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1月28日(土)付 

13年度の設立目指す―奄美エコツーリズム推進協
 国立公園指定と世界自然遺産登録を見据えた奄美群島エコツーリズム推進協議会の設立へ向けて27日、群島内の行政や観光関係者を集めた作業部会が奄美市内であり、今後の取り組みを確認した。構想では、2013年度の同協議会設立を目指して12年度に準備会を立ち上げるほか、奄美大島でガイドの登録制度を試行する。
 生物多様性に富む奄美の自然と自然に根差した文化を守り、利活用しながら後世へ引き継いでいく体制を整えようと、奄美群島広域事務組合が地元市町村や関係機関団体とエコツーリズムを推進する構想を練っている。
 構想では、12年度に各島でエコツアーガイドを組織化して自主ルールを詰める。13年度までに奄美群島エコツアーガイド協議会(仮称)を設立し、群島共通の自主ルール制定を目指す。
 ガイドの登録制度はエコツーリズム推進協の設立に合わせて施行。登録と認定の審査部会は各島の観光団体や地域、市町村、行政関係機関の代表を見込む。奄美大島は既にエコツアーガイド連絡協議会が設立されて自主ルールを実践しているため、12年度にモデル的に登録制度を試行する。
 ガイドの登録は一定以上の居住期間や奄美の自然、文化、歴史、ガイドの基礎、エコツーリズムなどの講座受講者を対象にする方針。ある程度の制限区域にも入れる認定ガイドについては、登録したガイドの中でも実績を積んだベテランなどに絞っていく考えだ。3月の作業部会で登録と認定制度の内容についても再度協議する。
 同日の作業部会で、エコツーリズムの対象について希少な動植物が生息する自然の観察や農業、漁獲体験のほか、自然の恵みに感謝する伝統行事の参加、先人があがめてきた聖地やパワースポットのツアー、伝説巡りも挙げられた。
駐車場の必要性強調―奄美市議会まちづくり特別委 
 末広・港土地区画整理事業を中心にまちづくり事業の在り方を考える奄美市議会中心市街地まちづくり事業検証特別委員会(伊東隆吉委員長)の審査が27日始まった。初日は駐車場の必要性を指摘、商店街の核となる地域交流センターの見通しなどをただした。委員会は6月定例会での報告を目指す。
 この日は現場調査、事業の概要説明を受けた後、質疑に入った。委員の多くが駐車場の必要性を強調。車を運転できない人に配慮したバス停の設置も求めた。駐車場について市側は「民業圧迫の観点から市の直営は難しい」との見解。バス停は「計画はあるが、事業者との調整が必要」と答えた。
 「AiAiひろば」とともに集客の核となる地域交流センター(仮称)の整備、大型店舗の建設の見通しについても質問。地域交流センターは見通しが定まっておらず、商業施設については「施設をつくりたい、との話は聞いている」と述べるにとどめた。
 末広・港土地区画整理事業は対象面積3・2ヘクタール。奄美市名瀬の中心商店街に延長475メートル、幅員16メートル(両側各歩道4・5メートル)を整備するほか、区画道路、公園・緑地などを整備する。事業期間は2004〜18年度。総事業費は98億円。市の負担は約15億円。
市側は中心市街地活性化のため、準工業および工業地域を特別用途地区に指定し、大規模集客施設の建築制限を予定している。27〜29日、市内3カ所で説明会を実施する。
「ヤラブゲー」味わう―国頭でソテツ感謝祭 
 和泊町国頭で27日、ソテツ感謝祭があった。旧正月行事の初畑(ハチバル)にちなみ同集落の大蓑花(おーにばな)水利用組合(名島米直組合長)が主催した。12年前に植えたヤラブ(ソテツの実)が初めて収穫できたことから、子どもたちにヤラブゲー(ソテツがゆ)や菓子のタチガンを振る舞い、食糧難の時代に思いをはせた。
 初畑は旧暦1月2日の伝統行事で、初仕事として簡単な農作業や凶作用のソテツ植栽を行っていた。
 感謝祭会場は蘇鉄歌碑の立つため池周辺。近くに植え付けたソテツが初めて結実したため、国頭小3年生22人と国頭こども園園児15人を招待して数年ぶりに実施した。
 国頭長寿会の国分四男子会長は食料、薬、玩具など多様な利用法を紹介した上で「ヤラブは生活にものすごく役立っていた。食べ物への感謝の気持ちを忘れないようにしてください」と呼び掛けた。
 ヤラブゲーを試食した子どもたちは「味がしないけどおいしい」と初めての味に不思議そうな様子。伊口美妃さん(国頭小3年)は「今のご飯とは全然違った。ソテツが薬に使われていたことを知りすごいと思った」と話した。

