67)=奄美市名瀬浦上=は「タラソのおかげで健康になり、友達も増えた」と笑顔で話した。
 十万人に達したのは午前十時過ぎ。藤山さんは施設の巡回バスから降りてきたところ幸運に恵まれた。午後十二時半には朝山毅副市長らとともに記念のくす玉を割り、喜び合った。
 藤山さんがタラソテラピー(海洋療法)を始めたのは一月、モニター事業に応募したことがきっかけ。一昨年、股関節の手術をして以降、松葉杖の生活だったが、施設の教室に積極的に参加したところ、七月にはつえなしで歩けるようになった。友人も増えたという。藤山さんは「筋力がついたのでしょう。体調もいい」とうれしそう。
 朝山副市長は「多くの市民が健康増進のために利用していただき、ありがたく思う。口コミで利用者が広がり、観光、産業振興にも役立っている。今後も内外に広く宣伝したい」と話した。
 「タラソ奄美の竜宮」は昨年十二月十六日オープンした。温海水のプールゾーンやセラピーゾーンのほか、レストランやカウンセリングルームなどを備えたセンターゾーンで構成。
 施設の会員は七百四十人。年間会員になれば一カ月五千円で利用し放題。一般は一回当たり千円で利用できる。
本場奄美大島紬産地まつり開く
 第二十五回本場奄美大島紬産地まつり(同まつり実行委員会主催)が九日、奄美市名瀬の紬会館で始まった。製造技術を競う地球印競技会の入賞者の作品が展示されているほか、反物や小物類の展示即売を行うつむぎ市や新素材見本市も開かれている。展示は十一日まで。
 新素材見本市は昨年から行われている。芭蕉布の反物のほか、竹や樹皮の繊維で作った糸、ユウナで染めた糸などが展示されている。つむぎ市には約二百点の反物や、ネクタイなどの小物類を展示即売している。
 九日は「紬美人コンテスト」もあり、応募した七人の中から三人の紬美人を決定した。

11月11日(日)付 

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「Comeモーレ市場」にぎわう

 奄美市名瀬の中心商店街にある永田橋市場と末広市場を活用したイベント「Comeモーレ市場」(奄美大島観光物産協会、奄美市共催)が十日、両市場で開かれた。市場の既存商店や食品加工・販売グループなどが特産品販売を行ったほか、島料理の試食コーナーやレシピ配布、島唄などの芸能ステージ、昭和の名瀬街写真展などさまざまな催しが行われた。両市場には多くの買い物客が訪れ、昔日の賑わいを取り戻した。
 中心商店街への来客減少で空き店舗が増え、地元の人と触れ合うことのできる市場が失われつつあることから、懐かしい昭和の薫りを残す両市場の活性化と特産品などのPR販売を行い、その情報を島内外に発信するのが目的。
 午前十一時ごろからイベント開催を知った多くの市民が次々に訪れた。乾物や総菜などのにおいが漂い、そこかしこで顔見知り同士の会話が始まる市場特有の親密な雰囲気の中で、買い物客は売り手との会話も楽しみながら地場産のさまざまな食材や加工食品などを買い求めた。
 長寿食材を活用した健康なまちづくりグループによる長寿料理の展示および試食(二品)が行われたほか、浜川昇さんや西和美さんなど唄者によるライブや特産品が当たる抽選会などもあった。
 市場に足を運ぶのは四、五年ぶりという四十代の主婦は「島のおいしそうな食材がいろいろと並んでいて目移りした。楽しかった」と満足した様子。末広市場で乾物などを商っている芳静雄さん(72)は「これを契機にまた多くの人が市場を利用するようになってもらえたら」と話していた。

