September

●フヨウ開花 南国奄美に秋を告げる花。九州以南から中国にかけて分布するアオイ科の落葉樹。直径10センチほどの花は薄いピンク色を帯び、10月から11月に開花のピークを迎える。



●アカハラダカ群舞 体長約30センチの小型猛きん類。春から夏にかけて朝鮮半島などで繁殖し、秋に越冬のため東南アジアへと数千キロ南下する。9月になると喜界島の百之台周辺で群舞しているのが観察される。


●八月踊りのシーズン
 夏祭りが終わり一息つくと、奄美は郷友会による八月踊りのシーズンを迎える。奄美市名瀬市街地の公園や広場では夜な夜な歌やチヂンのにぎやかな音が夜空に響き、踊りの宴が遅くまで繰り広げられる。


●「ショチョガマ」「平瀬マンカイ」 奄美大島随一の田袋で知られる龍郷町秋名集落のアラセツ行事。旧暦8月の丙(ひのえ)の日に集落の山と海の祭事場で行われる五穀豊穣を祈る行事。国の重要無形民俗文化財。
 
       ショチョガマ                   平瀬マンカイ


●油井豊年踊り 瀬戸内町油井集落で旧暦8月15日に行われる豊年踊り。県の重要無形文化財で、面をかぶった男たちが稲刈り以後の作業をユーモラスに演じるのが特徴。豊作を祝う素朴な舞が次々と披露される。


   October


●サシバ飛来
 ワシタカ科の仲間で全長約50センチ。「寒露のサシバ」と言われるようにミーニシ(新北風)とともに奄美地方に飛来し、一休みした後、東南アジアまで南下する。一部は奄美で越冬し、3月ごろまで過ごす。「ピックイー」と甲高い鳴き声を響かせ、南国・奄美にも本格的な秋の訪れを告げる。




●諸鈍シバヤ
 瀬戸内町諸鈍集落に伝わる国の重要無形文化財。旧暦9月9日に平資盛を祭る大屯神社で勇壮、こっけいな舞を奉納する。


●今井大権現祭 旧暦9月9日、龍郷町安木屋場で行われる、無病息災を祈願する神事。今井大権現神社には「太古の竜宮(女神)が神代の始まり」との伝えがあり、自然の神と交信できるというユタが自然界の神々に祈りをささげる。


●種おろし
 1年間の祭りの締めくくりとして奄美大島の各集落で行われる祭り。各家庭を踊り清めるため、民家の庭先で夜更けまでにぎやかに踊りが続く。本来の意は来年の豊作を祈願する稲作行事の一つだが、現在は集落の繁栄を祈り、住民の親ぼくを深める場として継承されている。


●リュウキュウスズカケ開花 奄美大島や喜界島、沖縄本島にだけ分布する。レッドデータブックは絶滅種に位置付け、鹿児島県も絶滅危ぐ種に指定している。ゴマノハグサ科の多年草。清そな白い花が緑に映え、奄美の秋の深まりを告げる。


   November

●ヤッコソウ開花 例年11月から12月にかけて開花する。ピンクがかった色。花を開いた姿が大名行列の奴(やっこ)に似ていることからその名が付いた。シイの木の根に群生する多年生寄生植物。地表面からの高さ約3センチ、直径1センチぐらい。


   December


●イザリ漁
 12月に入ると奄美地方は夜間の潮位が大きく低下、人々がサンゴ礁の潮だまりを歩いて魚介類を捕る姿が多く見られるようになる。「ヤミシュ、ハツドレ」(闇夜の漁や数日続いた時化が凪いだ夜の漁は大漁になる)との言い伝えがある。


●ポンカン収穫
 
初旬に主産地・奄美大島の農園のあちらこちらで色付いた果実を収穫する姿が見られる。お歳暮や贈答用として需要が高く、出荷のピークは下旬。


●ユワンツチトリモチ開花
 湯湾岳の深い森の中で落ち葉の間からイチゴのような花が顔をのぞかせ、一味違った師走の息吹を感じさせる。ツチトリモチ科の仲間で、奄美の固有種。高さは7−10センチ、開花のピークは12月ごろ。鹿児島県のレッドデータブックで絶滅の恐れがある植物に挙げられている。