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5月31日(土)付 

奄振推進協で起業化支援など提案
 奄美群島振興開発推進協議会(会長・伊藤祐一郎知事)が三十日、県庁であった。今年度の奄美群島振興開発事業計画について説明があったほか、奄振法延長を前提とした二〇〇九年度以降の方向性について協議した。委員からは、新たな産業創設に向けた起業化支援や光ファイバーなど情報通信基盤の整備、航空運賃離島割引制度の拡充など、さまざまな提案や要望が出た。
 伊藤会長は冒頭、現行奄振法が〇八年度末に期限切れとなることに触れ「奄美群島が持続可能な自立的発展を目指すには、今後とも法に基づく特別措置による支援が必要。地元の人々や関係者と一体となって特別措置法が延長されるよう積極的に取り組んでいきたい」とあいさつした。
 奄振法延長を目指し県が〇七年度事業で実施した奄美群島振興開発総合調査では、今後の振興開発の方向性として(1)地域特性を生かした産業の展開(2)豊かな自然と個性的な文化を生かした観光の展開(3)世界自然遺産登録を視野に入れた人と自然が共生する地域づくり(4)安らぎと潤いのある生活空間づくり(5)群島内外との交流ネットワークの形成―を掲げている。
 産業振興に関して委員から、身近な地域資源を産業につなげる取り組みが必要として「起業化支援を政策の柱にできないか」と提案があった。観光の分野では、航空会社の離島割引制度について「対象を奄美在住者から出身者などに拡充してほしい」という要望があり、県側が「航空運賃を沖縄県並みにするには、航空機燃料税の軽減措置が効果的。引き続き国に要請していきたい」と説明した。
 また情報通信産業の企業誘致に成功した与論町の委員は「今後の交流人口や雇用拡大のためにも光ファイバーなどの基盤整備を進めてほしい」と情報格差の解消を訴えた。
 世界自然遺産登録に向けた国立公園指定に関しては、伊藤会長が「国立公園指定には、多くの森林を保有する企業との調整をどう図るかが最大の調整事項になるだろう」と述べた。
 同協議会は奄振事業の円滑な推進を目的にしたもので、知事のほか、地元県議、市町村町代表、各産業団体代表、学識経験者ら十八人で構成している。
紬協組の役員立候補者が定款定数下回る
 本場奄美大島紬協同組合(赤崎拓郎理事長、組合員百五十二人)の二〇〇八年度総会が三十日、奄美市名瀬の紬会館であった。〇七年度決算は約二千七百万円の赤字を計上、債務超過額は倍増し五千万円超に膨れ上がった。〇八年度も約千六百万円の赤字予算となり、組合員は財政健全化への積極的な取り組みを要望した。新役員の選出では立候補者が定款定数を下回った。総会では立候補した六人全員を当選としたものの、理事会が成立しない異常事態となった。
 〇七年度の赤字額の主な要因は、職員二人分の退職給与金七百九十九万六千四百円など。これに各種事業収益金の減少が拍車をかけた。
 同年度の検査反数は一万七千三百三十一反で、前年度比23・8%の大幅減。検査収入が前年度より二百六十一万七百二十四円の減となったほか、販売事業収入が七百六十五万二千円減、購買品売り上げも千五百二十五万円減少した。
 これらに伴い二千七百二万七千二百三十五円の赤字を計上したことで、債務超過額は五千七十七万八千百四十五円へと拡大。組合財政の悪化に対し、組合員からは、未収債権の回収強化などを求める声が多く寄せられた。
 執行部は、資産売却や人件費の削減などのほか、第三者機関による経営診断も視野に入れていることを報告。販売組合との合併に関しては、「販売組合側から提案があれば、検討していくことも考えている」とした。
 〇八年度予算額は、総額で一億七百六十七万二千円。事業方針では、検査反数予算に一万五千反を計上したほか、絹たんばく成分セリシンの再利用研究事業も掲げた。
 セリシン研究に対しては、組合員から設備投資など費用対効果に対する疑問も。執行部は、年間で八百二十万―八百四十万円の収益が期待できると説明した上で、設備投資については補助事業費で賄えるとの見方を示し、収入効果の高さを訴えた。
東京・かごしま遊楽館でエラブフェア
 鹿児島県のアンテナショップ「かごしま遊楽館」(東京・有楽町)が三十日、オープン十三周年を迎えて誕生祭を催し、イベントの一つ、沖永良部島特産品フェア(和泊町)がにぎわった。
 同館は一九九五年のオープン後、特産品販売や観光情報を発信。二〇〇七年度の売上高は六億四千百万円。都内では沖縄、北海道のアンテナショップに次ぐと言われている。延べ入館者総数は〇八年中に六百万人を達成する見込み。
 今年の誕生祭では、放映中のNHK大河ドラマ「篤姫」をメーンテーマに、限定ランチや大篤姫展を設けたほか、お楽しみ抽選会、地域特集を設けた。
 沖永良部島フェアは同館前の広場で実施。「えらぶゆり観光大使」をはじめ十人のスタッフが、サトイモ、ハンダマアンダーギ、パパイヤの漬物、黒糖クッキーなどの試食を呼び掛けてPR販売し、人だかりができた。
 和泊町経済課の葉棚奈緒子さんは「サトイモやパパイヤ漬など、沖永良部島の品々に対する東京の人たちの関心の高さは予想以上でした」と話した。

