「伝泊」事業、徳之島に6棟 伝統的建築、空き家を宿に

「伝泊」の一環で宿泊施設としてオープンした「海みるテラスの宿」=23日、伊仙町古里

「伝泊」の一環で宿泊施設としてオープンした「海みるテラスの宿」=23日、伊仙町古里

 設計事務所・奄美イノベーション㈱(奄美市笠利町、山下保博社長)は23日、天城、伊仙両町内の空き家を改修した宿泊施設6棟の内覧会を開いた。施設は伝統的な建築様式と集落、文化を次世代へつなぐ同社事業「伝泊」の一環。山下社長(58)は「観光客と地元住民との出会いの場になり、宿泊施設の裾野が広がれば」と期待を寄せた。

 

 伝泊は同社の造語。築50年以上の物件を調査し、水回りなど一部をリノベーションする。古民家は同社が借り上げ、改修費用も同社が負担。所有者は家を手放すことなく、定額収入を得ることができる。2016年の笠利町施設を皮切りに、奄美内外で展開している。


 徳之島では昨年12月に島内の空き家調査を実施。改修を経て6月1日に天城町与名間に「海亀ビーチの宿」、23日に同町松原の「サンゴ石小屋のある宿」、伊仙町古里の「海みるテラスの宿」と「時うつろう小屋組の宿」がオープンした。7月中旬には伊仙町古里と天城町高釣に各1棟オープン予定。


 施設はいずれも海岸近くにあり、波の音を聞きながらゆったりと過ごすことができるのが特徴。1棟貸しで、運営は同社、管理は地元スタッフが行う。


 内覧会には地元住民らが訪れた。海みるテラスの宿の所有者で自営業の新町義臣さん(44)=鹿児島市=は「海が見えるロケーションで島らしい暮らしの一部を体感してほしい」と話した。


 伝泊施設は23日現在、奄美大島、加計呂麻島、佐渡島、徳之島で計14棟。年内に奄美大島、喜界島などで計10棟がオープン予定。来年は沖永良部島、与論島での展開も計画している。山下社長は「将来的には伝泊と地域包括ケアを複合した施設を奄美群島各島に整備したい」と語った。


 宿泊料(1泊税込み、素泊まり)は▽時うつろう小屋組の宿が1人1万5552円、2人以上利用の場合1人1万368円▽残る3施設は1人1万8966円、2人以上利用の場合1人1万2528円。自炊可能。


 問い合わせは電話0997(63)1910奄美イノベーションへ。