バス空白地帯ゼロへ実証運行 打田原・前肥田地区に乗り合いタクシー 奄美市笠利町

前肥田・打田原地区を対象にデマンド交通実証運行がスタート=2日、奄美市笠利町

前肥田・打田原地区を対象にデマンド交通実証運行がスタート=2日、奄美市笠利町

 バス路線のない地域の交通手段確保につなげようと奄美市は2日、笠利町打田原・前肥田地区で事前予約制のデマンド交通実証運行をスタートした。週3回、鯨浜を含む3集落と赤木名地区を結び、乗り合いタクシーを運行させる。来年3月末まで半年間かけて利用需要を調査し、持続可能な運行手法を探る。

 

 市笠利総合支所産業振興課によると、打田原・前肥田地区は町内で唯一バス路線のない地域公共交通空白地帯。地元では以前から開通要望が上がっていた。2017年3月に市道手花部打田原線の道路拡幅工事が終了し、3集落を周回するコース設定が可能になったことから実証運行に踏み切った。

 

 具体的には、㈱三井タクシー(本社・奄美市笠利町里、里高志社長)が電話予約(1週間前から前日午後5時まで)を受けて乗り合いタクシーを走らせる。

 

 ダイヤは火、木、土曜の週3回で1日4便。各集落から▽名瀬市街地や空港へ接続する「手花部バス停」(料金1人200円)▽赤木名地区のAコープから笠利診療所までの区間(同400円)―を結ぶ区域。集落内は経路上のどこからでも乗降可能。3集落間も200円で利用できる。

 

 希望者はあらかじめ市への利用申込書提出が必要となる。2日現在で3集落63世帯105人のうち、23世帯37人が登録した。

 

 利用者第1号の照幸喜さん(86)、礼子さん(82)夫妻は、自宅のある打田原からAコープまで乗車した。2人は「買い物や郵便局など赤木名での用事も多く、車のない人にとっては大変。続けてほしい」と語った。

 

 実証運行は市地域公共交通網形成計画(18~22年度)に盛り込まれた取り組み。市は毎年約3千万円の運行補助金を投じており、計画では別路線の車両を小型化するなどして経費削減を図り、今回の事業予算に充てた。市商水情報課は「登録者アンケートも実施したい。より多くの利用を」と呼び掛けた。