6月1日(日)付 

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奄美のガソリン200円時代へ

 原油高に伴うガソリン価格の高騰に歯止めが掛からない。六月一日に値上げする本土に続いて、奄美のガソリンスタンドは週明けの二日、ガソリン価格を十―十二円程度引き上げる。奄美大島でも一g二百円となり、喜界島は二百十円を超える見込み。奄美は「ガソリン二百円時代」に突入した。
 県石油販売業協同組合大島支部や小売各社によると、三十日現在、奄美大島のガソリン(現金販売額、税込み)は百八十六―百九十八円。二日以降は百九十八円―二百円となる見通し。軽油も同額上がって百七十三―百七十六円となる。
 喜界島は十円程度の値上げ。ガソリンが二百十一円、軽油は百八十三円になる。徳之島は上げ幅十一円程度で、百八十九―百九十七円にアップする。
 沖永良部島は十―十一円のところが多いが、「五円」とするところも。二百―二百五円の間に落ち着きそう。与論のあるスタンドは十二円の値上げを決めた。在庫がなくなり次第、現行の百九十八円を二百十円に改定する。二百二円のスタンドも値上げを検討中だ。
 奄美各地のガソリンスタンドは今回も駆け込み給油の列ができた。奄美市名瀬の女性(47)=団体職員=は「夫がマイカー通勤なので値上げは家計に響く。テニスの練習も乗り合いで行くようにしている」と話す。
 五十代男性(奄美市名瀬)は「本土は百七十円で大騒ぎしているが、奄美は二百円。こんなところにも格差がある」と不満を漏らした。ユーザーは度重なる値上げに、うんざりといった表情だ。
 スタンドも危機感を募らせる。和泊町の店員は「オイルショックの時でもこれほどは高騰しなかった。異常事態だ。買い控えだけでなく、大型車から小型車へ。バイクから自転車へと乗り換える人が増え、車離れも進んでいる」と話した。与論町ではスタンド間で価格競争も始まっている。
 奄美市名瀬の石油販売会社は「石油価格は下がる要素はなく、今後も高止まりの状況が続くだろう」とみている。

