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3月29日(土)付 

どうなるガソリン税―奄美でも戸惑い
 揮発油税(ガソリン税)の暫定税率論議が迷走を続ける中、奄美のガソリンスタンドは対応に苦慮している。四月に税率が期限切れになっても在庫分は従前の税率で仕入れている。すぐには値下げできないはずだが、競合店の動向、値下げを期待する消費者の声をにらみつつの対応になりそう。暫定税率は市町村の道路整備にも使われており、自治体も国会の論議をやきもきしながら見ている。
 ガソリンにかかる暫定税は一リットル当たり約二十五円。軽油は十七円。県石油販売業協同組合大島支部によると、奄美大島のガソリンは一リットル当たり百七十五―百八十五円。税率の期限が切れると、百五十―百六十円になる。二十五円の違いは消費者にとって大きく、各スタンドには「いつから値下げになるのか」との問い合わせが相次ぎ、買い控えもみられるという。
 ガソリン税は、“蔵出し税”といわれ、元売りが出荷した時点で税率が加算されるため、期限切れ以後に仕入れた分でなければ値下げできないことになる。軽油の場合は“引き取り税”のため、すぐに値下げできそうだが、タンクを持たない小売店は、島内の卸業者から税のかかった商品を購入しなければならない。
 奄美市内の小売店は「消費者の中にはすぐに値下げすると思っている人もいる。他店の動向もみながらということになるが、暫定税分を負担した場合、一万リットルで二十五万円。軽油の分を負担する小売店になると、四十二万円もの赤字になる」と苦しい胸の内を明かす。税率変更に伴う事務処理は「徹夜になるかもしれない」そうだ。
 徳之島や与論の小売店はガソリン価格について明言を避けたが、沖永良部の小売業者は仕方がないといった表情で「ガソリンの高騰で代金を払えない事業者も出てきている。消費者のことを考えれば、赤字でも値下げをしなくてはいけないだろう」。
 自治体への影響も懸念される。奄美市は暫定税率が廃止された場合、浦上―屋万田線、市―山間線など地方道路整備事業が軒並みできなくなる。末広・港土地区画整理事業にも暫定税率加算分が使われている。市財政課は「一億四千万円の影響があり、事業ベースで考えると、十億円以上になるだろう。市民生活、経済への影響は深刻」と試算する。
 消費者は値下げに期待しつつも、国会の論議にうんざりしたよう。奄美市名瀬の会社員、押川弘正さん(48)は「ここまで来たら一度は安いガソリンを入れたいと思うが、暫定税率が政争の具にされ、国民不在の論議が続いている。怒りでいっぱい」と話した。
かごしまの伝統野菜にハンダマなど14品目選定
 県は二十八日、「かごしまの伝統野菜」として桜島だいこんや奄美で栽培されているハンダマなど十四品目を選定した。地域の食文化を支えてきた伝統的な野菜を掘り起こし、地産地消推進や農業振興につなげるのが狙い。初回は生産者から二十七品目の申請があり、学識経験者や市場関係者らで構成する伝統野菜研究会の意見を参考に選定した。県は今後も伝統野菜を募集し、選定された野菜については、由来や特徴、調理法などをホームページでも紹介する。
 かごしまの伝統野菜には「県内でおおむね一九四五年以前から栽培され、鹿児島の人や風土とかかわりが強く、郷土の食文化を支えてきた野菜」などの定義がある。県畜産園芸課は、将来は関係機関、団体などと連携し伝統野菜の栽培技術普及や消費拡大を進め、地域農業を活性化させたいとしている。
 今回選定された伝統野菜は(1)桜島だいこん(2)国分だいこん(3)横川だいこん(4)開聞岳だいこん(5)吉野にんじん(6)トイモガラ=ハスイモの葉柄(7)ミガシキ=ズイキ(8)トカラ田いも(9)さつま大長レイシ(10)伊敷長なす(11)白なす(12)はやとうり(13)養母=やぼ=すいか(14)ハンダマ。
 このうち熱帯アジア原産のハンダマは、奄美群島やトカラ列島で古くから自給野菜として家庭で栽培され、鉄分が不足しやすい産後の食事に欠かせない食材として利用されてきた。