奄美カントリークラブ選手権大会で平井皇太が優勝

 第21回奄美カントリークラブ(奄美CC)選手権大会決勝は10日、奄美市名瀬の同クラブであり、クラブ選手権(4ラウンド)は平井皇太(24)=奄美市名瀬浦上町=がコース記録を8年ぶりに塗り替える68をたたき出し、トータルでも290(70、77、68、75)と、同選手権で初めて300を切る好記録で圧倒した。接戦だったシニア選手権(3ラウンド)は、予選3位の吉田島雄が5打差を逆転して制した。
 大会は奄美CC二大大会の一つ。予選は7日あり、約40人が参加した。クラブ選手権で20人、シニア選手権で6人が決勝に進出。平井は予選1ラウンド目でコース記録を塗り替える70を出し、計147で首位通過。決勝第1ラウンドでは68(32、36)と奄美CC公式戦で初めて70台を割った。最終ラウンドでは無念のOBがたたり目標としたパープレー(288)には一歩届かなかった。
 表彰式で優勝カップを手にした平井は「クラブ関係者、プレーした周囲の選手のお陰で記録が出せた」と感謝した。「数字を見る限りでは調子は悪くないが、ショットが乱れることがあり、フェアウエーキープを心掛けたい」と語り、「コースレコードは素直にうれしい」と笑みをこぼした。
 ▽クラブ選手権 (1)平井皇太290(2)徳田正一309(3)泉原克美315
 ▽シニア選手権 (1)吉田島雄253(2)伊東康正254(3)泰江章夫264

「ケンムン」ファンらが「やちゃ坊岩屋」を訪ねる

 奄美大島の代表的な妖怪・ケンムンを愛する人たちの集まり「ケンムン村」の村民らは十日、奄美市住用町の山中にあるやちゃ坊岩屋を訪ねた。大自然に触れながら島唄や新民謡に歌われる伝説の野人に思いをはせていた。
 「やちゃ坊ちばやちゃ坊 しまぬ無んやちゃ坊」(やちゃ坊といえばやちゃ坊 故郷の無いやちゃ坊)と歌われるやちゃ坊は、奄美大島ではよく知られた伝説の人物。住む家を持たず生涯を山中で暮らした。各地にやちゃ坊がいたという洞くつなどがある。
 ケンムン村のメンバーらは「ケンムンとやちゃ坊の接点をみよう」と、川内集落から約四キロ上った山中にある岩屋を訪ねた。奄美市や瀬戸内町から約三十人が参加し、地元のメンバーの案内でフナンギョの滝や川内川沿いの植物観察をしながら岩屋に向かった。
 岩屋は大和村との境界の渓流沿いにあり、巨石が重なり合って人間が居住できる空間をつくっており、神秘的な雰囲気を漂わせている。ほとんどの参加者が岩屋を見るのは初めて。伝説の場所に立ち、山中を自由に駆け回ったやちゃ坊の姿をイメージしていた。
 岩屋に向かって同町在住の唄者・茂木幸生さんが「住用は川内ぬ 岩屋育ち」とやちゃ坊節を披露し、参加者らは「ケンムンの歌」(甲東哲作詞、城利文作曲)を歌った。また、山下弘さんが植物について解説した。
 楠田豊春さん(85)=奄美市名瀬=は「やちゃ坊岩屋を見たのは初めて。やちゃ坊はケンムンの化身。やちゃ坊は人間だが、その行動は妖怪的。樹海の中にやちゃ坊やケンムンなどがいるというロマンを感じる」と話した。

奄美太鼓祭開く

 奄美太鼓祭(同実行委員会主催)が十日、奄美市名瀬の奄美文化センターであった。テーマは「オトユライ」。出演者十二団体、約百五十人、ゲスト二組によるバラエティーに富んだ音が響き渡り、会場に詰め掛けた多くの観客を魅了した。
 奄美群島の太鼓が集結し、うるまエイサー(奄美大島、喜界)、奄美道の島太鼓(笠利)によるステージで幕開け。続いて西浩信実行委員長が「太鼓祭は喜界島に始まり、今回初めて名瀬で開催することができた。いろんな催しをきょうは楽しんでほしい」とあいさつした。
 子供ホノホシ太鼓(瀬戸内町)、子供エイサー(喜界、戸円)の子供たちは力強い太鼓演奏を披露し、会場からは温かい拍手が送られた。舞台では和太鼓、島太鼓ほか、アフリカン太鼓なども登場。華やかな衣装に身を包んだ出演者たちが迫力のステージを展開した。
 ゲストでは若手唄者の山下聖子さん、松元良作さん、山本俊治さんが登場。ボイスパーカッション、島唄で会場を盛り上げた。