北海道のツアー客ら与論へ―北と南の料理交換

 北海道からの旅行客十五人が五月三十日から与論島を訪れている。ツアーの目玉は与論町食生活改善推進員連絡協議会(沖範子会長)とタイアップした「島のお母さんとの料理交換会」。食生活改善推進員を務める町内の主婦と旅行客がそれぞれの郷土料理を振る舞い、交流を深めた。近年は食や現地交流に照準を合わせた少人数旅行が人気を集め、新たな観光メニューの確立に期待が高まっている。
 JTB北海道(札幌市)が主催したツアーは沖縄での前後泊を含めた五日間の行程。「料理研究家・東海林明子と行く与論島食文化の旅」と銘打った。北海道で料理教室を開く東海林さんの教室生が大半を占め、三十代から七十代まで幅広い年齢層が参加した。
 料理交換会は二回開催し、初回は与論町側が地場産野菜のパンダマ(ハンダマ)を使った「パンダマちらしずし」「もずくそうめん」など八品の家庭料理でもてなした。旅行客は北海道から食材を持ち込み、「鮭のちゃんちゃん焼き」や「アスパラガスのチーズ焼き」など五品の調理法を教えた。
 終始和やかな雰囲気で実習が進み、味つけのこつを熱心に質問する参加者も。食事会では心のこもった料理に舌鼓を打ったほか、三味線に合わせて踊るなど楽しいひとときを過ごした。
 JTBの担当者は「観光地巡りにとどまらないサービスを提供することで満足度を得られる。想像以上の温かいもてなしに参加者も感動したようだ」と話し、同協議会の池田幸子さんは「町の観光戦略とも合致した試み。与論の長寿食材を発信するチャンスととらえ、積極的に協力していきたい」と語った。

鹿児島市でのおさかな祭りに沖永良部島漁協婦人部も参加

 県魚食普及協議会の主催する「おさかな祭り」が三十一日、JAグループが運営する鹿児島市内の農林水産物直場所「おいどん市場」であった。奄美からも沖永良部島漁協婦人部(伊集院百合子部長)が参加し、ソデイカやマグロの解体ショーなど披露して人気を集めた。
 祭りには沖永良部漁協のほか、羽島漁協(いちき串木野市)や鹿児島地区漁業士会などが参加。沖永良部のソデイカをはじめ、ウニのまぜご飯や芝エビの素揚げなどの試食コーナーもあり、旬の魚を求めて午前十時のオープン前から大勢の人が詰め掛けた。また沖永良部島漁協婦人部による十六キロのソデイカと四十キロのキハダマグロの解体ショーもあり、巨大なイカやマグロを手際よく解体していく包丁さばきに人垣から歓声が上がっていた。
 同婦人部は一月と三月にも「おいどん市場」で解体ショーを披露しており、好評だったことから今回も祭りに招かれた。一日は指宿市の山川みなと祭りにも参加する。

6月2日(月)付 

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宇検村でマンゴー栽培熱高まる

 宇検村で熱帯果樹マンゴーの栽培機運が高まっている。二〇〇七年度は栽培農家が二十四戸、面積一ヘクタールに達した。完熟で収穫するマンゴーは糖度が高く、消費者にも好評だ。奄美の場合、本土産地と異なり、暖房が不要で無加温で栽培できること。宇検村は「丸ごとオーナー制度」とも連動して販路も一定程度確保した。村側は一一年度には二十三トンまで増やしたいと考えている。
 村経済課によると、マンゴーは主に湯湾干拓地で栽培されている。着手したのは〇五年度。振興作物として検討を始め、〇六年度には重点作物に指定した。続いて地域農業創出支援事業を活用。耐風性、コストの両面を考慮して中期展張型ハウスを三戸分、二千三百三十平方メートル整備した。産地化を見据えて苗木の供給も始めた。
 〇七年度は補助事業の窓口となり、マンゴー生産をけん引する生産者組織を設立した。中期展張型ハウスを新たに四千四平方メートル整備するとともに、地産地消活動の一環として小学生の収穫体験も実施した。
 技術向上のための研修会も定例化。地域の果樹としての位置付けを高めた。さらに、農水省の農山漁村活性化プロジェクト支援交付金事業も導入した。事業は加工施設の整備も計画しており、タンカンも含めて利用できる。
 マンゴーに着目した理由を村経済課は「高齢化が進み、農地面積も少ない。集約型農業を進める必要があった」と説明する。「丸ごとオーナー制度」の目玉にもなった。制度は都会の人たちに村を「第二のふるさと」にしてもらおうとの趣旨で、マンゴーはオーナー専用で栽培する。オーナー用のマンゴーは市場価格に左右されないメリットがある。
 こうした取り組みの結果、〇四年度は栽培戸数十三戸、面積〇・五ヘクタール、販売量一トン、販売額三百万円だったのが、二年後の〇六年度は二十戸、〇・九ヘクタールに増え、販売額も六百万円になり、〇七年度は四トン、千二百万円を売り上げた。〇八年度は四・二トン、〇九年度は八・六トン、一〇年度は十五・八トンを目指している。
 課題は(1)コスト意識の徹底(2)消費者へのPR(3)担い手の育成―など。村側は▽産地間競争への対応▽小玉パックの需要開拓▽エコファーマーによる安全・安心のPR―などを計画している。マンゴーとタンカンを農作物の主力にする取り組みが熱を帯びてきた。