1月29日(日)付 

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災害に強いまちづくりへ―市町村が防災計画見直し

 相次ぐ豪雨災害や東日本大震災を踏まえ、奄美の市町村で地域防災計画を見直す動きが広がっている。奄美市や大和村は本年度中、宇検村や瀬戸内町、和泊町などは来年度中の改定を目指して具体的な作業に入った。関連した防災対策として、複数の情報機器を活用した情報伝達や津波に備えた海抜表示板の設置など防災態勢の構築を急ぐ。地域の実情に即した対策を計画に反映させ、災害に強いまちづくりを目指す。
 奄美市は本年度中に改定計画を作成する。合併後初めての改定で2010年の奄美豪雨災害で課題に浮上した情報通信体制への対応を検討。広報車や防災行政無線に加え、短文投稿サイト「ツイッター」やエリアメールを使った災害情報の提供を始める。
 道路の寸断で孤立化の恐れがある5集落を対象に本年度中に衛星携帯電話を配置。県や消防、警察など関係機関で構成する防災会議を3月に開催し、改定計画を提案する。
 大和村が改定作業で留意したのは高齢者や障がい者への配慮。体の不自由な住民が安全に移動できる避難経路を確保するほか、「集落背後の高台」としていた津波発生時の避難所を明確に指定する。4月に放送開始予定のコミュニティーFMを活用して地域に密着した情報提供を図る。
 宇検村は村が発令する避難勧告・指示の基準をさらに具体化する考え。「時間雨量などの気象情報を参考に、発令基準を明示することが迅速な判断につながる」(総務企画課)
 瀬戸内町は来年度の改定計画策定をめどに見直し作業に入った。山腹崩壊危険地区を追加したほか、新たな防災対策として集落別に海抜表示板の設置を検討。近く開局するコミュニティーFMを活用して防災情報を提供する。
 龍郷町は来年度から改定計画の検討に入る。関連した取り組みとして昨年10月に町民と職員向けの防災対策ハンドブックを配布。「自治体の環境によって災害対応は異なる。被害想定の洗い出しから始め、きめ細かな対策を講じる」(総務課)とし、新計画では名瀬―笠利間の通勤者らの受け入れを検討する。
 本年度から計画の見直しに着手した徳之島町は自主防災組織の強化に力を入れるほか、海抜表示板の設置や防災マップの配布を急ぐ。
 和泊、知名、与論の各町は来年度中の改定を予定。和泊町は本年度中に海抜表示板の設置や防災マップの全戸配布を計画した。知名町は国が昨年末に改定内容を発表した防災基本計画を参考に津波対策を強化する。

「奄美遺産」を情報資源に―石上、中山、弓削氏が報告

 情報処理学会の人文科学・コンピュータ研究会が、27日から3日間の日程で奄美市で開催されている。28日は奄美市教育委員会と奄美郷土研究会の共催で研究発表会があり、人間文化研究機構の石上英一氏らが奄美の歴史文化遺産の保全、活用策や、歴史文書に基づく歴史像の再構築などについて報告。パネルディスカッションでは、収集史料のデータベース構築など情報資源化の重要性を指摘した。
 研究会には全国から約20人の研究者らが参加。石上氏と奄美博物館長の中山清美氏、奄美郷土研究会の弓削政己氏の3氏が研究発表を行った。
 「奄美遺産から日本列島を見直す」と題して報告した石上氏は、奄美諸島史研究での薩摩藩による系図文書焼棄論の誤りや、九州からの文化の南下を立証する考古学上の奄美の重要性などを指摘。「奄美諸島には多くの史料が残っている」と述べ、史料に基づいた歴史認識の再構築や奄美12市町村の連携による歴史文化遺産の全体把握を提言し、保全、活用策については情報学の専門家への協力を呼び掛けた。
 中山氏は「奄美歴史遺産データベースによる地域文化遺産の活用と保全」と題して、奄美大島各地の墓地調査を中心に地域遺産の特徴を考察。豪雨災害後の文化財レスキューの取り組みを交えて、災害に備えた収集データ保全の必要性を説いた。
 弓削氏の報告テーマは「奄美群島歴史文書の概要と歴史像の再構築」。琉球統治時代と薩摩藩直轄支配下でのノロの継承制度の変容など、新たな歴史文書を基に奄美諸島史上の新解釈を示した。弓削氏は「歴史文書から新しい歴史構造を明らかにできる」と述べ、史料の保存や調査の必要性を強調した。
 パネルディスカッションでは「歴史文化遺産とその情報資源化」をテーマに収集史料のデジタル化など、情報の共有や公開、活用について意見交換した。

