ナリムチにコロナ収束願う 奄美各地

坂下さんの店で飾り付けられたナリムチの枝を買い求める女性客=11日、奄美市名瀬

坂下さんの店で飾り付けられたナリムチの枝を買い求める女性客=11日、奄美市名瀬

 14日は奄美大島の新春の風物詩「ナリムチ」。島内の各商店には、色とりどりの餅が飾られたブブ木(リュウキュウエノキ)が並び、客の目を和ませている。五穀豊穣(ほうじょう)や無病息災を願い、仏前や墓前に供える風習。今年は新型コロナウイルスの収束を願って買い求める客の姿も見られた。

 

 ナリムチは1月14日にブブの木に餅を刺し、家や墓にささげる。現代は染料で染めた赤、黄、緑、白の4色の鮮やかな餅だが、かつてはヨモギを混ぜたフチモチや、黒砂糖を混ぜたサタムチだったという。餅と枝を別々に購入し、自宅で飾りつける家庭も多いが、近年ではすでに飾り付けられたものを購入する家庭も増えている。

 

 ナリムチは白金が木になるということを意味し、商売を営む家では大きな枝のナリムチが飾られた。一方、年を越すまで飾り付けたり、風邪を患っているときにナリムチの下で寝ると風邪が長引く、とも言い伝えられている。

 

 奄美市名瀬金久町の坂下トシ子さん(70)は毎年、ナリムチを販売するためだけに、年間4日間だけ店をオープン。壁掛けのオリジナルナリムチも販売している。勤め先の病院の受付に飾りたい、と買い求めた市内の看護師(60)は「新型コロナウイルスに負けないで、と患者さんから手紙をいただく。お礼を伝える手段がないので、せめてこのナリムチを飾り、キバリンショロー(がんばろう)と伝えたい」と話した。