奄美博物館でヤコウガイ使い制作講座

  奄美博物館講座「ヤコウガイアクセサリー制作講座」が一日、奄美市名瀬の同館で開かれ、ヤコウガイ工芸作家で徳之島町母間で工房を営む池村茂代表(51)が講師を務め、受講者に作り方を指導した。池村代表と高梨修学芸員と二人でヤコウガイの歴史や生態について説明する勉強会もあった。自分だけのアクセサリーを作った参加者は満足げな表情をしていた。
 年々受講生が増えているという講座には八十七人が参加。池村さんのかんざし作品などのデザインを手掛けている坂元愛子さん(美ブライダル愛代表)もアクセサリー作りを指導した。
 参加者はヤコウガイの貝殻を数aにカットしてあるものの中から自分が好きな形や色のものを選び、粗さの異なる十一種類のサンドペーパーを使い、カット貝殻の水で洗いながら表面を磨いていった。池村さんは「一番粗いゼロ番から二番までのサンドペーパーはそれぞれ十五分かけて磨いてほしい。この三種類でゆっくりと丁寧に磨かないと良い光沢が出ない」と説明した。
 一時間余りかけてカット貝殻を磨き、きれいな色や模様の装身具に仕上げた。家族四人で参加した朝日小学校四年の中山翔雅君は「(長時間の作業で)手が痛くなったが、やりがいがあった」、奄美小学校一年の松崎栞さんは「上手にできた。けれど疲れた」と感想を述べた。

6月3日(火)付 

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世界自然遺産登録へ奄美市が寄付条例制定へ
奄美市は、奄美の自然景観や生物多様性地域を守り、希少野生動植物の保護を図るため、世界遺産にふさわしい重要な生態系地域の継承を願う人々の寄付を募り、事業の財源に充てる「奄美市世界自然遺産登録推進のための寄付条例」を六月議会に提案する。世界遺産登録に向けては、「良好な景観を維持保持し後世に伝えるため」に景観条例を制定する自治体があるが、寄付条例制定の動きは全国で初めて。
 企画調整課によると、条例は市民や市出身の市外在住者、企業団体、奄美群島民などに限らず、全国や世界の「奄美自然大好き派」などから寄付を募り、それを財源として事業を展開しようというもの。
 対象となる事業メニューは、(1)自然と共生する環境の保全(2)資源循環型社会の構築―など。寄付する個人、団体はこのメニューの中から選択できる。寄付金は一口五千円で、市は寄付条例の中に管理、処理、処分、運用状況を明確にする条文も盛り込む方針。
 奄美市は受け皿となる基金をつくって寄付金を積み立て、事業化していく。担当者は「世界的にも重要な奄美の美しい自然を保全、保護しようという熱い思いと合わせて寄付をしていただくことは、施策を進める上で力強い後押しとなる。東京事務所や関係各課、観光大使の皆さんなどと連携して取り組み、全国、世界に情報を発信したい」としている。

