伝統の垣起こし 瀬戸内町木慈

石垣を修復する児童ら=7日、瀬戸内町木慈

石垣を修復する児童ら=7日、瀬戸内町木慈

 瀬戸内町加計呂麻島木慈集落(小田悦郎区長、3世帯6人)で旧暦5月5日(ゴガツゴンチ)に当たる7日、垣漁で使う石垣を修復する「垣起こし」があった。住民や地域の児童ら16人が参加。同集落ならではの伝統行事を体験し、先人の苦労や知恵を学んだ。

 

 垣漁は、海岸に石垣を積み上げ、干潮時に逃げ遅れた魚を網などで捕る素朴な漁法。波穏やかな海岸線を持つ同町をはじめ、笠利町や龍郷町の湾岸で行われていた。木慈集落の垣漁跡は町の文化財(記念物)に指定されている。

 

 木慈集落では現在、垣漁はしなくなったが、薩川小学校(下薗聡校長、児童8人)の協力を得て垣起こしを続けている。この日参加した児童は、小田区長(58)から垣漁や垣起こしのやり方を学んだ後、石を積み直す作業を手伝った。3年の井上海維君(9)は「2回目の参加で、垣漁についていろいろ学べた。昔の人はこういう漁法で本当に魚が取れたのか、一度見てみたい」と話した。

 

 小田区長(58)は「子どもの頃はまだ海が豊かで、小魚を追って入ったイカやタコのほか、貝類もたくさん取れた。今は住民が少なくなり、垣の維持も難しくなってきている。観光と結び付けて、修復作業ができないだろうか」と話していた。