11月12日(月)付 

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休刊日


11月13日(火)付 

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宇検村が村制施行90周年式典開く

 宇検村の村制施行九十周年式典と、生涯学習推進大会・文化祭が十一日、湯湾の元気の出る館であった。映像や式典で九十年の歩みを振り返るとともに、村勢発展へ決意を新たにした。参加した人々はスローガンに掲げた「結いの心で、みんなで村興し」を改めて申し合わせた。
 オープニングは「映像で見る九十年のあゆみ」。昭和初期のブラジルへの移住の様子や皇室の来村、ダイヤル式電話の開通式、村道開通を祝う様子など懐かしい出来事を振り返った後、現在の村の様子、地域を担う人々を紹介した。
 懐かしい雰囲気に浸った後式典に移行した。國馬和範村長は「平成の大合併で全国的に合併が進んだが、本村は当面、単独自立を目指すことになった。九十周年を節目として、さらに村民との協働を進め、魅力的で躍動感に満ちた村づくりを目指す」と式辞を述べた。
 来賓祝辞は五人。中野実支庁長は「宇検村は優れた資源、素材を生かした丸ごとオーナー制度など時代の要請に応える施策を展開している」と高く評価し、県の後押しを約束した。徳田毅衆議院議員、保岡芳枝氏(保岡興治・衆議院議員夫人)も村勢発展に期待した。
 田検中学校生徒による村民憲章の朗読、村の発展に尽くした人々の表彰に続いて生涯学習大会・文化祭があった。分科会では村史資料編第二集のお披露目を兼ねた講演が行われ、舞台では大正琴の演奏会と多彩。茨城県高荻市の青年市長・草間吉男氏は「ひとりぼっちの私が市長になった」と題して記念講演した。

「紬美人」3人へ認定書授与

 2008「紬美人コンテスト」で紬美人に選ばれた三人への認定書授与式が十一日、奄美市名瀬の紬会館であり、武田さおりさん(23)=奄美市名瀬、会社員=、澤部美沙樹さん(29)=龍郷町、家事手伝い=、青井利枝子さん(24)=奄美市名瀬、家事手伝い=に認定書が贈られた。
 本場奄美大島紬産地まつりの一環で行われた各種表彰式の最後に三人が紹介され、認定書が授与された。コンテストは九日に同会館であり、本場奄美大島紬協同組合の理事など業界関係者が面接などの審査を行い、三人を選んだ。
 今後一年間、大島紬の販売促進イベントなどで大島紬をアピールすることになる三人は「少しでも多くの人に紬の良さを知ってもらえるよう頑張りたい」などと抱負を語った。

地声で競う喜界町島唄大会開く

 第一回喜界町島唄大会(町教育委員会主催)が十一日、町中央公民館であり、二部門四クラスに十九人が出場し、地声でのどを競った結果、川畑さおりさんらが最優秀賞に輝いた。
 先人が日常生活の中で歌ってきた島唄を後世に歌い継いでいこうと、初めて開催した。大会の特徴はマイクを使わず、地声で歌うこと。「島唄の原点である歌掛けに最も近い形で行ったが、出場者、聴衆とも好評だった」(町教委)
 大会出場経験者、同未経験者の二部門四クラスに小学生一年生から二十歳代まで十九人が自由曲で競った。各クラス別に最優秀、優秀、奨励賞を決めた。審査対象外の壮年、高年の部には四組が出場し、鍛えられたのどを披露した。
 最優秀賞は次の通り。(敬称略)
 【大会未経験者】柳美羽(小学生低学年)秋田京香(同高学年)
 【同経験者】川畑奈々(少年)川畑さおり(高校生・青年)