環境省が希少野生生物指定解除で意見募集、ルリカケスも対象に

 環境省は二日、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律施行令の一部を改正する政令(案)」に対するパブリックコメントについて記者発表した。内容は国内希少野生動植物の指定九種と解除一種、特定国内希少野生動植物の指定一種の合計十一種に関するもので、奄美関係ではルリカケスを国内希少野生動植物指定から解除対象とすることを提案している。
 一九九三年に指定を受けたルリカケスは奄美大島、加計呂麻島、請島、枝手久島のみに生息する日本の固有種。個体数は少なくとも千羽と推定している。
 解除理由に関して(1)生息地である奄美大島にはルリカケスの捕食者であるジャワマングースがいる。環境省の防除事業の進展等によりマングースの生息密度が低下し、生息状況等が改善しつつあることが確認されており、二〇〇六年十二月に同省が公表した「絶滅のおそれのある野生生物種のリスト(通称レッドリスト・鳥類)」に掲載されなかった(2)取り巻く状況改善で指定要件に該当しなくなったと認められるため指定解除することにした―と説明している。
 環境省は絶滅のおそれのある野生動植物の種を国内希少野生動植物種に指定し、個体の捕獲や譲り渡しを原則禁止とし、必要に応じて生息地などの保護区指定、保護増殖事業を実施することによって種の保存を図っている。奄美に生息するアマミノクロウサギ、オオトラツグミ、アマミヤマシギなどを含めて七十三種を指定している。
 募集期間は七月一日まで(必着)。意見提出の資料は環境省ホームページなどで入手できる。郵送、ファクス、電子メールでも受け付ける。送り先は、環境省自然環境局野生生物課保護増殖係(〒100―8975 東京都千代田区霞が関一ノ二ノ二)。

奄美市が皆既日食で実行委設置

 「2009皆既日食奄美市実行委員会」の設立総会と第一回総会、第一回常任委員会が二日、奄美市の奄美会館であり、会則や二〇〇八年度事業計画などを承認した。近畿日本ツーリスト鰍フ社員が皆既日食のシミュレーション映像を使って日食時に発生するさまざまな現象を説明したほか、全世界が注目する天文イベントを活用して奄美をPRすべきなどと提言した。
 〇九年七月二十二日に起きる皆既日食で奄美大島の北部が観測地として注目されていることから、来訪者と住民が安全に皆既日食の感動を体験できるよう、行政機関と関係団体等が連携して対応するため同実行委員会を設立した。
 同委員会は行政のほかさまざまな団体の代表など五十五人で構成。会長は平田隆義奄美市長が務め、総会で委任された事項に関する審議・決定などを行う常任委員会と、常任委員会から付託・委任された専門的事項を審議・決定する専門委員会も設置した。専門委員会はイベント、宿泊・交通・衛生、総務・企画の三部門からなる。
 〇八年度事業では、宿泊や交通、観測地点、提供可能なサービスなど受け入れに関する基本方針を策定するほか、カウントダウンイベントの開催、ボランティアスタッフや通訳ガイドの募集・登録などを行う。
 日本の陸地で皆既日食が観測されるのは、一九六三年に北海道の一部で観測されて以来四十六年ぶりで、六分二十秒も続く皆既日食(悪石島)は今世紀最大とされる。
 また、日本国内で部分日食を体験した人はいても、皆既日食の体験者は海外まで観測に出かけるマニアなどを除けばほとんどいないという。
 部分日食時に太陽を肉眼で見ると目を傷めるため日食グラスが必要だが、皆既日食時は太陽を取り巻く大気(コロナ)や太陽のガスが吹き上がる現象(プロミネンス)を肉眼で見ることができる。
 皆既日食時の奄美大島への来訪者は一万人から一万五千人と予想されており、海外からも研究団体や観光客などが多数来島する可能性がある。
 奄美大島内で予想される皆既日食の継続時間は、笠利崎灯台が三分四十一秒で最長、龍郷町中央グラウンド二分二十八秒、大浜海浜公園一分五十二秒などとなっている。

