ケンムン放送局を開設 奄美市笠利町 ばしゃ山村

ケンムン放送局。バショウ布を着てパーソナリティーを務める奥社長(右)

ケンムン放送局。バショウ布を着てパーソナリティーを務める奥社長(右)

 「来年、世界自然遺産登録が実現すれば奄美と沖縄はつながる。音で交流を後押ししたい」。奄美市笠利町用安のリゾート施設ばしゃ山村(奥篤次社長)は先月下旬、「ケンムン放送局」(有線)を開設した。お互いの音楽を流し、歴史や文化を語り、交流促進につなげる。

 

同村の山手はニャトグスク(湊城)と呼ばれ、敷地内には琉球王尚清の時代、奄美大島を治めた大親の一人与湾大親(1537年没)の墓がある。用安集落には昨年4月再建された与湾大親神社も。歴史的に沖縄とつながりの深い地域だが、奥社長(73)は「大河ドラマ『西郷どん』の影響などもあって最近奄美は鹿児島一色の感じがする。薩摩と琉球、双方の歴史や文化があるのが奄美の空気感。原点を忘れないようにとの思いも込めて琉球の民謡と奄美のシマ唄や新民謡などを施設内で流すようにした。島の原点に沿ってやっていくと実になるし、長続きする」と話す。

 

 約6万6千平方㍍の敷地の屋内外6カ所にスピーカーを配置。先月25日から放送を始めた。パーソナリティーは奥社長自ら務め、方言と標準語が混ざったトン普通語で進行する。「方言で話す方がやさしいが、分からない人も多い。トン普通語で話すのはぎこちないが、そこが笑いを誘っているよう」(奥社長)。

 

 音楽のほか、島の情報、干満の時刻、施設内の催し物などを紹介。今後は来島者との対話や専門家のトークなども計画している。同施設は創業47年。海側にホテル、プール、レストラン、マリンレジャー施設、山手に国指定有形文化財の古民家や焼き物、ライブハウス、キャンプ場などのケンムン村を整備。島の自然と歴史・文化を体験できる場として年間約10万人が訪れる人気スポット。

 

ばしゃ山村の敷地内に祭れている与湾大親の墓

ばしゃ山村の敷地内に祭れている与湾大親の墓