3月30日(日)付 

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クロウサギ 輪禍か

 国指定特別天然記念物アマミノクロウサギの死体が二十八日、天城町当部の林道で見つかった。地元の獣医師によると、雌の成獣で、車による輪禍の可能性が高いとしている。
 発見された場所は、日ごろからクロウサギが多いとされる「南部ダム」近くの林道。当部集落の男性らが見つけ、同町教委らに届けた。死後二日ほど経過しており、体長は約五〇センチ、体重は約三・五キロ。乳房が発達していたため子育て中とみられている。
 診断した南大島農業共済組合の獣医師木村健一さん(40)によると、腹部に小さな傷が見られたものの、犬にかまれたと言うよりも死後にカラスなどにつつかれたような感じ。断定はできないが交通事故死の可能性が高いとしている。
 木村さんは「犬の放し飼いも多いが、野犬化して群れをなしているという情報は聞いていない。当部付近ではクロウサギの発見情報も多い。開けたところを好む性質もあり、移動中に被害に遭ったのでは」などと話した。

奄美の港、空港で別れの風景

 ○…「ありがとう。いつまでもお元気で」―。異動シーズンを迎えた奄美各地の海や空の玄関口は転勤や就職、進学で奄美を離れる人と見送る人であふれ、別れを惜しむ光景が繰り広げられている。
 ○…学校の離任式があった二十八日夜、奄美市名瀬の名瀬新港は転出する恩師や同僚、友人を送る人々が岸壁を埋め尽くした。船が入港するころ、待合室では学校など職場単位で集まり、横断幕やのぼりを上げて転任者を囲む姿が見られた。花束の贈呈や校歌斉唱に涙を浮かべるシーンもあった。
 ○…船が接岸した後、ライトに照らされた七色テープがたなびき、去る人、送る人をつないだ。「頑張って」「奄美を忘れないで」「また帰ってきて」などの大きな声が港に響いた。
 ○…午後十時五十五分ごろ、ボーディングブリッジが外され、いよいよ別れの時。船が少しずつ離れ、テープが夜空に舞った。「さようなら」「ありがとう」の声が響き渡る中、送る人々は船が遠く離れるまで手を振り続けていた。

3月31日(月)付 

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徳之島町で自衛隊ヘリ事故一周忌慰霊祭

 昨年三月三十日夜、救急搬送のため那覇空港を出発した陸上自衛隊のヘリコプターが天城岳山頂に激突し、徳之島町亀津出身の建村善知機長ら乗員四人全員が亡くなくなった事故の一周忌慰霊祭が三十日、事故現場の麓にある徳之島町山公民館近くの広場であった。遺族や自衛隊関係者ら約二百人が参列。離島の救急医療に尽力し殉職した四人の冥福を祈った。
 殉職したのは陸上自衛隊第一混成団(那覇市)に属する建村善知一等陸佐、副操縦士の坂口孝一二佐、整備員の岩永浩一曹長、整備員の藤永真司曹長。四人は、鹿児島県から急患搬送の要請を受け、輸送ヘリで那覇から徳之島へ急行。途中、視界不良で針路変更した直後に天城岳山頂に激突した。同飛行隊は、奄美大島から沖縄・与那国島までの離島の救急搬送を担当、これまで数千回のフライトを行っている。事故は空輸に頼らざるを得ない離島の急患搬送の重要性とともに、そこに潜む危険性をも浮き彫りにした。
 一周忌慰霊祭では国歌や黙とうに続き、同町役場総務課の久保鳴美さんが鎮魂歌を朗読、陸上自衛隊第八音楽隊の演奏により、鎮魂歌(寶田辰巳作詞=同町教育委員、幸多優作曲=徳之島高校教諭)と「千の風になって」(日本語訳詞・作曲、新井満)を徳之島高校音楽部部員らが合唱した。
 慰霊祭実行委員長の高岡秀規徳之島町長、陸上自衛隊第一混成団団長の武内誠一陸将補が慰霊の詞を述べ、同町山中学二年の竹原由美さんが自衛隊緊急搬送活動について感想文を朗読し、四人のみ霊に捧げた。
 参列者全員が献花した後、遺族を代表して建村美代子さんが「たくさんの方々に励まされた。事故現場に町民のみなさんが植えて頂いた桜に感動した。遺族は彼らが自らの職務に人生をかけたことを誇りに持ち生きていきたい」などと声を詰まらせながら謝辞を述べた。