6月4日(水)付 

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奄美キビ増産はほぼ順調

 二〇〇八年度第一回さとうきび生産振興対策検討会は三日、奄美市であった。奄美群島内の行政機関や農協、製糖会社の関係職員三十二人が出席して、キビ増産計画(〇六―一五年度)の達成状況と〇七年産から始まった新制度(品目別経営安定対策)への対応状況について情報交換した。生産面ではキビの豊作もあって〇七年産はおおむね計画を達成しているが、新制度への対応は道半ば。検討会では新制度の特例期間が切れる一〇年産に向けて、制度の再周知作業などに努めることを確認した。。
 増産計画に照らした群島の〇七年産キビ生産実績は、与論島で収穫面積が10%程度下回った以外はほぼ計画を達成した。春植え終了段階の〇八年産収穫面積についても、計画水準に達する見通しとの報告が相次いだ。
 一方、新制度初年の農家向け甘味資源作物交付金申請状況によると、群島内での申請者は六千七百五十四人。そのうち30・5%の二千六十人は〇九年産までの期限付きで設けられている特認要件での申請者だった。
 情報交換では、新制度に対応する集団として発足したモデル組織の動きが中断している例や、本則要件を満たすとして交付金申請したが収穫後には特認要件に該当した農家の例などが出された。特認農家が80%を占め、土地条件から機械化も進まない与論町の関係者からは「本則要件を満たす組織をどうつくればいいのか苦慮している。農家の生活にも見合った制度でないと、キビ離れにつながる」といった意見が出た。
 出席した県農産園芸課の職員は、県段階でプロジェクトチームを立ち上げて新制度への対応方法を改めて検討する方針を説明した。今年冬から国での制度見直し作業が始まるとして、「地元の意見を聞きながら国にも要望を上げていきたい」と話した。
奄美の山すそにワダツミノキ開花
 二〇〇四年に奄美出身の歌手元ちとせさんのヒット曲にちなんで命名された「ワダツミノキ」が奄美大島中南部の山すそで白い花を開いている。
 ワダツミノキはクロタキカズラ科のクサミズキの新種。近海地の林縁に生える落葉小高木で樹高は五―十五メートル。葉は楕円形で長さは十―十七センチ、五、六月ごろに白色で直径三―四ミリの花を付ける。
 クサミズキは絶滅危惧(きぐ)種で、以前は奄美、沖縄産のものは同一種と考えられていたが、〇四年に京都大学の研究グループが調査したところ、葉の形などに違いが見られ、奄美固有の新種であることが分かった。
奄美若者サポートステーションが開所
 不登校児童生徒の受け入れや非行少年の更生など青少年の健全育成に取り組んでいる奄美市のNPO法人・奄美青少年支援センター「ゆずり葉の郷」(山田秀次郎理事長)で三日、「奄美若者サポートステーション開所式」があった。行政や関係機関の代表らが出席して開所を祝うとともに、ひきこもりやニートなどの無業状態にある若者の就労支援体制の強化に期待を寄せた。
 厚生労働省の委託事業「地域若者サポートステーション事業」を「ゆずり葉の郷」が受託した。全国ではすでに七十五カ所開所しており、県内では二番目。単年度事業だが、関係者は数年間は継続できるものと期待している。
 支援は奄美群島全域の就労に悩む若者やその家族などが対象。ステーションでは群島内の行政機関や公的な就業支援機関、福祉、医療、教育などの各機関と連携し、無業状態の若者の職業的自立支援を行う。
 電話、メール、手紙、直接面談による相談を受け、対象者ごとに自立支援プログラムを作成し、カウンセリングや就労に向けたさまざまな学習・訓練の実施、他機関への誘導など最も適した支援を継続的に実施。また、家族学集会などの支援対象者の保護者に対する支援、支援対象候補者の把握なども行う。
 開所式では山田理事長が「行き届かないところもあるが、ゆずり葉の郷の活動で得た経験を生かしながら精一杯努めたい。今後とも一層のご協力を」などとあいさつした。
 続いて元山義和県大島支庁長の「開所を契機に奄美地域の雇用改善、特にニート等の若者の自立支援が一層図られることを期待している」などとする祝辞が代読された。
 「ゆずり葉の郷」の三浦一広所長が事業実施計画について説明し「ニート状態、ひきこもり状態にある自立できない若者を一人でも多く支援し、自立させていく事業。そのような若者に生きる喜び、生きる幸せを知ってもらいたい」などと語った。
 ステーションでは五人のスタッフを配置して相談などに対応していく。時間は日曜、祝日、年末年始を除き、午前九時から午後八時まで。TEL0997・57・0770、メールアドレスamami-saposute@polka.ocn.ne.jp

