「富山丸」慰霊祭 徳之島町

祭壇に献花して犠牲者のみ霊を慰める遺族ら=17日、徳之島町亀徳

祭壇に献花して犠牲者のみ霊を慰める遺族ら=17日、徳之島町亀徳

 太平洋戦争中の1944年6月、徳之島沖で米軍潜水艦に撃沈された輸送船「富山丸」の第56回戦没者慰霊祭が17日、徳之島町亀徳のなごみの岬公園であった。全国から遺族70人が参列。戦争の犠牲となった3724柱のみ霊を慰め、恒久平和への誓いを新たにした。

 

 慰霊祭には地元関係者を含め125人が出席した。参列者全員で黙とうをささげた後、高岡秀規町長の祭祀(さいし)に続いて、遺族会参拝団長で関東地区遺族会の杉田明傑さん(78)=千葉県船橋市=が「今日の平和と繁栄は皆さまの尊い犠牲の上にあることを忘れることなく、英知を持って子孫に伝えていくことが私たちの務め」と述べ、犠牲者の冥福を祈った。

 

 参列者全員で祭壇に献花。遺族らは「お父さん今年も会いに来ました」「家族を温かく見守って」「安らかにお眠りください」と手を合わせて語り掛けた。献花後は全員で「ふるさと」を合唱して犠牲者をしのんだ。

 

 関東地区遺族会の川南廣展さん(83)=東京都町田市=は、お礼の言葉で慰霊祭を開催する町に感謝の意を示した上で、高齢化が進む遺族会の維持を課題に挙げ「世界平和のため、戦争の悲惨さを次の世代に語り継いでバトンタッチしながら、慰霊祭を継続させていきたい」と訴えた。

 

 遺族会主催で64年から続いた慰霊祭は、遺族の高齢化を背景に、半世紀の節目に遺族会全国連合会が解散したため、2014年から地元の徳之島町の主催で行われている。