学校賞に古仁屋小―ハブ咬傷予防ポスターコン

 ハブ対策推進協議会(事務局・名瀬保健所)が主催する2011年度ハブ咬傷(こうしょう)予防対策ポスターコンクールの表彰式が28日、県大島支庁と徳之島保健所であり、入賞、入選に選ばれた児童生徒に賞状を贈った。
 今回は奄美群島の小学校から637点の応募があり、審査の結果、入賞・入選計17点(低学年、中学年、高学年の各部門で最優秀賞1点、優秀賞1〜2点、入選3〜4点)を選び、前回に続いて瀬戸内町立古仁屋小学校に学校賞を贈った。
 県大島支庁の表彰式会場には「気をつけろ!近くにハブの牙」「ハブはそこに」といった標語とともに描かれたハブの絵がずらり。協議会会長の松田典久支庁長が賞状を手渡し、「ハブは自然の守り神だが、生活する上では危険。昨年は奄美大島で29人、徳之島で39人がかまれた。友達や家族に注意するよう話してほしい」とあいさつした。

1月30日(月)付 

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12年度にも掘削貫通―網野子トンネル、14年度供用開始

 奄美大島南部の国道58号網野子トンネル(延長4243メートル)の掘削工事は1月20日現在、掘削延長が2077・1メートルとなり計画のほぼ半分まで進んだ。県大島支庁瀬戸内事務所建設課によると、月間の掘削ペースは2工区で計160〜200メートルで、順調に進めば2012年度中に貫通する。トンネルの供用開始は14年度中の見込み。
 網野子トンネルは、奄美市住用町役勝から瀬戸内町勝浦までの網野子峠越えを2本のトンネルで解消する国道改築工事網野子バイパス(延長6820メートル)整備事業の主要部。先に着工した瀬戸内町勝浦―網野子の勝浦トンネル(延長1122メートル)は10年春で供用開始済み。
 網野子トンネルは役勝―網野子を結ぶ。勝浦トンネルの供用開始に続き、10年秋に掘削工事が始まり、トンネル坑口の双方向から掘り進んでいる。
 1月20日現在の掘削延長は網野子側1219・8メートル、役勝側857・3メートル。昨年春、役勝工区の掘削現場から環境基準値を上回る自然由来のヒ素が検出され、処理態勢が固まるまで同工区での工事が約3カ月中断し、進行状況に差が出ている。
 瀬戸内事務所建設課によると、両工区で断続的にボーリング調査を実施しながら掘削工事を進めている。基準値超のヒ素が検出された区画の掘削土は、国の対応マニュアルに基づいて残土処分場に2重の遮水シートで囲った処理層を設けて封じ込めている。
バイパスの総事業費は約150億円。完成すると距離にして約3キロ、自動車の移動時間は峠越えの解消もあって約10分それぞれ短縮される。