6月5日(木)付 

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知名町のジッキョヌホーが名水百選に
 環境省は全国のわき水や河川など百カ所を「平成の名水百選」として五日付で発表する。七月に開催される北海道洞爺湖サミットに向けて水環境保全の推進を図るのが狙い。鹿児島県内では四カ所、奄美からは知名町瀬利覚のジッキョヌホー(瀬利覚の川)が選ばれた。
 平成の名水百選は都道府県が推薦した百六十二カ所の中から(1)地域住民らによる保全活動の状況と効果(2)水質、水量、景観、親水性の状況(3)故事来歴や希少性―など三項目を基準に審査した。
 九州各県の選定地は福岡一、熊本四、大分一、宮崎一、沖縄一。一九八五年に選定した「名水百選」に加えて新たに選定した。同省は二十五日、東京都内で認定書交付式を開く。
 ジッキョヌホーは知名町の有形文化財、瀬利覚集落の民俗文化財に指定された瀬利覚集落のシンボル。水資源の乏しい沖永良部島の環境下で農業用水や生活用水に利用され、毎年七月には集落主催のホー祭りが行われるなどコミュニティーの場としても親しまれている。
 選定の知らせを受けた吉田文雄区長は「ジッキョヌホーは人々の生活を支え続けた命の源。今後も雑草の伐採や清掃を継続し、水質と景観の保全に努めたい」と語った。
ジッキョヌホー以外の県内の選定地は次の通り。
 ▽甲突池=鹿児島市=▽唐船峡京田湧水(ゆうすい)=指宿市=▽普現堂湧水源=志布志市=
環境が悪化、宇検湯湾干拓地のカワツルモの生息域狭まる
 世界に広く分布しながら海岸部の開発などで絶滅が懸念されている半塩生植物のカワツルモ(ヒルムシロ科)の生育状況調査が四日、奄美群島で唯一分布している宇検村湯湾の干拓地付近で行われた。調査した琉球大学の香村眞徳名誉教授によると、カワツルモは特殊な環境でしか生えない海草。宇検村のカワツルモについても「今の状況は止水域になっている。真水と海水の流れをつくってほしい」と環境改善を求めている。
 調査はWWFJ(世界自然保護基金日本委員会)の南西諸島生物多様性評価プロジェクトの一環。海藻・海草類は香村名誉教授、鹿児島大学の寺田竜太准教授、(有)海遊=沖縄県石垣島=の吉田稔代表取締役の三人が担当。大隅から尖閣列島までの地域をブロックに分け、奄美大島では一日から環境省のレッドデータブックで絶滅危ぐ種にリストされたカワツルモを含む三十種について、生育状況や生育環境などを調べている。
 調査に同行した奄美の自然を考える会の田畑満大会長によると、宇検村湯湾のカワツルモが生育しているのは陸地に海水が流れ込まないよう潮水を調整している潮遊池の一部。約三十年前から生育を確認している田畑会長によると、発見当初は「埋め立て部分が少なく、水はきれいで一面にびっしり生えていた」という。その後、埋め立て地が広がり、水質は悪化。調査の結果、生育範囲は狭くなっていることが分かった。今回、干拓地に流れ込む近くの水路で新たな生育場所が見つかったが、ごみが投入されているなど生育環境はよくない。
 香村名誉教授によると、カワツルモはまだ海に進出していない(淡水と海水の混ざり合った)汽水生の植物。環境省のレッドデータブックや沖縄、鹿児島など各県のレッドデータブックでも絶滅の危険が高いIB類にランクされている。沖縄本島では本部町塩川と沖縄市泡瀬で分布が知られるがそれぞれ赤土汚染や河口閉塞などで生育状態はよくないという。
 調査に立ち会った、同村の環境問題に取り組んでいる「宇検村想い隊」の元田信有事務局長は「カワツルモは知らなかった。目に見えない海藻などがどんどん消えている。危機感を持ってほしい」と話し、カワツルモの保全に取り組む考えを示した。
奄美の認定農業者、4人増の43人
【鹿児島総局】県は二日、二〇〇七年度の新規就農者数を発表した。前年度と比べ、新規参入者は四人増えたものの、後継者は二十七人減少し、全体では二十三人減の三百十二人だった。就農作物では、野菜と肉用牛が多く、両作物で全体の45%を占めている。大島地区の新規就農者は、前年より四人増え四十三人だった。
 新規就農者の数は、県出先機関の農業普及業務担当課や学校基本調査を基に集計した。県全体の内訳は、後継者が二百六十三人、新規参入者は四十九人で、年齢層は全体の約80%が四十歳未満だった。後継者の中では、Uターン者の百七十四人が最も多く、次いで新規高卒者四十一人、農業大学などの研修施設卒業生二十八人など。新規高卒者が前年度より約30%減少しており、少子化の進展や都市部の就職内定率の高さなどが影響していると考えられる。
 地域振興局単位では、大隅地区の約八十人が最も多く、次いで南薩地区約五十人、大島地区四十三人の順。大島地区は、過去五年間の平均でも四十人台を維持している。
 主な就農作物は、野菜23%(七十一人)、肉用牛22%(六十八人)、花き10%(三十二人)、茶10%(三十一人)、果樹7%(二十三人)、サトウキビ4%(十二人)など。大島地区ではキビや花き、肉用牛が多い。
 県農政部経営技術課は、県内外で開催される就農相談会やU・Iターンフェアなどで鹿児島の農業をアピールし、今後も新規就農者の確保に取り組んでいきたいとしている。

