一村の功績を後世に 田中一村命日に「一村忌」 奄美市名瀬有屋

田中一村の遺影にソテツの葉をささげ、冥福を祈る一村忌の参加者=11日、奄美市名瀬

田中一村の遺影にソテツの葉をささげ、冥福を祈る一村忌の参加者=11日、奄美市名瀬

 晩年を奄美で過ごした孤高の日本画家・田中一村(1908~77)の命日に当たる11日、奄美市名瀬有屋の一村終焉(しゅうえん)家屋で、一村をしのぶ「一村忌」が行われた。地元有志ら15人が参加し、現存する家屋を前に、ここで暮らした在りし日の一村に思いをはせた。

 一村を顕彰する「一村会」(美佐恒七会長)が1989年から毎年開催し、今回で32回目。今年は新型コロナウイルス感染予防のため、屋内では行わず、縁側に一村の遺影と祭壇を設け、ソテツの葉をささげて冥福を祈り、献杯した。

 一村の功績を次代に伝えるため、「一村キッズクラブ」を今年結成した田中一村記念美術館の有川幸輝学芸専門員は「一村の絵から伝わる情熱や己を貫き通す生き方など、絵にかける熱量を子どもたちにも感じてほしい」と話した。

 一村は1908(明治41)年、栃木県生まれ。7歳から南画を描き将来を嘱望されたが、中央画壇と一線を画し、清貧の中で画業に打ち込んだ。58(昭和33)年、50歳で奄美大島に移住。大島紬の染色工をしながら数々の傑作を残した。