中孝介、コンサートツアー最終を奄美市で

 奄美市名瀬出身のアーティスト中孝介さん(27)の全国ツアーファイナルを飾るスペシャルコンサート「ゆえゆらい」が三十日、同市名瀬の奄美文化センターであった。自身の原点となる会場で念願のがい旋公演を実現し、「これからも島を拠点に歌の種をまき続けていきたい」とヒット曲「花」など十八曲を熱唱。癒やしの歌声と哀愁を帯びた独特の節回しが観客の胸に迫った。
 ツアーは十七カ所十八公演。奄美会場は同センター開館二十周年を記念して行われ、地元や全国から幅広い世代のファン約千五百人であふれ返った。
 中さんはデビュー曲「それぞれに」やツアータイトルにもなった「種をまく日々」を次々と熱唱した。「家路」では「心の底から落ち着ける奄美、いつも変わらず迎えてくれる人たちや自然。皆さんも心休まる場所や人を思い起こしながら聴いて」と熱い思いを語り、また、四月九日発売の新曲「春」も披露。ホールを包み込む優しく切ない歌声に涙をぬぐうファンの姿も見られた。
 熱烈な二度のアンコールを受け、今ツアーでは奄美会場だけという島唄のサプライズも。三味線を手に「嘉徳なべ加那節」を切々と歌い上げ、会場一体となった六調でフィナーレを締めくくった。
 地元で親交を深めてきた中村瑞希さんや吉原まりかさん、カサリンチュ、サーモン&ガーリックも登場して華を添えた。
 友人の結婚式で「花」に出合い、公演のため初来島した宮崎県えびの市の松尾和子さん(26)は「言葉で表せないほどぐっときた。中さんが育った島で地元の皆さんと島唄を聴く空間を共有できたことに感激した」と満足そうに話した。

4月1日(火)付 

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奄美市道・山田線が開通
 奄美市道山田線の開通式が三十一日、同市道であった。行政や工事の関係者など約五十人が参加し、安全祈願祭を行って道路の安全を祈願したほか、テープカットや通り初めなどで山田線の全線開通を祝った。全線開通により、市街地と名瀬クリーンセンターや市斎場などを結ぶ同路線の利便性や安全性の向上が図られる。
 市道山田線は国道p号と市道崎原線を結ぶ延長約四・二キロの幹線道路。旧道は13%のこう配に加えて、幅員も四―六メートルと狭く、急カーブが続くつづら折りの峠道だった。改築工事は道路拡幅やこう配緩和などにより通行車両の利便性や安全性の向上、地域間のアクセスの向上を図るのが目的。
 第一期工事は一九八八年度から九五年度までにループ橋を含め国道58号から山田団地までの延長約一・七キロを整備。第二期工事は九八年度から二〇〇七年度にかけ、二つの橋梁(きょうりょう)整備を含め山田団地から奄美霊園しらさぎ墓地公園までの延長約二・四キロの道路改良を終えた。総事業費は六十億二千四百万円。
 開通式は第二期工事で整備された二号橋梁の近くであり、安全祈願祭を執り行って行政や工事の関係者が道路の安全を祈願した。
 開通式の主催者を代表して平田隆義市長が「市街地と古見方・上方地区を結ぶ道路ネットワークが形成されることになり、地域のさらなる活性化と産業振興につながるものと期待している」などとあいさつした。
 その後、関係者の代表によるテープカットがあり、神事を司った神主を先頭に通り初めも行われた。

沖永良部島で33年忌

 沖永良部島に伝わる三十三年忌祭が三十日夜、和泊町の根折公民館であった。十三年忌や二十五年忌に続いて故人をしのぶ最後の法要。島内外から親族が集まり、歌や踊りで祖霊を天上に送った。
 同島では三十三年忌を機に祖霊が世の人と関係を絶ち、昇天すると考えられている。法要は「祭り上げ」ともいわれ、盛大に行われる。
 三十三年忌を行ったのは平山良市さん(56)の親族。当日は兵庫県からもきょうだいが駆け付け、祖父・島村さん(享年九十九歳)のみ霊を送った。参列者は約百人に上り、会食を挟んで女性陣が「御前風」を披露。親族や来訪者が次々と祭壇の前に集まり、三味線に乗せて踊った。
 締めくくりは祖先神となる祝いの意味を込めたヒニャルガヨイサーと呼ばれる踊り。かねと太鼓の音色が響く中、島村さんのひ孫に当たる男性らが勇ましい掛け声に合わせて踊った。最後は近親者が墓地へ移動し、再び踊って祖霊との別れを惜しんだ。