6月6日(金)付 

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大和村で奄美プラム出発式

 初夏の味覚・奄美プラム(スモモ)の出発式が五日、JAあまみ大和支所湯湾釜選果場であった。
地元の生産者ら四十人がスモモジュースで乾杯して豊作と高値販売を祈願し、鹿児島市場向けプラムを積み込んだトラックを送り出した。今期の共販目標は前期より十六トン多い八十二トン。大和支所の松崎勝彦果樹部会長は「出荷シーズンが到来した。消費者に喜んでもらえるよう安心安全な商品を全国に送り出そう」と呼び掛けた。
 今期の収穫は開花期が長引いた影響で例年に比べ十日前後遅れ気味。選果場での集荷は五月二十六日開始だったが、選果機を使っての選別は出発式当日になった。この日の入荷量は約五百キロ。松崎部会長は「収穫の適期はずれ込みそうだが、畑での着果状態はいい。最終的な収量は平年以上になるとみている」と話した。

耳鼻咽喉科の医師確保が急務―県立大島病院モニター会議

 奄美市名瀬にある県立大島病院(小代正隆院長)の二〇〇八年度モニター会議が五日、同病院講堂で開かれた。喫緊の課題として、休診となっている耳鼻咽喉科の医師確保が示され、小代院長は民間の医療機関や退職した医師にも週一日程度の勤務を打診していることを報告。しかし、確保のめどは立っておらず、モニターからも早急の確保を求める声が寄せられた。
 住民モニター(十人)と同病院の関係者十六人が出席した。
 耳鼻咽喉科の医師確保に関しては、住民からも「急患で行っても専門医がおらず、痛み止めをもらって帰った」「医師不足が心配。患者の対応はどうなっているのか」など意見・要望が寄せられている。
 小代院長は、民間医師への打診のほか、鹿児島大学病院医局へ医師派遣を要請しているが、医局でも耳鼻咽喉科の専門医は六人しかおらず、派遣は困難な状況という。
 一方、拡充が求められていた産婦人科の専門医については、四月から三人に増員(従来は二人)された。
 看護師確保に向けては、異動対象とならない勤務地限定の看護師を本年度も募集。給与面での待遇差はないが、師長への昇進はできない。
 このほか、経営安定化改善事項として、(1)高度医療の充実(2)医療安全対策の充実(3)患者サービスの向上(4)効率的な病院運営―を掲げた。地域医療支援病院の機能充実策では、紹介率(目標40%)、逆紹介率(同60%)の向上や、地元医療機関との連携・共同診療・共同手術の推進を図る。
 数値目標の設定では、病床利用率を92%に設定、平均在院日数の短縮化(目標十九日以内)を目指す。
 未収金の発生防止と回収策については、〇六年度から非常勤職員を二人配置して取り組んでいる。その結果、同年度は約千七百万円、〇七年度は約二千五百万円の未収金を回収したという。
 モニターからは、医師確保策のほか、待ち時間の長さに対する改善要望などがあり、病院側は、毎年、十分前後の短縮が図られていることを説明、理解を求めた。
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