島の原風景取り戻せ―知名町正名でソテツ植栽

 島の原風景を取り戻そうと県沖永良部事務所農村整備課は29日、知名町正名でソテツの植栽を行った。地域住民が町道沿いにソテツの実約2千球を植え付け、成長を願った。
 ソテツは畑の境界や防風林のほか、食糧難の時代には食用として島民の命をつないできた。しかし近年は区画整理事業や宅地開発などで植生域が狭まっている。同課では沖永良部島らしい原風景を再生しようと昨年から植栽事業を実施。国の「水土里サークル活動(農地・水保全管理支払交付金)」の一環で約50人が参加した。
 場所は知名町総合育苗センター近くの町道小田線沿い約400メートルの区間。住民たちは小さな穴を堀り、2、3球ずつ植えて丁寧に土をかぶせた。
 森田桃愛さん(知名小4年)は「いっぱい植えたから疲れた。大きくなってほしい」と笑顔を見せた。
 同課の木山俊彦技術主査は「来年以降は集落の自主活動として継続してもらいたい」と話した。植栽活動は後日、和泊町根折集落でも実施する計画。

桜並木や森林浴楽しむ―大和村でまほろばウオーク

 第10回まほろば大和ウオーキング大会(大和村、村教育委員会主催)が29日、大和村の奄美フォレストポリス一帯であった。村内外から412人が参加し、鮮やかに色付いた桜並木を楽しみながら思い思いのペースで歩いた。
 コースは3種類。ファミリー(4キロ)、桜並木散策(6キロ)と、昨年は豪雨災害の影響で実施を見送ったマテリヤの滝まで往復するチャレンジ(8キロ)も復活した。
 雨模様の肌寒い一日となったが、雨具に身を包んだ参加者らは森林浴を楽しみながら元気いっぱいに歩き、見頃を迎えたヒカンザクラの前で記念撮影する姿も見られた。
 終了後は豚汁で冷えた体を温め、抽選会で盛り上がった。特産の福元ダイコンをはじめ、農産物や加工品などの即売コーナーもにぎわった。
 家族3人で初めて参加した碇山こずえさん(41)=奄美市名瀬=は「桜が最高でいっぱい写真を撮った。

1月31日(火)付 

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奄美支局へ統合―南3島の登記所

 鹿児島地方法務局は30日、徳之島、沖永良部、与論3出張所を廃止し、同日付で奄美支局(奄美市名瀬)に業務を移管した。海を隔てた統廃合という特殊事情を踏まえ、証明書発行請求機を離島で初めて徳之島と沖永良部島に設置、また登記官を月1回派遣してサービスの維持に努める。
 登記所の統廃合は国の行政改革の一環。国が示した適正配置基準は@登記申請件数1万5000件未満A隣接登記所への所要時間おおむね30分以内―のいずれかに該当することが条件で、3出張所は@に当てはまる。
 鹿児島地方法務局管内では2009年3月に喜界島出張所が業務を終了しており、今回で群島内の全4出張所が奄美支局へ統合された。
 登記事務(不動産登記等)は奄美支局で取り扱うことになるが、同法務局では伊仙町のほーらい館と和泊町民体育館に登記事項証明書や会社・法人の印鑑証明書を取得できる交付窓口を設置。与論では専用ファクス機を与論町役場総務企画課に備え、申請事務の時間短縮を図る。さらに派遣登記所を月1回開設し、登記申請の受け付けや登記相談に応じることとしている。
 廃止計画は当初、11年3月の予定だった。約10カ月間の延長について同法務局の藤井昇平総務課長は「対象出張所が離島であり、町長らと相談しながらサービスを検討してきたため」と説明。合同庁舎内にあった徳之島以外の沖永良部、与論各出張所跡地の活用方法については未定という。

ケナガネズミを保護―徳之島、回復願い見守るも死ぬ

 国の天然記念物で徳之島の森などに生息する夜行性のケナガネズミが29日昼すぎ、徳之島町手々集落の県道沿いで保護された。体に鳥などに突かれた傷もあってぐったりしており、同町教育委員会に引き取られたが、30日朝までに死んだ。
 ケナガネズミは国内最大のネズミ。同島と奄美大島、沖縄本島の森に生息して夜、主に樹上で活動する。背中の剛毛が長いのが和名の由来。尾が胴体より長く、半分ほど白いのも特徴。森林開発のほか、外来のマングースや捨てられて野生化した犬や猫による食害で絶滅が危惧されている。
 山裾の県道脇でうずくまっていたのを同集落の男性(65)が発見し、カラスに体を突かれていたため保護。文化財や天然記念物を担当する同町教委社会教育課の米田博久郷土資料館係長に連絡した。
 体長約20センチ、尾は長さ25センチほど。成獣とみられる。米田さんは「後ろ足は傷が深く、骨が見えていた。なぜ県道に現れたのか、原因は不明。島に動物病院はなく、獣医と連絡を取り、回復を願って状況を見守るしかできなかった」と話した。
 同町内でけがをしたケナガネズミが保護されたのは過去7年以上なく、珍しいという。奄美大島では2009年に龍郷町の県道沿いでけがをした個体が保護された例がある。
 ただ、奄美ではアマミノクロウサギなど希少動物が車に引かれたり、野生化した猫や犬に襲われたりする事例は多く、休日でも保護の連絡が取れる体制や野生動物を治療できる専門の獣医や施設の整備が課題となっている。