クロウサギ、また受難

 特別天然記念物アマミノクロウサギの被害が相次ぐ中、奄美市住用の山中でもクロウサギの死がいが見つかった。ウサギは何かに捕食されたよう。足がちぎられ、毛が散乱しており、無残な状態だ。
 死体を見つけたのは奄美市名瀬のネイチャーガイド(41)。二十一日夕、住用地区の林道沿いを観察中、死体に気がついた。死体は一匹で、雌雄などは不明。血はほとんどなく、足が一本、皮膚の一部が残り、周囲には毛が散乱していた。
 奄美野鳥の会の高美喜男会長は「中央林道付近は、マングースは密度は低いが生息しているし、野犬も見たことがある。内臓が食べられているとしたら、野犬の被害に似ている」と話した。野犬被害の場合、足が残っていることがあったという。
 クロウサギは昨年来、受難続く。三月二十八日、天城町当部の林道で輪禍にあったウサギが見つかった。昨年十二月には宇検村湯湾岳でも内臓が食べられた死がいが一体発見され、十一月には犬にかまれたとみられる死がいが八体も見つかった。

4月2日(水)付 

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奄美市でもガソリン値下げ

 ガソリン税の暫定税率の期限切れとともに、奄美の石油小売店やガソリンスタンドの多くが一日、県本土に先駆けてガソリンと軽油価格を税率分値下げした。在庫分は暫定税率がかかっているため、赤字覚悟の値下げだが、小売店は「顧客サービスのため」と決断した。値下げ初日は大きな混乱もなく、比較的落ち着いた滑り出しだった。
 期限が切れた暫定税率はガソリンが約二十五円、軽油は約十七円。奄美市名瀬鳩浜の二軒の給油所は“広告・看板効果”もあって、朝から大勢のユーザーが訪れ、給油した。社員は「値下げ前の一・五倍から二倍ぐらいの忙しさ。お客も『安くなったね』と喜んでいた」と話す。
 名瀬長浜と同塩浜の給油所は落ち着いた滑り出し。「心配したコンピューターのトラブルもなく順調」(長浜の給油所)。塩浜のスタンドは値下げの看板を見て、午後から給油するドライバーが増えた。これまで購入を控えていた卸業者が軽油を大量に買っていくようになった。
 与論島の給油所は当初、在庫調整した後、値下げを予定していたが、消費者の期待が高く、他地域に追随する形で急きょ値下げに踏み切った。二日までにほとんどの給油所が値下げする見通しだが、在庫分には税率がかかっているため、下げ幅には差がある。
 A店の場合、在庫を見越して四月中旬以降の値下げを予定していたが、顧客の期待が高く、三十一日夕になって方針を変えた。店側の手出しは二、三十万円に上るという。
 これまで高いガソリンに悩んできた奄美のユーザーは今回の値下げを喜んでいる。井上晴雄さん(47)=奄美市名瀬=は「二十五円の値下げは大きい。一カ月にして四、五千円は違うと思う。奄美の製造業は燃料代というコストを抱えている。今回は離島のコスト問題を考えるいいきっかけにもなったのではないか」とみる。
 小売業者は暫定税率が復活した場合の混乱を懸念する。政府・与党は衆議院で再可決する方針。「値下げの場合、ユーザーは慌てないが、値上げとなると違う。買いだめや駆け込み給油などで混乱しないか、それが心配だ」(名瀬の給油所)
 県が大島支庁総務企画課に設置した相談窓口はこの日、問い合わせなどはなかった。

不法投棄車の処理終了―奄美市

 奄美市が財団法人自動車リサイクル促進センターの補助事業で進めていた市内二カ所での不法投棄車両撤去作業が終了した。処理責任のある投棄者に代わって実施した行政代執行で、処理重量三百三十一トン、掛かった費用千四百五十万円(うち八割は補助)。市では投棄者への支払いは求め続けるという。
 撤去したのは名瀬知名瀬と名瀬根瀬部の山中に投棄されていた廃車。市環境対策課によると、投棄者に対する事情聴取などから投棄車両は計三百八十台、処理重量は計二百トンと見込んでいたが、車の形を止めていたのはわずか二十四台でほとんどが鉄くずと化していた。
 作業は産業廃棄物処理業者に委託。二カ月で完了し、廃車が山積みとなっていた土地は更地に戻った。鉄など有価物は業者が三百四十五万円で購入した。
 代執行は廃棄物の処理及び清掃に関する法律の「生活環境の保全上の支障除去措置」(一九条七)に基づく。市は投棄者に撤去能力がないとみて、リサイクル促進センターの代執行支援メニューの活用を決断。除去命令を出すなど法に基づく行政手続きを進め、事業に着手した。
 同課は「世界自然遺産登録を目指している中で、美しい島をつくるためにも一人ひとりの自覚が大切であり、この事業を通じて不法投棄に対する住民意識の啓発につなげていきたい」としている。