12回目の島尾忌行う

 奄美を拠点に数多くの作品を残し、一九八六年に他界した作家・島尾敏雄氏の命日に当たる十二日、奄美市名瀬の県立図書館奄美分館敷地内の文学碑前で「島尾敏雄生誕九十年記念・第二十二回島尾忌」(島尾敏雄顕彰会主催)が行われた。顕彰会会員ら約六十人が参列。島尾氏と今年三月に亡くなったミホ夫人の遺徳をしのぶとともに、その功績を後世に伝えることを誓い合った。
 主催者を代表して元野景一会長が「ミホさんが亡くなって初めて迎える島尾忌。これからも島尾敏雄の文学を継承していくのがわれわれの大きな仕事である。この思いを新たに島尾忌を今後もやっていけたら」と語った。続いて参列者全員で黙とうをささげ、元野会長、島尾氏の長男・島尾伸三特別顧問が献花した。
 来賓あいさつでは同館の有馬秀人分館長が〇九年開館予定の県立奄美図書館一階に「島尾記念室」を設けることを報告。「現在、資料収集などに努力している。今後の最大の使命として取り組んでいきたい」と述べた。 坪山豊さんは「ささげる唄」として「いきょーれ節」を文学碑前で歌い上げた。
 最後は島尾特別顧問が幼少期の島尾氏との思い出を語ったほか、「これからもご指導お願いします」などと述べ、参列者へ謝意を伝えた。
 終了後は奄美市名瀬のホテルへ会場を移し、「島尾敏雄先生・島尾ミホさんを忍ぶ会」を開き、島尾氏の業績や文学論などについて語り合った。

11月14日(水)付 

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喜界島で全国地下水サミット開く

 第四回全国地下水サミット喜界島大会(同実行委員会主催)が十三日、喜界町コミュニティーセンターで開幕した。初日は開会行事の後、鹿児島大学の籾井和朗教授の基調講演や沖縄県宮古島市など五自治体の首長らによるサミットがあり、地下水保全に関する総合的な法制度整備を求める意見が相次いだ。最終日の十四日は地下ダムなど視察する。
 「さんご礁の島の水と命」をテーマに開催、島内外から約二百人が参加した。地元の加藤啓雄町長が「地下ダムの完成でサトウキビや畜産、花きなどの生産が安定、農業立島としての可能性が広がった。近年、環境に対する関心が高まっており、水資源の確保、保全の大切さを全国に発信したい」とあいさつした。
 籾井教授は「生命を育む水資源と水環境―新たな淡水資源を求めて」のテーマで講演した。同教授は一トンの穀物を作るには千トンの水が必要とし、「日本は農産物の輸入を通じ他国の水資源を間接的に消費している。水は地球規模の問題で一人ひとりの身近な問題」と指摘した。
 砂漠化の問題や海外での農業プロジェクトの成果など紹介し(1)循環する水の重要性(2)対象地域で貴重な水資源を開発、適切に保全する(3)水資源を共通の財産として維持、管理する(4)次世代に良好な状態で継承する―などの大切さを語った。
 首長サミットは、水土里ネット鹿児島の井尻吉門相談役をコーディネーターに地下ダムのある沖縄県宮古島市の伊志嶺亮市長、愛知県犬山市の田中志典市長、岐阜県御嵩町の渡辺公夫町長、千葉県市川市の加藤正環境清掃部長、それに加藤町長がパネリストとして登壇した。
 五人の首長らが地下水を含む水資源の問題や取り組みについて「水資源をしっかり守ることが私の使命。環境が一番大事」(宮古島市)、「災害時の飲料水確保が課題。地下水は個人のものという考え方がネックになっている」(市川市)、「過疎化で山や農地が放置され、洪水調整としての機能が失われている」(御嵩町)などと報告した。
 パネリストが口をそろえるのは地下水に関する国の法整備の必要性。伊志嶺市長は「自治体の条例だけでは水資源は守れない。国に基本法整備を働きかける組織が必要」(宮古島市)、「目に見えない所の法整備を今やらなければ手遅れになる」(犬山市)などの意見が相次いだ。
 最後に加藤町長が地下水問題は自治体ごとの対応に限界があるとして、「地下水保全に関する多様な地域的条件、社会的条件などに対応できる公共的管理のための総合的な法制度・事業制度の整備」など四項目のサミット宣言を読み上げた。