クロマグロしょうゆ完成―瀬戸内町で官民連携開発

 瀬戸内町産の養殖クロマグロの内臓を使ったしょうゆ「カケロマ魚醤(ぎょしょう)」の試作品が出来上がった。同町の官民連携プロジェクトで2010年に着手し、製品化に向けた実証研究が続けられてきた。プロジェクトに協力する独立行政法人水産総合研究センター瀬戸内海区水産研究所(広島県廿日市)の生産環境部環境動態グループ主任研究員内田基晴さん(農学博士)は「うま味が強く味もいい。国内の他の魚醤に比べ、高いレベルの製品になるはずだ」と話す。
 瀬戸内町は日本を代表する養殖クロマグロ産地として知られるが、製品出荷の一方で処分される内臓の量も膨大。町は「クロマグロ養殖日本一のまち」をアピールするのと並行して内臓の資源化を模索してきた。
 魚醤作りは東京農業大学(本部・東京都)と2006年締結した包括連携協定による取り組みの発展形。同大学の研究室レベルでの成果を基に、地元での実証事業に踏み出した。
 試作品作りの現場は同町薩川(加計呂麻島)にある真珠養殖会社の空き施設。町が県補助の特定離島ふるさとおこし推進事業を活用して借り、設備を順次整えてきた。
 プロジェクトの担い手は公募し、町内の食品製造販売会社奄美ヘルシーネットワーク(昌谷栄四郎代表)が受託。町内の養殖事業者から内臓を無償で譲り受け、塩の種類や量を変えたり、発酵を助長する酵素や臭みを抑える麹を入れたりと複数パターンで断続的に仕込み、手を入れながら経過観察を続けてきた。
 試作品第1号は水産総研の内田さんの助言を受けて、昨年10月仕込んだタンクで出来上がった。内田さんは「製品歩留まりを高めたり、さらに熟成させて味を整えたりと、研究と改良を続けるべき点はまだまだ多いが、3カ月でも非常にパンチのある魚醤になっている。内臓とはいえ原料はマグロで、多くが雑魚を原料とする他の魚醤との差別化も図ることができる」と可能性を強調した。
 ヘルシーネットワーク代表の昌谷さん(55)は「自分としては、まったくのゼロからのスタートで試行錯誤の繰り返し。何とかベースになりそうな物ができて、やっと一歩前進できた気持ちだ」と話した。
 町はプロジェクトを継続し、商品化のめどが付いた段階で製造事業を官から民に全面的に移す方針。加藤和正企画課長は「ベースが固まればポン酢などの加工品開発にもつながって、効果が広がっていくと期待している」と話した。
 昌谷さんと町は、地元向け普及品と本土向け高級品の両面展開を構想している。製品化に向けて地元の料理人や加工事業者らからの提案を取り入れる考えで、試作品を使った料理レシピコンテストも実施する計画だ。
 問い合わせ先は町企画課電話0997(72)1111。

