マングローブパークに世界自然遺産センター

世界自然遺産センターを整備する方針が明らかになったマングローブパーク=30日、奄美市住用町(本社小型無人機で撮影)

世界自然遺産センターを整備する方針が明らかになったマングローブパーク=30日、奄美市住用町(本社小型無人機で撮影)

 環境省は30日、今年夏の世界自然遺産登録を見込む奄美大島で、奄美市住用町の「黒潮の森 マングローブパーク」内に「奄美大島世界自然遺産センター(仮称)」を直轄整備する方針を明らかにした。来訪者に遺産の価値となる貴重な生態系や生物多様性について紹介し、環境保全の普及啓発や観光利用の中核となる。同省那覇自然環境事務所の東岡礼治所長は2019年度に基本計画の策定に着手する方針を示し、「奄美の保全活動や情報発信の拠点にしたい」と述べた。

 

 同日に奄美市名瀬で開かれた学識経験者、奄美群島12市町村の首長と国、県など関係機関の代表でつくる奄美群島世界自然遺産候補地保全・活用検討会(座長・小野寺浩大正大学地域構想研究所教授、委員17人)の会合で同省が明らかにした。

 

 世界自然遺産センターは遺産管理の拠点施設として、遺産の価値や自然の見どころを紹介する総合的なインフォメーションの機能を果たす。来訪者に希少な動植物について解説し、遺産地域の利用ルールの事前周知や盗掘防止、外来種対策などの取り組みを紹介し、環境保全と適正利用を促進する役割を担う。

 

 マングローブパークは旧住用村が01年7月に整備した自然回帰型の交流・観光拠点施設。敷地面積8㌶。奄美群島国立公園特別保護地区のマングローブ原生林に隣接する。

 

 希少な動植物を紹介・展示するメイン施設のマングローブ館やカヌー乗り場、展望台などを備える。カヌー体験が人気の観光スポットとして知られ、遺産区域となる森林が広がる同島中南部方面へもアクセスしやすい。

 

 同省によると、世界自然遺産センターは一部改修を予定している同パークと連携して整備を進める。新施設には同省奄美自然保護官事務所の奄美市事務所を開設する。運営管理は地元自治体と同省で設立する協議会が担う。

 

 昨年3月に誕生した奄美群島国立公園のビジターセンターとしての機能を併せ持ち、自然を保全する法的規制や、自然と人の密接な関わりが育んだ暮らしの文化「環境文化」についても理解、学習できる施設となる見込み。

 

 同省は18年中に奄美群島国立公園地域整備計画を策定する方針。奄美大島、徳之島の世界自然遺産センターのほか、遺産区域で自然体験をしたり、利用をコントロールするためのサブ拠点施設も含め、群島内での今後10年間の国立公園に関する施設の整備計画を盛り込む。