レンタカー事故急増 4年で3倍、台数1・5倍に 背景に観光客、考慮し運転を

奄美市名瀬の永田橋交差点。住民の運転車両に混じって毎日多くのレンタカーが行き交う=10日

奄美市名瀬の永田橋交差点。住民の運転車両に混じって毎日多くのレンタカーが行き交う=10日

 奄美群島でレンタカーが絡んだ交通事故が増えている。群島内4署の統計を基に南海日日新聞がまとめたところ、2013年に68件だったレンタカー事故は、17年には188件と大幅に増えた。18年は6月末時点で112件(前年同期75件)で増加傾向が続いている。交流人口の増加に伴い交通事故のリスクが高まる中、各署はレンタカー事業者に対し、安全運転の声掛け強化を求めている。(西谷卓巳)

 

 17年に発生したレンタカー事故の群島各署別は▽奄美124件(13年44件)▽瀬戸内24件(同4件)▽徳之島25件(同14件)▽沖永良部15件(同6件)。

 中でも奄美署・瀬戸内署管内(奄美大島、喜界島)での増加が顕著だ。18年は6月末時点で、すでに奄美署管内69件(前年同期55件)、瀬戸内署管内22件(同8件)。瀬戸内署管内は17年分に迫る勢いだ。

 

 瀬戸内署の柳澤史敏交通課長は事故増加の背景に観光客の増加があるとみている。「(事故の)原因は前方不注視や安全不確認が多い。土地勘がないことや風景に気をとられることなどが要因になっているのだろう」と分析。地元住民から「レンタカーの走行速度が速い」といった声も寄せられているという。

 

 奄美署の大川隆則署長は管内のレンタカー事故増加に危機感を抱く。6月末にあった奄美警察署協議会では「観光客は風景やカーナビを注視しがちになる。急な右左折や減速をすることもある。地元のドライバーも観光客の不案内を考慮した運転をする必要がある」と注意を呼び掛けた。

 

 徳之島署管内(徳之島)は15年まで10件前後で推移していたが、16年16件、17年25件と増加。18年は6月末時点で11件(前年同期8件)。同署は▽普段運転する車との車両感覚の違い▽狭い町道など地理不慣れ―が原因とみている。

 

 沖永良部署管内(沖永良部島、与論島)では16年25件、17年15件と減少傾向がみられたが、18年は6月末時点で10件(前年同期4件)と前年を上回るペースで推移している。同署によると、駐車場内で駐車車両やブロック塀などにぶつかる事故が目立つという。

 奄美群島の17年入域客は61万9533人で過去最多を記録した。九州運輸局鹿児島運輸支局によると、レンタカー車両数も増加を続け、過去最高の水準だ。LCC(格安航空会社)の成田―奄美就航前の13年度末が690台。それが17年度末には1095台と1・5倍になった。

 

 観光客が増えれば、レンタカーも増え、交通事故のリスクは高まる。観光の思い出が台無しになる事態を避け、住民生活の安全安心を守るためにも、関係機関の一層の連携が求められている。

 

 そして観光客へ。瀬戸内署の柳澤交通課長は不慣れな土地での運転について、こう促す。「緊張感を持って運転し、安全な場所に停車して休憩を取りながら風景などを存分に満喫してほしい」