2月1日(水)付 

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名瀬の日照過去最少―1月、平年の32%、19・5時間

 名瀬の月間日照時間が、中央気象台付属大島測候所として同地での公的気象観測が始まった1897年(明治30年)以降の過去最少を更新した。気象庁データによると、31日午後6時までの名瀬の1月日照時間は平年の32%の19・5時間。月間としてはこれまで最少だった1920年2月の20・3時間を下回った。沖永良部も平年の41%の35・2時間で、1969年の観測開始以降、1月としては昨年の42・7時間を下回り過去最少だった。
 曇天に覆われ季節風が強いのは奄美の冬の定番だが、今年の冬は日照時間が極端に短い状態が続いている。名瀬測候所は「冬型が緩むと張り出してくる高気圧がこの冬は奄美地方の北に偏って張り出し、南に位置する奄美地方に雲がかかりやすい状態が続いたため」という。
 日照不足は農作物に深刻な影響を及ぼしている。喜界島の生和糖業の田中康之工場長は「サトウキビは昨年5月の台風や害虫の被害で収量が落ち込んでいる上に、糖度も前期より1度くらい低い。1月以降は糖度が上がってくるはずだが、天気が悪くなかなか伸びない」と話す。
 出荷期を迎えた徳之島、沖永良部島のバレイショの収穫作業も思うように進んでいない。あまみ農協徳之島事業本部の本田肇園芸課長は「日も差さない上に雨の日が多くて困っている。雨が降らない日が3日間ぐらい続かないと収穫がはかどらない。計画に比べ10日の遅れが出ている」と話した。
 名瀬測候所が1月28日発表した2月27日までの天候見通しによると、日照時間は平年より少ない確率が40%、平年並みの確率が40%。日差しが貴重な状態が続きそうだ。

ホテル事業に進出―奄美エーストラベル

 旅行会社奄美エーストラベル(本社・奄美市名瀬小浜町、川田光弘社長)がホテル経営に乗り出す。同市名瀬塩浜町の休業中のトロピカルステーションホテルの土地・建物を購入し、3月8日、「奄美ポートタワーホテル」としてリニューアルオープンさせる。川田社長は「名瀬新港に近いという立地を生かし、特に船での来島客の利便性の充実を図りたい」と話している。
 トロピカルステーションホテルは市内の酒造会社が建設し、1980年開業。鉄筋コンクリート10階建て、延べ床面積2818平方メートル。客室80室、収容人員101人(広間2室含め180人)。
居酒屋、展望レストラン、サウナ、大浴場を備えている。一昨年浮上した事業譲渡話が頓挫し、昨年10月中旬から休業している。
 川田社長によると、エーストラベルには昨年末、金融機関を通じて譲渡話の打診があった。同ホテルの休業以降、市内のホテルから宿泊客があふれる日が多々あり、川田社長は「誰かホテルの引き受け手が出てきてくれないかとの思いを募らせていた」という。
 入り込み客を増やそうと群島外に営業所を構え、イベントの誘致にも力を入れてきた同社にとって、地元での客室数減は営業戦略に影響が及ぶ。川田社長自身、名瀬新港に朝と夜に着く定期船の下船客の利便性向上を図る必要があるとの思いを抱き続けてきたこともあり、打診を引き受けたという。
 現在、内装の改修工事を進めており、オープニングスタッフとなる従業員20人程度も募集中。予約受け付けはインターネットを含め今月10日ごろから始める。
 奄美エーストラベルは1996年、川田社長が創業。現在、鹿児島、大阪を含め島内外に旅行代理店5店舗を展開している。レンタカー、貸し切りバスなどの事業を含めグループ従業員は計39人。

中村(天満屋)ら50人来島―徳之島で選抜強化合宿

 陸上の日本実業団女子長距離冬期選抜強化合宿で31日、選手団約50人が空路徳之島入りし、空港ロビーで天城町の関係者らが歓迎した。徳之島での同合宿は7年連続7回目。選手たちは世界へのステップアップを目指し、9日まで天城町のクロスカントリーパークや尚子ロードなどで走り込む。
来島したのは、天満屋の武冨豊監督や2008年の名古屋国際女子マラソンを制した中村友梨香ら強豪14チームの選手と監督ら。選手たちは走り込んで脚力やスタミナを強化し、3月に山口県であるハーフマラソンや名古屋国際マラソンに臨むという。
 一行は鹿児島経由で3グループに分かれて徳之島に入り、天城町の役場や観光協会、体育協会が出迎えた。第1陣は午前11時50分に到着し、同町の森田弘光副町長は「実りある練習を積み重ね、世界へ羽ばたいてください」と激励した。
 日本実業団連合の強化委員を務める高木孝次・十八銀行監督は「徳之島は温暖な気候に加え、どこにも負けないクロスカントリーコースや距離を表示した尚子ロードが魅力」と話し、西見陽子選手(十八銀行)は「マラソン初挑戦の名古屋国際へ向け、アップダウンのあるロードで走り込みたい」と意欲を語った。
 11年度に天城町でのスポーツ合宿を決めているのは、陸上を中心に19団体延べ372人。全日本実業団対抗女子駅伝を制した第一生命も年末に入っており、今回は2位のパナソニックをはじめ同駅伝上位入賞チームが顔をそろえた。

