伝統待ち網漁再開へ 見張り台完成、宇検村芦検

設備に焼酎と塩をまき安全祈願する関係者。後方が新設された見張り台=15日、宇検村芦検

設備に焼酎と塩をまき安全祈願する関係者。後方が新設された見張り台=15日、宇検村芦検

 宇検村芦検集落の伝統漁「当間待ち網(トウママチャン)」で利用される見張り台が新設され、15日、現地で神事があった。地元住民や県、村の関係者ら約30人が参加して安全と豊漁を祈願した。漁は8月から再開される予定。

 

 当間は漁場の呼び名。漁は海中にL字型に網を張り、見張り台に「トモリ」と呼ばれる見張り番が立って行われる。回遊する魚が網に入るとトモリが漁師に合図を出して一斉に網を引いて魚を捕らえる。

 

 以前は海岸から海にせり出すように生えていた松の樹上に見張り台を設置していたが、松くい虫の被害で松が枯死。2016年6月に伐採されたため、待ち網漁も中断されていた。

 新しく造られた見張り台は鉄筋モルタル製で高さは5メートル。県がにぎわい回廊整備事業で観光案内板、ベンチ、広場、駐車場などとともに設置した。事業費は4360万円。施設は今後村に引き渡される。

 

 神事では住民が各設備に黒糖焼酎と塩をまいて無事故と安全を祈願した。漁を管理する芦検当間組合の川畑直俊組合長(71)は「トウママチャンは宇検村で一番の観光資源になる可能性がある。新鮮な魚を楽しみにしている住民も多いので、できるだけ早く漁を再開したい」と笑顔で語った。

海から見たかつての漁場。右の松の樹上に旧見張り台がある(宇検村提供)

海から見たかつての漁場。右の松の樹上に旧見張り台がある(宇検村提供)