ブラジルの姉思い、W杯観戦

思い出の写真を手に姉とブラジルを思う泉さん(右)=21日、宇検村芦検

思い出の写真を手に姉とブラジルを思う泉さん(右)=21日、宇検村芦検

 ブラジルで開かれているサッカーのW杯(ワールドカップ)を特別な思いで観戦している人々が奄美にいる。かつてブラジルに移住し、帰国した人、ブラジルに移住した家族がいる人々だ。宇検村芦検の泉ノブさん(85)はサンパウロにいる姉の島田シズエさん(88)=芦検出身=と家族を思う。
 シズエさんは1958(昭和33)年7月、夫と4人の子ども、弟と一緒に新天地を求めてブラジルに移住した。当初はコーヒーやトマトを栽培する農園で働き、苦労したという。その後、成功してサンパウロに移り住んだ。
 泉さんは1997年、ブラジルを訪ねた。再会を喜びあった。そして姉と、その家族と共に各地を観光し、サンパウロのシンボル「ゴルゴダのキリスト像」も見た。その後も電話のやりとりが続いている。
 今回、W杯がブラジルで行われることになり、泉さんは喜んだ。「姉のいる国、町がテレビに映る」。同時に、事件や事故の報道も気になった。「あなたたちの所は大丈夫」と聞くと、「私たちは治安のよい安全な地域に住んでいる」と聞き、安心した。
 シズエさんの住む家からは試合会場(サンパウロ・アリーナ)が見えるという。泉さんが「日本とブラジルが対戦したら、どちらを応援する」と聞いたところ、シズエさんは「半々」と答えたという。泉さんは「日本を応援すらんば」と返した。
 泉さんは姉との思い出を重ねながら、テレビで見る日本の試合、ブラジルの風景を楽しんでいる。「孫(泉秀義さん)と一緒に撮った写真を送りたい」と笑顔を見せた。