4月3日(木)付 

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県道で野鳥の死がい―アマミヤマシギか
 絶滅危惧種に指定されているアマミヤマシギとみられる野鳥の死がいが二日午前、奄美市笠利町の国道58号で見つかった。奄美野鳥の会の高喜美男会長は「くちばしの特徴からアマミヤマシギの可能性が高い」とみる。野鳥は骨折の跡もみられ、車にはねられたと考えられている。
 野鳥の死がいがあったのは笠利町の用安と土浜の間の路上。腹部に傷があり、足が骨折していた。見つけた男性が撮影し、奄美市教育委員会に連絡した。市教委が回収に向かったときは既になかったという。
 写真を見た高会長は「今は本土のヤマシギも混在するが、くちばしの太さから見て、アマミヤマシギの可能性が高い」と分析する。ヤマシギは夜行性で、道路上で餌を探すことも多い。野鳥の会は今年に入ってからも車にはねられ死亡したケースを確認している。
 奄美野生生物保護センターの鑪(たたら)雅哉保護官は「国道のような交通量の多いところではねられてことはあまりなく、しかも笠利はアマミヤマシギの分布域から外れている。(飛来してたとしたとしたら)めったにないかわいそうなケース」と話した。
 高会長は「ヤマシギは車のライトに目がくらんでひかれるケースもあると考えられる。ドライバーに注意を呼び掛けるため、現在ある『クロウサギ注意』の標識と合わせて『ヤマシギ』の看板なども立ててほしい」と要望する。ヤマシギに限らず、動物が車にはねられるのは直線道路が多く、「スピードを落としていれば助かるケースも少なくない」という。
 鹿児島県レッドデータブックによると、アマミヤマシギは繁殖確認が奄美諸島のみに限られており、学術的価値も高い。リュウキュウマツの混在した二次林よりも、高齢の広葉樹林などで生息密度が高い。地上に直接、営巣するため、他の動物の影響も受けやすい。林道開発に伴う自動車事故も増えており、早急な対策が必要としている。
与路中の2作品に野依科学奨励賞
 二〇〇七年度野依科学奨励賞(国立科学博物館主催)に瀬戸内町与路島の与路中学校(石原茂仁校長)の徳永奈都美さん(一年)、榮海帆さん(同)の「オランダの涙を科学する」と、泰綾香さん(二年)、石原雅大さん(三年)、東純平さん(三年)の「Damage from salt」が選ばれた。
 同賞は、二〇〇一年にノーベル化学賞を受賞した野依良治博士の協力の下、自然や科学技術において独自の学習に取り組んだ小中学生をたたえる目的で、〇二年度に始まった科学コンクール。全国の小中学生四十九組が応募し、十三組が受賞。このうち二組が与路中の生徒だった。
 「オランダの―」は、ガラス棒をバーナーで熱したあと水につけると、通常は割れてしまうが、ごくまれに涙の形の特殊なガラスにになることから、どういう条件であれば涙の形のガラスになるのか実験を重ねた小論文。実験では当初、二十―三十回に一度の確率が、最終的には百パーセントの確率で涙の形のガラスになった。
 「Damage―」は、海に面した同町与路集落の塩害被害がひどく、作物が育たないことから、土壌の塩分濃度を調査し小論文にまとめた。
 指導に当たった牟田典丘教諭は「応募するには十カ所以上の科学文化施設を訪れる必要があるため、地理的に不利な条件の中、二年をかけて鹿児島市や東京の科学施設を訪問し、今回の受賞となった。こうした取り組みが、生徒たちの将来の夢のきっかけになれば」と喜びを語った。
 表彰式は三月二十七日、東京の国立科学博物館であり、同中から三人が出席し、あこがれの野依博士と対面した。
郷土に4500本のサクラ苗木送り続ける
 第四十三回さくら祭り中央大会(財団方針・日本さくらの会主催)が二日、東京・永田町の憲政記念館であり、一九九三年から奄美群島の全市町村にサクラの苗木を送り続けている瀬戸内町阿鉄出身の栄陽一郎さん(76)=大阪府豊中市在住=が賞状と記念品を受けた。
 同大会はサクラの保護・育成に尽力した個人・団体を表彰する。今回の式典には河野洋平衆院議長や冬芝鐡三国交相らが来賓として出席。この後、館内庭でサクラの苗木の植樹が行われた。
 栄さんは長年、大島紬販売業を営んだ後、現在、奄美観光大使や豊中エラブ百合の会会長などを務める。友人の勧めもあり、九三年からこれまで、送ったヒカンザクラなどの苗木総数は約四千五百本に上るという。
 栄さんは「晩酌とタバコを止めて、サクラの苗木一本と郵送代費に当てる。皆さんの喜ぶ顔と自身の健康のため、これからも続けたい」と笑顔で話した。