2月2日(木)付 

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ブランド確立を誓う―タンカンはさみ入れ
 奄美大島のタンカンはさみ入れ式(JAあまみ大島事業本部主催)は1日、龍郷町浦の岡山俊一さん(49)の果樹園であった。今期のJA共販計画量は台風や相次ぐ豪雨被害の影響で、前期の4分の1に当たる過去最低の26d。生産者らは新選果場が稼働する来期を見据え、奄美タンカンのブランド確立へ誓いを新たにした。
 はさみ入れ式でJAあまみ大島事業本部果樹部会の元井孝信部会長は「タンカン農家が待ちに待った日が来た。来年稼働する新選果場に向けてもう一度組織を立て直し、販売戦略を農協と練り直していこう」とあいさつ。県大島支庁の上薗俊弘農林水産部長や川畑宏友龍郷町長ら関係機関の代表がはさみを入れて初取りのタンカンを手にした。
 奄美大島全体のタンカン生産量は例年千d前後。関係者によると、昨年5月の台風2号や9月と11月に発生した豪雨被害などの影響で、収穫は例年の2〜3割程度だという。天候不順により酸切れも遅く収穫も例年より遅れる見通し。
 流通量の減少で価格は高め。JA果樹部会は、若手農家で組織する奄美柑橘(かんきつ)クラブを中心に、盗難防止などを目的としたパトロールを収穫期間中に実施していく。
最優秀は先間さん―和泊町で切花品評会
 和泊町切り花品評会(同実行委員会主催)が1日、町民体育館であり、花卉(かき)農家の出品した5部門計101点を審査した。各部門金賞から選ばれる最優秀賞は先間邦彦さんのグラジオラスに決まった。
 部門別出品数はキク46点、ソリダゴ15点、テッポウユリ・オリエンタル17点、グラジオラス6点、トルコギキョウ・クジャクソウ17点。仮屋崎義友審査委員長や市場27社の代表、花き専門農協職員らが草姿、商品性など5項目を基準に審査した。
 1月の日照不足の影響が見られる中、審査員からは「どれも僅差。他産地と比べても劣らない」(キク)、「全体にボリュームがあり非常に良かった」(ソリダゴ)など質の高さを評価する声が上がった。
予選審査会始まる―奄美民謡大賞
 第33回奄美民謡大賞(南海日日新聞社など主催)の予選審査会が1月22日の鹿児島会場を皮切りに始まった。予選は関東、関西を含む6会場で3月上旬まで行われ、本選への出場を懸けて194人が挑む。本選審査会は奄美市で6月16日に開催する。
 予選審査会は鹿児島、喜界島(同29日)に続いて、東京(2月11日)、兵庫(同12日)、徳之島(同26日)、奄美大島(3月4日)で行われる。
 喜界町自然休養村管理センターであった予選審査会には少年、青年の2部門に計7人が出場。日ごろの練習の成果を発揮しようと、緊張した表情でビデオ収録に臨んだ。
 本選出場者は4月中旬に決まる。本人に郵送で通知するほか、本紙紙面でも発表する。