奄美大島でアマミノクロウサギ10匹の死骸見つかる

 奄美大島の林道住用中央東線で十二日朝、国の天然記念物のアマミノクロウサギ十一匹の死骸(しがい)が見つかった。関係者によると、二匹は白骨化、一匹は半白骨化していたが、八匹は腐敗がさほど進んでいない状態で、一匹を除き、見た目は外傷がない状態のものが多かったらしい。死骸は数キロの林道上におよそ二百―五百メートル間隔で点在していたらしい。死因究明のため十三日、奄美野生生物保護センターで解剖作業に入った。
 関係者の話によると、林道沿いの草木を伐採している作業員が十二日午前八時半ごろ、一匹目のアマミノクロウサギの死骸を発見。その後、数百メートル間隔で死骸が点在していることから奄美市住用総合支所に連絡し、住用総合支所から奄美博物館へ報告、同館職員らが現場確認を行った。
 発見地域は奄美市住用地区と瀬戸内町嘉徳地区にまたがる地域だったことから、両市町の教育委員会が死骸回収作業に動いた。住用地区側で七匹、瀬戸内町側で四匹回収した。住用地区で白骨化したものが一匹、瀬戸内町で白骨化と半白骨化を各一匹ずつ回収。白骨化していないクロウサギは成獣とみられ、死後硬直が進んでいないとみられる成獣もいたという。
 道路幅員五メートルほどの林道は、ススキなど草木が両側から道路を覆い、道幅が狭まっている。白骨化した二匹のクロウサギは道路わきで見つけ、腐敗がさほど進んでいない八匹は道路中央部や道路上で発見された。伐採作業員は「最初は驚き、何匹も見つかったときには薄気味悪くなった」と話した。伐採作業員が九日午後四時ごろに現場を通ったときには死骸は見なかったという。九日午後四時以降から十二日朝の間に異変が起こったとみられる。
 林道上にはクロウサギのふんがあちこちにあった。旧住用村が設置した立て看板には「スピード落とし、安全運転。カーブは徐行、出合いがしらに注意」などと書かれている。
 クロウサギに詳しい専門家は「腐敗が進んでいないクロウサギが近い区域で一度に多数発見されるのは珍しい」と話す。

名瀬出身の刀匠・久保善博さんがお守り刀展覧会で最高位受賞

 奄美市名瀬出身の刀匠・久保善博さん(42)=広島県庄原市=が作った短刀が、十四日開幕の全国公募の第二回「お守り刀展覧会=外装付短刀展覧会」(全日本刀匠会主催)で最高位となる第一席の岡山県知事賞を受賞した。久保さんは今春の新作名刀展=(財)日本美術刀剣保存協会主催=でも最高位に輝いており、国内の主要刀剣展で春秋連覇したことになる。
 お守り刀は結婚式や出生祝いに、親が子の幸せを願って贈る短刀。久保さんの受賞作は庄原市の鞘師永宗清三さん(75)らとの共同作品で、総合の部を制した。他に出品した作品も外装の部で第八席の西日本新聞社賞に選ばれ、同展では唯一のダブル受賞者ともなった。
 第一席受賞作について久保さんは「手本にしたのは鎌倉時代の山城伝のまっすぐな刃文の直刃(すぐは)の短刀。全体に品のある短刀に仕上がった。姿はもう少し研究の余地があると感じている」と自己評価。
 今後の作品づくりについて「刀は地鉄(ちがね)であるといわれる。地鉄の研究をさらに進めて古名刀に負けない地鉄を作り出したい。地味な直刃から華やかな作品まで作域を広げていきたい」と話した。
 展覧会は来年一月十四日まで岡山県瀬戸内市である。