4月4日(金)付 

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09年皆既日食で県がHPで受け入れ態勢情報掲示

 二十一世紀最大級の天文ショーといわれる二〇〇九年七月二十二日の皆既日食まで一年余り。観測地域となる鹿児島県は先月三十一日から県ホームページに関係九市町村のホームページをリンクさせ、宿泊施設など受け入れ態勢の情報提供を開始した。奄美では龍郷町が町中央グラウンドを臨時キャンプサイトとして開放することを決め、奄美市は笠利町のあやまる岬などを臨時キャンプサイトとして開放することを検討中で、喜界町も町内公園の開放を今後検討するとしている。
 皆既日食が観測できる地域は種子島南部、トカラ列島、奄美大島北部、喜界島など。「二〇〇九皆既日食関係自治体連絡協議会」を構成する九市町村のホームページとリンクさせて随時情報を更新する。「二〇〇九年の皆既日食について」「本県での皆既日食の観測を希望される皆様へ(受け入れ態勢の状況)」というページを設けた。
 受け入れ態勢のページには(1)皆既日食の概要(2)基本的な受け入れ方針(3)市町村概要(4)島へのアクセス(5)島内での交通(6)宿泊施設=既存(7)宿泊施設=臨時・キャンプサイトなど(8)観測ポイント(9)観測ガイドライン(10)使用料・負担金(11)観測者募集(12)観光情報(13)イベント情報―などの項目があるが、約半数の項目は検討中で、今年七月ごろまでに内容掲載を見込んでいる。
 龍郷町は企画財政課内に事務局を置き、昨年五月に役場関係課で構成する受け入れ協議会を設置して検討してきた。今のところ、町中央グラウンド一カ所に臨時キャンプサイトを二百五十区画設け、二―三人用テント、キャンプカーでの利用者などに開放する。利用料、予約の受付開始時期や方法は検討中。また、りゅうゆう館のシャワー設備を有料(小学生未満は無料)で開放する。
 奄美市では確定はしていないが、笠利町あやまる岬と宇宿漁港の敷地内二カ所に臨時キャンプサイト約千区画の設置を見込んでいる。「今後、受け入れ連絡協議会で未確定の対応について検討したい」としている。
 喜界町は今後、情報収集して庁内プロジェクトチームで協議し、臨時キャンプサイトを含めて検討する。

奄美市の風力発電計画に遅れ

 「奄美大島風力発電株式会社」(田口義博社長)が奄美市大熊のゴルフ場・奄美カントリークラブ敷地内に風力発電施設を一基建設する計画で、建築基準法の一部改正により施設工事に遅れが生じ、売電事業の開始も半年ずれ込むことが分かった。
 同社は奄美市と九州電力系列の西日本プラント工業(本社福岡市)が共同出資して昨年九月に設立。建設費は六億一千八百万円。うち市負担は一億九千六百万円で、全額を新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が補助する。
 施設は地上部から羽根上部までの高さ百六メートル。羽根は三枚で、風速九十メートルに耐えられる設計。年間の売電見込み量五百万キロワットは一般家庭千四百世帯の年間電力使用料に相当し、千八百トンのCO2削減効果が見込まれる。
 群島内の風力発電施設は喜界、和泊、与論の各町に次いで四例目で、三セク方式は初。当初計画では二〇〇九年三月から発電を開始し、九州電力への売電で年間売上高五千万円を見込んでいた。
 同事業の普及啓発を担当する市産業振興部は「昨年六月の建築基準法の一部改正で建築確認申請の許可が遅れたことが計画遅延につながった。発電開始が〇九年九月からに延期されたが、建設費や施設などに変更はない」としている。
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