2月3日(金)付 

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奄美大島全域で停電―夕食時、最大4万戸

 2日午後7時16分ごろ、奄美大島全域の4万戸で停電し、最大で5時間以上、電気がストップした。夕食時や交通量も多い時間帯を襲ったライフラインの寸断。ドライバーは信号の消えた交差点で車を慎重に走らせ、住民は懐中電灯などの明かりで食事を囲むなど不安な夜を過ごした。営業休止を余儀なくされる店舗も出るなどの混乱も発生した。
 九州電力鹿児島支店広報部によると、停電は加計呂麻島、与路島、請島を含む奄美大島の約4万戸で発生し、全体の81・6%に及んだ。奄美市の名瀬発電所で何らかのトラブルがあったとみて原因を調べている。停電に伴い、島内の約6割の電気を賄っている竜郷発電所からの配電が一時ストップした。同発電所と奄美大島南部との中間にある名瀬発電所に何らかの原因があることが分かった。
 停電の詳しい原因調査を進める一方、復旧のために新住用川発電所や古仁屋発電所も稼働させた。
 奄美大島の主要幹線道路などでは信号機の停止が相次ぎ、交通にも影響が出た。奄美市名瀬の市街地周辺道路では、ハザードランプをつけて道路脇に車を停車させたり徐行するドライバーの姿が多く見られた。歩行者の中には、手を上げながら足早に横断歩道を渡る姿も。警察が警戒パトロールや交差点で交通整理に当たり、対応した。
 仕事を終え、帰宅途中だった同市名瀬小浜町の会社員女性(37)は「突然、信号機や回りの電気が消えて何が起きたか分からなかった。ラジオも聞けない状態が続いて情報が入らず、不安だった」と話した。
 奄美市名瀬真名津町のタイヨー平田店では、停電のため一時営業を休止した。非常灯だけになった薄暗い店内ではスタッフらが店頭に並んでいた鮮魚などの生鮮品を冷蔵庫に移し、冷蔵食品の陳列棚をビニールで覆うなど、商品の劣化を防ぐための対応に追われた。電気が復旧した午後8時20分ごろに営業を再開。店員の男性は「生鮮食品や冷凍品は電気がないとどうしようもない。他の店舗がまだ停電しているので心配だ」と話した。

豊かな森、次世代へ―大和村で群島植樹祭

 「私たちの手で育てよう!ふるさとの森」をテーマとした第55回奄美群島地区植樹祭は2日、大和村の奄美フォレストポリスであった。林業関係者や行政などから約200人が参加してヒカンザクラなど250本余りを植樹。森林整備による地球温暖化防止など4項目のスローガンを採択した。
 植樹祭は緑化思想の高揚と地域林業の振興を目的に隔年で開催。式典に合わせて森林・林業功労者らを表彰している。
 主催者を代表し、県大島支庁の松田典久支庁長は「環境省は今後5年間を目途に奄美の世界自然遺産登録を目指すとしており、県としても林業生産活動と自然保護の両立を関係機関と図っていきたい。植樹祭が豊かな森林を次の世代に引き継いでいくことの契機となるよう祈念する」とあいさつ。伊集院幻大和村長の歓迎あいさつに続き、各賞の授与式などがあった。
 かごしまみどりの基金から伊集院村長へ目録の贈呈後、@奄美産材の安定的な供給体制を構築し、林業・木材産業の活性化を図る―などとするスローガンを拍手で採択した。
 式典後、参加者はヒカンザクラ150本、スモモ100本、モッコク17本を全員で植樹して森林資源の整備、保全を祈念した。

「奄美島唄学校」を刊行―徳之島町の指宿邦彦さん

 徳之島町にある音楽教室「奄美音楽舎ミュージックワイド」代表の指宿邦彦さん(58)=同町亀津=はこのほど、「奄美島唄学校〜島唄が聴こえたら、そこは『奄美』になる」を刊行した。奄美の島唄が全国で注目を浴びている背景など「島唄文化をできるだけ分かりやすく書いた」と話し、島唄初心者の入門書と位置付けている。
 指宿さんは、セントラル楽器梶i奄美市名瀬)の元島唄企画室長として多くの唄者のレコーディングや専門書編集などに携わった。本書はそうした経験を持つ指宿さんの「島唄観」などをつづったもの。学校の修学過程になぞらえ「入学式」から「前期」、「自習時間」、「自主制作」、「後期」、「卒業式」まで7章で構成した。
 自習時間の章では、島唄を取り巻く環境の多様化を挙げ「固定化された歌詞と曲で何十年も歌い続けるのは島唄の懐メロ化現象でしかない。これでは飽きられるし、確実に衰退する」と指摘。「島唄は変えてもよい唄ではなく、変えなくてはいけない唄」と、島唄文化の持続発展に向けた持論を展開している。
 価格は1470円(税込み)。問い合わせは電話0997(82)2563ミュージックワイドか、電話0997(52)0530セントラル楽器。

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