丸太で牛舎柵造り挑戦  ベテラン大工との出会いで実現  瀬戸内町の里山さん

丸太での牛舎柵造りを進めている(左から)里山太一さんと岩切哲さん=18日、瀬戸内町勝浦

丸太での牛舎柵造りを進めている(左から)里山太一さんと岩切哲さん=18日、瀬戸内町勝浦

 瀬戸内町勝浦の里山畜産代表里山太一さん(38)は、丸太を使った牛に優しい牛舎造りに取り組んでいる。工事を任されたのは同町の大工、岩切哲さん(70)。里山さんの思いを受け、くぎやねじを使わない昔ながらの工法を採用。たった1人で50頭の生産牛を飼養する牛舎の回転柵造りを進めている。奄美大島では丸太を使った牛舎は珍しく、里山さんは「牛に優しく低コスト、見た目もいい木造の良さを知ってほしい」と話している。

 

 里山さんが同集落に牛舎を建てたのは2006年。鉄骨造りで幾多の台風も乗り越えた頑丈さは十分だったが、常に牛のふん尿が付く回転柵の腐敗は早かった。折れた鉄柵の隙間に牛が頭を突っ込んだり、先端に鼻環を引っ掛けたりと、目が離せない状況が続いていた。

 

 牛のけがが原因で競り価格が下がり、大きな損失が出たことを機に牛舎改造を決意。大工を探していたところ、今年に入って偶然、岩切さんと出会った。岩切さんは宮崎県出身で大工歴50年余りのベテラン。島の海に魅了されて昨年9月、同町に移住したばかりだった。

 

 里山さんは岩切さんの職人魂に、岩切さんは里山さんの畜産への熱意にほれ込みすぐに意気投合。2週間後には2人で喜界島を訪れ、先輩農家の木造牛舎を視察した。

 

 岩切さんは奄美大島に戻ると、ふるさと宮崎県から水に強く丈夫なオビスギの丸太150本を取り寄せ、作業を始めた。里山さんの思いに近づけるため、「いかに丈夫にきれいに造るか」にこだわり、接続部はくさびや込み栓で固定するなど気を配った。

 

 1月から取り組んだ牛舎改築は6月末に完成予定で、里山さんは「以前から木造にしたいという思いはあったが、なかなかできなくて。岩切さんに出会えたことに感謝したい」、岩切さんは「人は第一印象が大事。里山さんの畜産に取り組む姿勢がいいと思った。タイミングよく出会えてよかった」と笑顔で話した。