11月15日(木)付 

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アマミノクロウサギ大量死の原因は犬による咬傷
 十二日朝、奄美市住用町市集落と瀬戸内町嘉徳集落を結ぶ林道住用中央東線で見つかったアマミノクロウサギ十一匹の死骸(しがい)に関し、死因特定のため解剖を進めてきた環境省の奄美野生生物保護センターは十四日、解剖結果を発表した。死因について「白骨化していない八個体の内臓には大きな損傷などがなく、頸部(けいぶ)や腹部等に犬歯によるものと考えられる深い咬傷が確認された。犬による咬傷が原因で死亡した可能性が高い」と推定している。
 クロウサギは奄美市側で七匹、瀬戸内町側で四匹が発見された。十一匹のうち、八匹は腐敗が進んでおらず、死んでからさほど日数が経過していない状態で、二匹は白骨化、一匹は半白骨化(ミイラ状態)していた。白骨化していない八匹を十三日から十四日にかけて解剖した。
 解剖結果によると、八匹はすべて成獣で、雄六匹、雌一匹、下腹部が欠損した一匹は性別不明。体重は一・五三キロ―二・七七キロ。犬の咬傷とみられる傷は一カ所だけのものもあれば、数カ所あるものもあった。咬傷個所はのど、首の後ろ、腹部など。
 十四日、同センターの鑪雅哉自然保護官は、犬の咬傷が死因と推定したことに関して「犬歯は太く長いため傷が深くなり、捕食の可能性があるマングースや野ネコの咬傷とは異なる。犬は殺したいとの衝動にかられるときがあるとの説がある。八匹の内臓や筋肉の損傷状態は、過去の犬の咬傷事例と比較してさほどひどくなく、今回の場合は犬は食べたくてかみ殺したとは考えにくい」と述べ、かみ殺すことが目的ではないかとの見解を示した。
 かまれた時刻は「死骸の状況から見て十一日夜から十二日早朝の可能性が高い」とした。
 現地の林道上には、クロウサギのふんがあちこちでみられ、生息密度が高い地域の一つとして知られている。鑪自然保護官は「貴重なクロウサギが一地域で多数被害に遭ったことは残念。今後犬の情報を収集したい。クロウサギがいる地域に犬が出没すれば、今回と同様の惨事が起こり得る。犬を捨てたり、放し飼いしたりしないでほしい」と指摘した。
 四月以降、同センターに持ち込まれたクロウサギの死骸や死骸発見情報は今回を除き十七件。犬による捕食や交通事故などが原因とみている。
奄美大島の「野ヤギ特区」化を内閣府に提案
 奄美大島の五市町村は十四日までに、内閣府構造改革特区推進室に対し、「奄美自然保護と食文化継承特区」の創設を共同提案した。野生化しているヤギの効率的な駆除と食肉としての活用を図るため、関連法規制の一部を除外してもらい、奄美大島を「野ヤギ特区」にしようという構想だ。五市町村調査によると、今年四月現在の野ヤギ生息数は推計二千三百十頭。食害に伴う灯台周辺地の土砂崩れがあり、生態系への悪影響なども指摘されているが、現行法では食肉活用するには生体捕獲が基本となっているため、駆除と活用の両面から法規制の緩和を求めるべきだとの判断が働いた。
 野ヤギ駆除をめぐっては、昨年十二月、地元の二つの環境保護団体が関係市町村や県に対し、生態系保全という観点から徹底駆除を申し入れていた。
 提案者代表窓口の奄美市によると、特区創設は市職員の発案。今年二―三月、野ヤギの食害が原因とみられる土砂崩れで施設の一部が崩落した大島南部の曽津高崎灯台周辺での駆除作戦の実情を受けて、「猟銃で駆除し、食材として活用する道はないか」との提案が上がってきた。
 同灯台周辺での駆除作戦は地元猟友会を中心に行われたが、捕獲には網を使い、銃は網に追い込む威嚇手段にとどめた。これは、「化製場法」で、死んだヤギは埋設しなければならず、埋設場所の確保が課題となったのが主因。がけに生息するヤギを生きたまま捕獲するには危険を伴い、作業も難航した。
 提案で対象とする法律は@鳥獣保護法A化製場法Bと畜場法。具体的には「野ヤギも狩猟期間を設けて、狩猟鳥獣の対象とできる」「捕殺した場合でも食用として活用できる」といった特例の適用につなげたい考えだ。
 同市の担当職員は期待される効果として「環境保全」「銃による効率的で安全な駆除」「狩猟鳥獣となれば、被害届がなくても駆除が可能になる」「野ヤギの有効活用による伝統食文化の継承」などを挙げている。
 提案に対する内閣府の採否回答は来年二月ごろの見通し。五市町村は現在、ヤギの野生化防止や家畜ヤギと野ヤギを区別するための適正飼育管理条例の制定に向けた作業も並行して進めている。来年度の政府予算編成に向けて、県は奄美群島振興開発事業予算への駆除事業費計上を要求している。
龍郷町がセイタカアワダチソウを駆除
 龍郷町は十三日、在来の生態系への影響が懸念される外来種「セイタカアワダチソウ」の駆除作業を町内四カ所で行った。農地などへの拡散を未然に防ごうと今年は二トントラック一台分を除去。今後は町民にも呼び掛けて啓発に努めていく考え。
 キク科の多年草で北アメリカ原産の帰化植物。根から周囲の植物の成長を抑制する化学物質を分泌するほか、種子と根で繁殖するため農業の大きな阻害要因にもなる。
 駆除作業は昨年に続き二回目。九月に調査を行った結果、中勝川の河川敷、奄美自然観察の森へ向かう町道本茶―安木屋場線、嘉渡の県道名瀬―龍郷線沿い、戸口の信号のある三差路の四カ所に群生しているのを確認した。
 産業振興課が主体となって各課職員約四十人が参加、奄美市役所からも五人が応援に駆け付けた。かまなどを使わず根こそぎ抜き取る人海戦術で、生い茂った植物群からセイタカアワダチソウを一本ずつより分けて丁寧に駆除した。
 竹田泰典課長は「どれだけ効果があるか分からないが見た目では昨年より少なくなっているようだ。今後は区長会で呼び掛けるなどして関心を高めていきたい」と話した。

11月16日(金)付 

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アマミノクロウサギ保護のため野犬の捕獲オリを設置

 十二日に奄美大島の林道住用中央東線でアマミノクロウサギの大量死が確認され、解剖の結果、犬の咬傷が死因と判明した問題で、名瀬保健所は十四日と十五日、被害拡大防止対策として現場の林道沿いに小型の野犬捕獲おり四基を設置した。一日一回以上見回り、捕獲おりや現場状況を把握し、えさの取り替え作業を行う。併せて犬の適正飼育と管理を呼び掛ける啓発文書を管内の六市町村、七猟友会代表あてに発送した。
 奄美市住用総合支所教育委員会職員によると、十二日午後にクロウサギ被害区域内で中型犬二匹を目撃した。体色は二匹とも茶色。被害確認を終えた後、車で帰る途中に目撃したため、その後にどこへ行ったかは分からず、十五日午後四時現在、二匹の犬の目撃情報は入っていない。住用総合支所から犬の目撃情報が名瀬保健所に入り、死因が犬による咬傷と分かったことから捕獲おりの設置を計画した。
 同保健所によると、おりの大きさは高さ六十センチ、幅三十センチ、奥行き一メートル。おりの奥にえさのサラミを置き、誘引のため内外にドッグフードなどを散りばめた。野犬がおりに入ってサラミを引っ張ると、扉が下りて野犬を閉じ込める仕組み。車の往来に支障がないように駐車スペースがある四カ所に設置した。設置期間は「当分の間」としているが、同保健所は「一週間程度捕獲おりの状況を見て、その後の対応を検討していきたい」としている。

中部奄美会が故郷総会

 中京圏の奄美出身者らで組織する中部奄美会(寺師一蔵会長)のツアー一行約百四十人が十五日、奄美大島入りした。自然、文化を満喫する観光や地元との親ぼく会を予定し、初日は初めて地元奄美で総会を開いた。寺師会長(大和村出身)は「出身者以外の会員には奄美の自然を満喫してほしい。初めて故郷総会ができたことを感謝したい」と話していた。
 初日は奄美市笠利町を巡り、同市名瀬のホテルで総会、懇親会を開いた。寺師会長は「奄美会ゴルフ大会が主だったが、せっかくだからとツアー参加を募ったら人気を呼んだ」といきさつを説明。「東京奄美会は百十年、関西は九十年と歴史があるが、中部奄美会はまだ小学生。今後も中部と奄美の懸け橋として頑張りたい」と決意を新たにした。
 愛知県議会の直江弘文議員(伊仙町出身)は「奄美は自然、人情、長寿の島で、健康・癒やし志向の時代に格好の土地。愛知でB帰化の会Cをつくり、奄美ファンを獲得したい」と語った。
 ツアーは十八日まで。十七日は同市の奄美カントリークラブで親ぼくチャリティー「全国奄美ゴルフ大会」を開き、二百人超が参加する。
中部奄美会は設立八年目。奄美出身者に加え、出身者以外も会員に巻き込んでいる。二〇〇五年七月には愛知県であった「愛・地球博」を記念し、奄美フェスティバル・イン・愛知を開催し、奄美の文化発信に大きく貢献している。今回のツアーには九十人の出身者以外の会員が参加している。
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